『SUPER 8 スーパーエイト』
☆☆1/2 なぜこれは共感できないのか。
予告編の迫力が凄かったので少しだけ期待していました。少しだけというのはJ・J・エイブラムス監督作品と私はあまり相性が良くないので。で、本作はつまらんくはなかったものの、どこか肝心なところが足りなかったなあという感じでした。
前半はものすごく楽しめました。題名のとおり、この映画には8ミリ映画製作が出てきますが、私も8ミリ映画製作を体験していて、にやりとさせられる雰囲気があり、そんな高揚感がよい方向に作用していました。ところが後半謎解きの部分で減速、そして種明かしで明らかに失速。話の「種」自体は悪くないものの、正体のデザインには幻滅。荘厳さのかけらもありませんし、エモーショナルな要素も足りません。スピルバーグでいくならばそれこそジュブナイルな『未知との遭遇』か、それこそちょっとベタだけど『グーニーズ』みたいな路線でよかったはずですが、J・J・エイブラムスにはそういう資質はないようです。
子役たちには花マルをあげましょう! みんなとてもよかったです。中でもエル・ファニングはびっくり。幼い頃はただ単になんとかの七光りじゃんと思ってましたが、ここでは姉ちゃんなんて目じゃない存在感です。
結局ここでの登場人物たちには共感、というか「いいなあ」みたいな羨みといった方がよい気持ちを観客はいだくことができず、それが大きな欠点です。エンドクレジットで流れる「ゾンビ映画」の方がはるかに楽しさを感じるのは困りものです。
(TOHOシネマズ川崎4にて)
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント