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2012年6月30日 (土)

『アメイジング・スパイダーマン』

Amspid ☆☆1/2 同じ話をどう語るかが語り手の才。
 パート4のはずがリブートされてということになった本作。スタッフ・キャストが一新されたわけですが、正直なんでこんな作りになったのよという疑問が鑑賞中の頭の中にひたすら渦巻く出来となりました。いや、でき自体はそれほど悪くはありません。でもなぜじゃあリブートするのよという点がどうしても納得できないのです。
 結果的にリブートされたことによって、前半はスパイダーマン誕生までにいきさつとなります。この作品の肝はここでしょう。なぜなら何度も語られたヒーロー誕生は、個々に大きな差違がうまれることで個性ができ、それが同じヒーロー物でも味付けの違いとなるからです。サム・ライミ版とはまったく違う主人公像、大きくクローズアップされたピーターの両親の秘密、そしてピーターとグウェンの物語。『(500)日のサマー』の監督だけあって、ピーターとグウェンの恋や、グウェンの父とのやりとりなど物語の中にエモーショナルな部分はサム・ライミ版よりもよい部分もたくさんあるのです。しかしサム・ライミ版よりそこが優れているというところに無自覚なのかも知れません。活劇シークエンスはサム・ライミに一日の長はあり、全方位型のエンタテインメントではかないません。なのでここまできたら青春物で徹底してもよかった。そうしたら今までみたことのないヒーロー物語になる可能性はあったはずです。アンドリュー・ガーフィールドは可能性を感じる若手ですが、本作では大きな魅力は感じませんでした。それよりはエマ・ストーンのキュートな存在感が大きな魅力になっています。あとC・トーマス・ハウエルが小さな役で顔を出していたのには驚きました。
 「映画秘宝」最新号で長谷川町蔵氏は本作がパート2で化ける可能性を指摘していました。なるほど。それはあるかもしれません。でもそのためにはマーク・ウェブ監督が自分の何が強みかを自覚し、そこから物語を生み出す必要があります。
(平和島シネマサンシャイン1にて)

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2012年6月29日 (金)

BD『エレファント・マン』

Bdelepha  すっかりデビッド・リンチづいている我がシアター。半年ぐらい前にスタチャンでオンエアされていたのだが、あまりの素晴らしさに即購入。公開当時に煽られた単純な感動物でも、リンチ的なフリーク賛美でもない、真の芸術だけが触れることのできる本質的な何かを掴もうとしているという意味で、あらためて再評価されるべき作品だと思う。音質はもともとナロウなレンジで仕方がないが、画質はなかなか健闘しており、フレデリック・エルムズの紡ぎ出すモノクロ世界は歓びも悲しみも、そして美も醜もすべてを呑み込んでしまう深い闇を表出させている。

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2012年6月28日 (木)

BD『ロスト・ハイウェイ』

Bdlosth  デビッド・リンチの不条理スリラー(?)。しかし私はこれはすんごい作品だと思う。既リリースDVDの品質がかなり低レベルだったので、まずはBD化されたことには拍手(全然BSなんかでやらないし)。画質と音質は水準クラス。私は映画館で鑑賞しているが、その時の印象が強烈で、それと比較すると画質についてはシャープさには欠け、暗部の階調表現にも艶めかしさがなく、もう一声なんとかならんかったかという感じ。さらに映像特典が作品に関連するのが予告編のみというのは、リンチらしいといえばそうなのだが、それでも何とかしてほしかった。

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2012年6月27日 (水)

BD『127時間』

Bd127hrs  ダニー・ボイル監督の実話映画化作品。→review 映像はいかにもなデジタルライクな映像で音質も素晴らしい。私はシャンテシネで鑑賞したが、フィルム上映よりも印象はこっちの方がよかった。力作であるし、また映像特典も充実しており、ちょっと待てば廉価版が出ることについての議論はさておき(事実私もこれは待ったクチ)、手ごろな価格でこのディスクが手に入るのは喜ばしい限り。

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2012年6月26日 (火)

BD: THE COLOR OF MONEY

Bdcolorof_2 邦題『ハスラー2』

 日本でナインボールをブレイクさせるきっかけになった作品。筆者もはまりました!(笑) で、HDオンエアは済んでいるのになぜわざわざ買ったかといえば、映像特典がアナウンスされていたから。ところがフタを開けたらなーんもなくてがっかり(本当に本編のみだった)。しかも画質でさえ黒がつぶれた感じで、amazon.comでの酷評レビューの嵐も納得の1枚。これで25周年記念版とはどういうこと? 買わない方がよいだろう。

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2012年6月25日 (月)

怒濤の半年でした

いやあ、ひさしぶりの投稿です。怒濤の半年強でした。
・仕事が多忙すぎ。今年も部署的には多忙になりそう。
・映画は映画館に全然行けていません。
・かろうじてホームシアターは楽しめていますが、WOWOWやスタチャンのHD多チャンネル化で録画の管理が大変なことに。
・昨年秋のWOWOW映画王でちょいと目立ってしまいました(汗)
・落語がらみでもちょいとありまして、現在もちょいとあります。
・下の娘もいよいよ小学生に。おかげさまで家族はみんな元気です。
そのうちいろいろと書けるネタは書いていこうと思います。でも突然またぷつっと更新が止まることも(いつものことですな(汗)) あとTwitterはときどき投稿してます。ユーザー名jinkeshi
で検索してみてください。

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2012年6月24日 (日)

BD『炎のランナー』

Bdchario  ヒュー・ハドソン監督のオスカー4部門受賞作。何しろ4Kマスターというのもウリになっている30周年記念版ということで期待して購入。収録されているのは劇場公開版で、アルティメットエディションにあったアメリカ公開版は未収録。余談だがアメリカ公開版はIMAGICA-BSでオンエア済みで、まさかまさかの偶然でちょっと嬉しかった。WOWOWオンエア版などと比較すると色温度は暖色系方向に鮮やかになった感じ。ただし先鋭感はなく、そういう方面で4Kマスターだからという過度な劇的変化を期待はしない方がよいかもしれない。音質はそれほどの変化はない。映像特典でアルティメットエディション版にあったものはすべて収録され、プラス新特典は映像2つと追加シーンが1場面。そして個人的に期待していたミュージックトラックは、本当にミュージックトラックで、本編でセリフなどと重なるためにボリュームが下がるところは、こっちも下がっている(汗)。私のように完全版サントラを自作しようとした人にはがっかり。
 とりあえず私のようにすでにHD映像をエアチェックして、アルティメットエディションやサントラを所有している人間にとって実売5000円弱となると商品価値は正直微妙。これならCDとかを外して値段を下げてもらった方がよかったと思う。

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