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2013年8月 6日 (火)

『アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ』

Ispiton ☆1/2 陰鬱な上に情念すらないので薄っぺらいことこの上ない。
 オリジナルは未見。でもレンタルビデオ店に勤務していた時に徳間コミュニケーションズからリリースされていた『悪魔のえじき』のジャケットはハッキリと覚えています。ある程度の予備知識はあってみたのですが、まず想像以上に陰鬱でした。もちろんレイプへの復讐劇ですし、活劇とのカタルシスが必要だと思うのですが、少なくとも快哉を叫ぶような描写ではありません。しかもこんな復讐を個人的な仕返しで計画する女性は何を考えているかに思いをめぐらせてみると、この女性自身にどうしても疑問符がついてしまいます。いや、百歩譲って、あれだけのことをされたのだから女性自身のリミットが壊れてしまったとしましょう。でもこの映画にはそういう情念を伝えるような雰囲気はありません。オリジナルがインパクトがあったのはこの部分なのではと勝手に想像していますが、我々の心に消すことのできない衝撃を与える作品は、その描写自体はもちろんのこと、やはり作品自体が持つ空気というのは大きいと思うのです。それがないとただ単によくできた視覚効果だとか、悪趣味なグロ描写だぐらいの印象しか残らない、単に安っぽいスラッシャーになってしまうのだと思います。この作品もそういう落とし穴にはまってしまった気がします。

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