『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』
☆☆1/2 伝記映画の殻の中。
彼女のことはよく知らなくても、その名前や歌声は耳にしたことであろうエディット・ピアフ。さあ、これから彼女の生涯を描いた作品の上映がスタートしますが、どんな作品を想像しましたか? 伝記で描かれるぐらいですからきっと波瀾万丈なのでしょうね。あんなことこんなこと、起きていそうですね。はい、この作品はそんな観客の想像力を超えることはありません。正確に言うと出来事には驚きはありますが、それをこんな感じで描くであろうという観客の想定を超えていないということです。彼女を知らない観客に彼女の凄さをどう伝えるのか? そして彼女を知っている観客にその凄さを共感してもらうにはどうすればよいのか。そういう意味では最近多い伝記映画の殻を破ることはありませんでした。マリオン・コティヤールは熱演。オスカー獲得も納得ですが、ただ前述したことと関わる部分で言うならば、似ているという部分からもう一歩進んでも、というのは贅沢でしょうか。
エディット・ピアフを知るには格好の作品ではあると思います。しかし彼女のアルバムを聴いて、彼女の伝記を読んだ方が、ピアフの凄さによりダイレクトに触れられるのかもしれません。
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