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2013年11月13日 (水)

第二回WOWOW映画王選手権に参加して(とりあえず)

0009_2  いずれブログできちんとまとめようとは思っていますが、とにかく本業が忙しい時期でして当分無理そうです。でもあの番組の後、いろんな方がここもご覧いただいたようです。またtwitterなどで、さまざまな感想もつぶやかれていたので、とりあえず伝えておきたいことを、ドラフトというか、備忘録という感じで書いておこうと思います。

 まず自分の結果については仕方がないと思っています。またもや家族や応援している人をがっかりさせたことだけは心苦しいのですが、その点以外にはまったく悔いがありません。本当に楽しくてよい思い出になりました。そもそも映画の知識は争うものではないと思ってますし(私が映画検定を受けていないのは、そんなことで金を払ってまでランク付けされたくないという気持ちが強いからです(汗))。じゃあ、なぜ受けたかというと、ただ単純に映画のクイズを解くことが楽しいから。そして結果的に映画好きのみなさんと出会えるから、なのです。なにしろ本当にみなさん詳しい上に、自分の世界をちゃんともってらっしゃるので、会場に来て「あっ、見覚えのある方だ!」という人が増えると嬉しくなってしまいます。

 前回、私は松崎さんに負けてよかったと負け惜しみではなく、心底思っています。松崎さんの現在の活躍はもちろんご自身のお力が一番だと思いますが、映画王が大きなチャンスだったことは事実だと思います。きっと今回の小玉さんもご自分のお仕事にいきてくるかもしれません。でも。私の場合はもし映画王になったとしても基本的に変わらなかったと思いますし、変えなかったと思います。やはり自分の場合、本業が一番大事だし(これはこれで自分の夢でしたから)、それを大事にするためには副業はできません。何よりこういう映画マスコミには自分が向いていないことをわかっています。大学生の頃、評論家やライターさんという方向に憧れた時期もありました。でも、ちょっとだけそういう真似事をして、その世界に近づいた時に、信頼できた先輩にズバッと「お前はこの世界でやっていくには心根が優しすぎる」と言われました。物を書くということは誰かを勇気づけるだけではなく、誰かを傷つけることも多くあります。でもそれを恐れているとよい文章は書けません。プロとして何らかの形で映画に関わるには、その大変な現実を垣間見てしまって勇気が出なかった。むしろ好きである物を純粋に好きでいられる一映画ファンの方が自分には合っていると思ったのです。だから松崎さんは後に続く人にはとてもよい目標になったと思いますし、映画王になる人は、そういう人の方がいいのかもしれません。

 ご覧になった方もおわかりのように確かに現場が混乱していた点は少なからずあったと思います。でも自分の意見としては、参加者それぞれに幸運と不運があった気がしますし、誰かだけに不公平があったとは思っていません。それに何よりあそこで関わったスタッフの皆さんには感謝の気持ちしかないのです。あの鬼のような進行状況で、スタッフのみなさんは私たち出演者にいつもいつもあたたかい言葉をかけていただきました。それこそ内輪では怒号一歩手前のような緊張感いっぱいの状況でも、すっと切り替えて、私たちには盛り上がるように優しく声をかけてくれるのです。前回いらっしゃったスタッフさんも何人かいらして、「前回は惜しかったですね!」と声もかけていただきました。また問題作成も大変です。難しすぎても簡単すぎてもだめ。しかも古今東西の映画知識を問いながら、WOWOWの番組宣伝も兼ねなくてはならない。作成者の方々は大変だったと思います。MCのいとうせいこうさんは前回今回と「さすが!」と思える進行で、私たちが問題に集中できる状況を作っていただきました。町山智浩さんは本当に優しくて、何より敗者である参加者をいつも労ってくださいました。今回も終了後にわざわざ参加者の控え室をたずねてくださって、交流の時間を作っていただきました。私も去年著書にサインをいただきましたが、私たち映画ファンの憧れの存在ですから、もうみんな大興奮!で何よりのプレゼントだった気がします。

 WOWOWは私の知っている限り、特番として映画関係のクイズ番組を制作したのはこれで4回目。この事実だけでも感謝です。そんな中、4回とも本戦まで残った方は1人だけいらっしゃいます。現在九州在住のMさん。去年はスカパーの映画クイズで優勝。この人も一映画ファンですから、すごいなあ!といつもながら感心します。かくいう私も4回中3回準優勝(1回目は不出場)。ある人から「無冠の帝王を目指しますか?」と聞かれましたが、ただの映画ファンとして決勝まで3回続けて残れたのは我ながら「ちょっとすごい?」とは思っています(大汗)。冷静になって振り返ってみると。 

 まずジャンルは幅広くみている人の方が有利です。旧作新作、邦画洋画、娯楽系アート系、私のような雑食系はまずここが有利だったと思います。それと運。斉藤工さんが述べていらっしゃいましたが、問題が合う合わないはあるでしょう。実際2次予選の最初はサドンデス方式の○×クイズなのですが、最初にでた練習問題、私はわかりませんでした。(「エクスペンダブルズ2」の敵ボスはジャン・クロード・ヴァンダムである。○か×か? 正解は○) これが本番ではじめに出ていたらずっこけていたわけです。オープニングマッチの『タイタニック』は私には超ラッキーでした。大好きな映画で何回となくみていましたから。

 でも。最大の理由は私がWOWOWを大好きで、本当によく利用していることが大きいと思うのです。私は今の生活では映画館はおろか、ホームシアターでも、平日はほとんど映画をみられる時間はありません。週末の早朝か深夜に何本かまとめてみられるだけです。今の生活の中ではリアルタイムに劇場で新作を数多くみる生活はあきらめました(それでもできるだけ足は運ぼうとしていますが)。そんな私にとってWOWOWは本当に貴重なロードショー館であり、ミニシアターでもあり、名画座でもあります。いや、映画ファンはもっとWOWOWに感謝すべきだと思ってます。ソフト化&BD化されていない映画をHDでがんがんオンエアしてくれる上に、中にはここでとりあげたことに大きな価値があるようなクラシックスもたくさんやってくれるのですから。月末には次々月のラインナップが正式に発表されます。私はそれをいつもワクワクしながらチェックし、録画リストを作ります。面倒ではあるのですが至福の時でもあります(笑)。WOWOW(ついでにいうならば、あと日本映画専門チャンネルも)の編成担当さんには、もう足を向けて寝られないぐらい感謝感謝なのです。だからひょっとすると、私は映画王にはなれないけれど、WOWOW王かもしれないかなあと思う時はあります(笑)。だって音楽もボクシングも好きですから(笑)。

 というわけで、これからも私は一映画ファンとして、のんびり映画をみる時間を楽しみながら、「おもしろかった」「つまらなかった」と好きなように感想を持つ立場でいようと思います。そしてその中で、映画ファンの方々と何かの機会に語りあう時間が持てるだけで幸せです。終了した後に自分がtwitterのつぶやきと同じになるのですが、番組制作に関わられたすべての方々、番組で知り合うことができた参加者の皆様、そして私を応援していただいた方々、みなさんに感謝の気持ちをあらためてお伝えしたいと思います。ねがわくば第3回(あるといいですね!)の会場で再会できますように!

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