第4回落語国際大会in千葉に参加して
今日は花伝亭仁消として、です。
11/15&11/16の2日間、千葉で「第4回落語国際大会in千葉」が開催され、私も参加してきました。私は第2回から参加させていただいていますが、今年も決勝に残ることができました。3年連続決勝に残ったのは私だけ?とのことで、幸運に恵まれたことに感謝したいです。
備忘録がわりに今年の決勝出場者と演目リスト(出演順) と結果
麹家へい遊「転失気」
花伝亭らぶめーたー「出来心」(3位)
花伝亭仁消「夫婦に乾杯」
参遊亭小遊「老眼メール」
鹿鳴家安芸「天狗裁き」
鹿鳴家河童「夢金」(2位)
せんよう亭活砲偽「壺算」
藤乃家こけし「お花半七」
鹿鳴家さん歩「背なで老いてる唐獅子牡丹」(優勝!)
不動坊歌宴「初天神」
せんよう亭寿ぼら「狸札」
参考リンク
予選・決勝と参加されたみなさん、お越しいただいたお客様方、そして運営・審査に関わっていただいた皆さんにお礼申し上げます。
さて今日はある思いを整理するためにここに書きたいと思います。
思い起こすと、我流だった自分の落語をちゃんと教わりたいと思い、芸能花伝舎で行われていた落語芸術協会主催の落語体験入門初級編にお世話になったのが3年前。その時の発表会で、三遊亭圓馬師匠が「千葉にアマチュア落語の大会がある」とおっしゃっていたのがきっかけでした。腕試しにと思い参加したら、事前審査を通り、さらに思いがけないことに滑り込みで、翌日の決勝に参加できることになりました。その時の決勝に参加された方々の高座は、前年度優勝だった鹿鳴家さん歩さんの『大仏餅』をはじめとして、「本当にアマチュアなの?」という素晴らしさで、まさにカルチャーショックでした。でも大きな目標ができた喜びもありました。
2年目となった昨年は池田市の社会人落語選手権にも予選に参加することができました。また第3回落語国際大会では再び決勝まで残ることができました。ただ2年連続で決勝に残ったことは自信になったというよりは、心の中にぼんやりと「ある言葉」が浮かび始めるきっかけになりました。2年目の挑戦は自分なりの限界まで必死に頑張ったという気持ちがありました。それゆえに終わった後の正直な気持ちとして、ここから先はどう進めばよいのか、途方に暮れた自分がいました。つまりここから先に進むために必要なものは何だろうという問いです。そして今年、おかげさまで3年連続で決勝まで駒を進めることができましたが、他の方の高座を聞いていて自分に足りない物をはっきりと突きつけられた一日になりました。
それはずばり「高座百遍」。
私に決定的に欠けているのは大人相手に発表した経験で、決勝に残った他の方と比較すると圧倒的に少ないのです。バッティングセンターでどれだけホームランを打っても、本当の野球の試合ではなかなかヒットを打てるようにならないのと同じ理由です。
決勝の後、参加されたみなさんは顔見知りということもあって打ち上げをされていました。私は自分の都合もあり過去2回のあとは辞退していました。ただ、もし都合がついても断っていたかも知れません。心のどこかで気後れしていたところもありますし、自分のような若輩者なんて滅相もない!という思いがあったのは事実だと思います。今年は打ち上げにも初めて参加しました。そしてただただ圧倒されました。その時間はとても楽しかったですし、さまざまなお話はとても勉強になりました。でもずーっと心の中で「ある言葉」が、2年前からときどき聞こえてくる「ある言葉」が聞こえてくるのです。それは
「花伝亭仁消に、アマチュア落語家としてそこまで活動する覚悟はあるのか」と。
そろそろちゃんと自分に答えなくてはいけないのかもしれません。今の自分の正直な答えは「ありません」だと思います。
私はこのブログではあまり社会人落語家をしてのことを書いていません。それは自分の芸を披露することに「照れ」があると同時に、どこかそんな芸を持っているのかという気持ちがあるからです。他の方の会に参加したいという思いはゼロではありません。でも大会以上に怖いし、自分にはそこまでの技量も自信もありません。きっと準備と勉強が必要だと思います。でもそもそもの目的は達成している今、そこまでする理由が、今、自分の中で見つけるのが難しい。やりたい時にやって、子どもたちを笑わせて。花伝亭の中級に通いたい気持ちはあるけれど、週末がごっそりと持っていかれることを自分も家族もあまり歓迎していないところもあります。身の丈にあった楽しみ方をする方が性に合っているかなあと思いますし、語はするよりも楽しむ方が本当なのかもなあ、などとも思っています。
アマチュアなので引退はありませんし、活動自体はやっていきたいと思います。でもちょっとだけペースダウンして、落語を「やってみたい!」と思える時まで、のんびりしようかとと思っています。
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