『アイルトン・セナ 音速の彼方へ』
☆☆ リアルタイムでセナと接してきたファンには何の感慨も起きないだろう。
私ぐらいの世代の人はF1にはまっていたという人も多いでしょう。かくいう私も中嶋悟のフルタイム参戦からすっかりはまってしまい、それからF1を楽しんでいました。その頃チャンピオン争いはアイルトン・セナとアラン・プロストが熾烈な争いを繰り広げていました。中でもアイルトン・セナというドライバーに強い印象を抱いている方も多いでしょう。この映画はそんな彼の人生をおったドキュメンタリーです。しかし残念ながら私のようにF1を楽しんでいた人間にとっては、彼を表面上をなぞっているとしか感じられませんでした。ひとつめは彼の現役時代を証言できるドライバーはもっとたくさんいるし、さらに関係者はもっともっといたであろうという思いがあること。もうひとつは最後に彼が命を落とすことになる事故について、もう少し突っ込んだところがほしかったということです。またこれが彼を知る入り口となるかというとそれも微妙で、彼の凄さはまったく伝わってきません。
彼と同時代を生きた人間にとっては、それぞれの心の中にそれぞれの人物像があります。「これは違う」というぐらいの描き方であればドキュメンタリーで描いた価値はあると思います。しかし本作はあまりにも表面的で、あらためてセナをとりあげた意味がどこにあるのかに疑問を感じました。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント