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2011年7月 1日 (金)

『SAYURI』

Sayuri ☆☆1/2 完全なるファンタジーとしてみればあり。でもセンスはなし。
 ロブ・マーシャルの『シカゴ』を酷評していた私。これを嫌いだった人は私の周囲には少数派で、オスカーまでとっちゃったんで、結構肩身が狭かったのですが、そのあとの作品がさんざんな出来映えで「ほらみてみろ!」と少しほっとしている私。この作品も何か笑ってしまう出来で、まあファンタジーとしての日本としてはありだと思うのですが、だから何だよという突っ込みではすまないセンスのなさが問題です。日本家屋を美しくとらえていない、踊りの所作や着物姿に美を感じない、結局センスがないのです。私が『シカゴ』を嫌いな理由に、ボブ・フォッシーが表現していた官能美がまったく感じられないことがあります。彼の『キャバレー』や『オール・ザット・ジャズ』と比較すると一目瞭然。センスはあるかないかしかありません。この作品もそれが一目でわかってしまうのです。

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