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2011年7月29日 (金)

『X-MEN:ファースト・ジェネレーション』

Xmen1stc ☆☆☆ きちっと娯楽。ツボはおさえてる。
 それなりの成功を収めた3部作。スピンオフでウルヴァリンが主演した作品。それらをすべて1度リセットする形で、X-MEN誕生の頃を描く本作は、シリーズ中1番の完成度になっていました。
 3部作がそれなりの幕開けをしたにもかかわらず、ブライアン・シンガーの演出にケレン味がなく、さらにキャラクターの立たせ方もうまくありませんでした(ハル・ベリーがオスカーかっさらうという想定外の事態も話をややこしくしたかもしれません)。職人監督のブレッド・ラトナーが演出した3作目が一番楽しめたというのも皮肉かも知れません。またウルヴァリンが主演のスピンオフが楽しめたのもキャラクターの描きわけがうまかったからです。そう、この作品の肝はキャラクターの描写。それがうまくいくと自然に話が転がるのです。本作のよさはそこをクリアできたこと。これは脚本家の手柄だと思います。その結果、冷戦下のキューバ危機という背景を巧みに取り入れ、ミュータントと人間の対立構造に説得力をもたせながら、娯楽作として楽しめる作りになっています。またもうひとつ貢献しているのは演技陣。キャスティング。ジェームズ・マカヴォイは言うまでもありませんが、素晴らしかったのは若き日のマグニートーを演じたマイケル・ファスベンダー。彼のスピンオフがみたいと思わせるほどで、魅力たっぷりです。
 カメオ出演やちょっとした小ネタで、旧シリーズをみた人にもさりげなくサービス。でも何より本作はきちんとエンタテインメントとしてツボを押さえてることが一番評価すべきことでしょう。みた人が「続きをみたい!」と思わせたことが勝因です。
(ユナイテッドシネマ豊洲6にて)

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