『キック・アス』
☆☆1/2 ゲラゲラ笑うコメディだけどそれ以上に何がある?
いわゆる映画秘宝方面で絶賛されていた本作。『ピラニア3D』もそうなのですが、ゲラゲラ笑えるのは笑えるのですが、それ以上に何かあるという作品ではありません。私も秘宝系の作品は嫌いではないのですが、でもその昔、自分が好きだったB級作品って絶賛されない作品だったし、絶賛される作品でもなかった。けれど何か強烈なサムシングがあったのだと思うのです。で、この作品はどうかというと、そういうものは感じない。反社会的とい表現したいオリジナリティでもない。ましてや観客を楽しませようというものも感じない。ただ単に稚拙なだけ。サム・ライミの『死霊のはらわた』のトゥーマッチは、対象として客がいた。だから思う存分楽しめました。しかしここにはそれはない。それ以上に何もなく、ゆえに粋でもないのです。秘宝系の作品は嫌いではないのですが、必要以上に持ち上げられる昨今、その風潮が何をうみだしているのかをしっかりと見極める必要もある気がします。
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