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2020年2月18日 (火)

『小さな学校』

☆☆ 村上監督にとっての『スパルタカス』
 村上監督作品では唯一未見だった本作。フィルモグラフィ上では2作目となる本作は、閉校が決まった在籍児童数6名という小規模な小学校を追いかけています。『流 ながれ』でも組んだ能勢広カメラマンとの共同作品。この後『無名碑 MONUMENT』となるわけですが、『無名碑 MONUMENT』からはご自身でカメラを回していらっしゃいます。以前「自分で回してみたくなった」というお話をされていたのですが、本作をみるとそれが理解できた気がしました。
 この映画は記録映画として優れてる面はありますが、完成度という点では他の作品と比較すると、うーん…となるところがありました。何というか、学校生活の中で一番面白い部分を掴み損ねている気がするのです。長期取材によって生まれた『流 ながれ』で描かれた圧倒的な時間軸の圧縮と比較すると、いかにも淡泊な上に、核となる存在がはっきりしなかったために、「学校とは何か?」というもっとも観客が興味をもつ部分が描ききれていなかったのではないでしょうか。
 『流 ながれ』もそうでしたが、本作も構図が実に端正です。わかりやすく正面を見据えて、奇をてらうことなく記録映画としてのセオリーをきちんと守っています。ところがこれは諸刃の剣で、映画的な興味でいくと変化が少ない分、全体の構成に起伏が少なかったり、先にこんなことが起きるのではないかと逆に予想しやすいという面があります(ちなみに『流 ながれ』はそれを長期撮影という別の強みがあることで、作品全体の時間軸を圧縮したことで見応えを生み出していました)。一方、村上監督自身が撮影された構図は、『東京干潟』のようにドキュメンタリーというよりは劇映画的な奥行きのあるフレーミングが多く、とてもドラマチックなのです。もちろん作為的になってしまうというデメリットはありますが、村上監督は自らと対象者の交流をもドキュメントにすることで、そこを逆手にとっています。本作での一輪車に乗っている子どもたちのシークエンスと、『東京干潟』でしじみのおじさんを自転車でずっと追跡するシークエンスとを比較すると、両者の資質の違いがくっきりと浮かんでくると思います。
 ラストの校歌のシーンはよかったですね。あそこは村上監督らしいと思いました。それもふまえると。きっと村上監督は編集をされていて、子どもたちや先生に話しかけたくなったのではないかと、感じたのです。なぜなら学校とは、人が集まり人が交流することで生み出される空間であること、そしてそこにいる人たちの存在によって化学変化が生まれ、大きく姿を変える場所だからであるからです。つまりここでは、はっきりともっと人にクローズアップするべきでした。例えば校長先生(村上監督の王道でいくならば、これな気がします)、例えば担任の先生、もっといえば児童は1人でもよかったかもしれません。もし『東京干潟』のように、校長先生と監督がやりとりしていたら、異色の学校物になっていた気がします。
 本作は村上監督にとっての『スパルタカス』(S・キューブリック)なのかもしれません。しかし村上監督のフィルモグラフィを俯瞰した場合、絶対に見逃せない作品です。ここでやりたかったことが『無名碑 MONUMENT』へとつながり、『無名碑 MONUMENT』での経験が、『東京干潟』『蟹の惑星』につながっています。機会があればぜひ。

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2020年2月 8日 (土)

「金子修介と中村由利子のバックトゥー・ショーワヘーセー」 ~バレンタインにラブソングを~

 番組については映画ライター小原雅志さんが、ときどきツイートされていました。しかしなかなか聴くという状況が難しく聴き損ねていました。その後、小原さんに番組関連のイベントがあるということを教えていただきました。最初はトークショー? 公開録音? 程度の認識でしたし、この日はすでに先約ありだったので、ちょっと迷ったのです。ただその後、宮島依里さんの歌があるかも?という情報がありました。一昨年の「夏への扉を、もう一度『1999年の夏休み』30周年音楽会」はもちろん行きましたが、昨年の「1999年の夏休み2019」音楽会はチケットが早々とソールドアウトとなってチケットを取り損ねるという大失態! 今回は万難排して行かねばとなりました。

Bossa Nova & Jazz Club Keiについて、中に入って驚いたのが会場の規模。
「こんなこぢんまりした場所で聴けるの?!」
中村由利子さんのピアノと宮島依里さんのお姿をこの至近距離で味わえるのは想定外だったので、まず大興奮です。会場で小原さんと合流し、久しぶりに映画談義(今回もお世話になりました。ペコリ)。

 中村さんと金子監督が登場。番組もきっとこんな和やかな感じで進んでいるんだろうなあという雰囲気です。そこに宮島依里さん登場。
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 もう本当にステキです。しかも今日はトーク中は写真撮影可!(一眼持ってくればヨカッタ・・・)。おそらくこの中村さんの言葉と宮島さんの歌で 完全に私もスイッチが入りました。
今日は宮島依里デーだあ!
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 依里さんの歌がうまいのは百も承知。でも生歌は初めて。もう大感激ですよ。「赤いスイートピー」から始まり、「また君に恋してる」(完全に本日の私の心境とシンクロです(汗))と続いて、『1999年の夏休み』ファンにはたまらない「終わりの来ない夏」と、映画ファンにはたまらない『ガメラ3邪神覚醒』の主題歌「もういちど教えてほしい」で、完全にノックアウトです。そしてここで中村さん発案のサプライズ! 実は依里さんの誕生日が2月3日だったので(これは私も忘れていました・・・)、みんなで中村さん伴奏でハッピーバースデーの合唱! いやあ、祝っている私の方が幸せです(笑)。
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 後半は私たちのリクエストをもとに3曲プラスアンコール。「セカンド・ラブ」「ミッシング」「守ってあげたい」「シルエット・ロマンス」の、これまたまさかの来生たかおの名曲が連続! あっ、ちなみに「守ってあげたい」が何の映画の主題歌だったかに『ねらわれた学園』!と即座に反応して声を上げた会場の男は、映画族で薬師丸ひろ子大好きだった私です(汗)。そんな私ですから「セカンド・ラブ」は1982年! 「セーラー服と機関銃」(1981)より前だもん!とMCトークの勘違いにも心の中でつぶやいてました(大汗)。そして最後は「夜空ノムコウ」を会場みんなで。中村さんのピアノ伴奏と依里さんの歌と一緒に歌えるなんて、こんな贅沢なことはあるでしょうか!(しかもこの時だけは演奏中も撮影可に。歌う姿を写せました!)
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 2年前のイベントは完全に映画『1999年の夏休み』と中村由利子デーでした(もちろんこの作品も音楽も私の人生の重要な部分で、そのことはこちらにまとめました)。でも今日は宮島依里コンサート、いやリサイタルという表現の方がふさわしいかも知れません。それがどれだけ私にとって嬉しかったことか!
 あの頃は数少ない情報を集めて宮島依里さんの姿を求めて、当時夜型生活だった私が「ドーナツ6」のために早起きしてました。「3年B組金八先生」のニンジン嫌い娘や「リトルボーイ・リトルガール」の戦時中の少女(自己紹介の場面で歌声を聴かせる場面が!)も印象的でした。日本語吹替のボイスキャストでお名前をみた時には、どれほど嬉しかったことでしょう! 『ドーソンズ・クリーク』や『CSI:マイアミ』は宮島さん目当てでみてましたし、記憶があっていれば確か『サンシャイン2057』だったと思います。何の気なしにみていて、ローズ・バーン(この方も素敵な女優さん!)の声を「誰だろう?」と思ったら、依里さんとあってビックリしたことも。ただ声優さんとして活躍されていることはとても嬉しかったけれど、一抹の寂しさがあったのも事実なのです。もう依里さんのお姿をみられることはないのかなあと。プロダクションばおばぶの声優イベントには出ないのかなあ、と思っていたこともあったぐらいです(汗)。ですから2年前の「夏への扉を、もう一度『1999年の夏休み』30周年音楽会」や『1999年の夏休み』のデジタルリマスター版上映時のイベントで、生の依里さんに初めてお目にかかれたことも大感激でしたが、今日は間違いなく私にとって、宮島依里さんの魅力をひたすら実感できた時間だったのです。
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だから! 
「あっ! 今日はお見送りに依里さんが!」
 最後までミーハーモード大発動! 昨年のイベントには行けなかったのでCDを購入することにしました。そうしたらそこにいた依里さんが私に

「ずっと客席で私の歌をニコニコしながら聴いてらっしゃいましたよね。それで私も笑顔で歌えたんです。」

あああああああああああ、女神さまが私にもったいないお言葉を!
 ニンマリとぽわーんとした顔で聴いていたのは間違いないでしょうし、席が舞台に近く確かに何回か目が合った気はしてましたが、まさか本当にみられていたとは! この一言で天にも昇る気持ちになるとは、こういうことでしょう。CDにサインを! そして握手まで! あああああああああああああああああああ 感激!!
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 タイムマシンがあったら大学生の頃の自分に教えてあげたいです。
君は魅力と才能に溢れた最高の女優さんのファンになったのだと。
ずーっとファンでいられてヨカッタと実感できた最高の時間でした。この時間に関わったすべての皆様に感謝です。ありがとうございました。

さっ、次は夏、また六本木クラップスだなあ!

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