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2012年8月 2日 (木)

『四十七人の刺客』

Sijuusiti ☆ 魅力的な素材をいかせず。
 つまらなかった! 市川崑の晩年作品はどうしてこういう作品ばかりなのでしょうか。才能は涸れ果て、魅力的な素材をいかすことができないことが多々あったと思いますが、これもまさにそう。知っての通り池宮彰一郞はかつて池上金男として『十三人の刺客』など数多くの脚本を書いています。四十七士の物語をよりリアルに描く、この作品も本来はそんな作品を目指すべきであったのでしょう。しかし映像設計はいつもの市川崑調。芝居は妙な誇張で充満し役者はやりたい放題。それをあの独特のカッティングでつなぐのですから、ダイナミズムのかけらもなく、劇的なカタルシスは皆無といってよいでしょう。高倉健の無駄遣い、脇をかためる役者陣にも魅力がありません。中井貴一や浅丘ルリ子が登場する場面はほとんどギャグです。
 こういう作品が時代劇離れを加速させているということは制作者は肝に銘ずるべきです。

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