『ホワイトハンター ブラックハート』
鑑賞自体は2回目。1回目はVHSでしたが「なかなかいいんじゃない?」程度の評価でした。たまたま再生したら「!」どころではない、実はあまりに不遇な扱いを受けている大傑作ではないかと自らの認識を改めました。
まず物語の複合的な構造が凄い。映画監督ジョン・ヒューストンをモデルにした主人公をめぐる台詞や行動に浮かび上がってくるのですが、それが実に示唆に富んでいるのです。文化の衝突、人間と自然、上流階級と下流階級、意志を貫くか周囲に合わせるか・・・。これは脚本の勝利でしょう(共同脚本になってるゆえに、どんな関わり方になっているか、とても興味がありますねぇ)。
そしてあの幕切れ。彼にとって映画をとるとはどういうことなのか。直前の象狩りのインパクトが大きいゆえにあまり指摘されていないかもしれませんが、実は彼はハリウッドという町を愛しているように、映画作りも大好き。象狩りなんかより映画作りの方が遥かに。でもそれは愛憎半ばかもしれないし、その怖さもわかってきた。だから逃げたい気持ちもあったのかもしれません。でももう逃げない。あのイスに座る直前の彼は「監督」。それも一流の。
『アフリカの女王』も名作ですが、こちらもそれに勝るとも劣らない傑作です。
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