いつものように、とても忙しかった2月&3月。
いつもとは違った東日本大震災。
幸いなことに私自身も、私の周囲でも
大きな被害を受けることはなかったのですが
あの震災が私の心に与えた衝撃は
とてつもなく大きく
正直、何もする気が起きませんでした。
何を言っても何をやっても
自分の気持ちを正確に表現することなどできるわけはなく
誰かの言葉も誰かの行動も
私の心を支えてくれることはなく
誰かの悲しみも誰かの苦しみも
私がそれを真に理解することは出来ず
わかったことは
私の心は強くなかったことと
失われた日常がとてもまぶしく愛おしく
それが決して二度と元に戻らないこと
そしてそれらが本当に苦しいこと
生きる力を蘇らせてくれたのは
映画であり音楽であり落語でした。
友人であり同僚であり家族でした。
体の底から何かがわき上がってきて
心が閉じている時には何も感じなかったものたちが
すーっと染みこんでくるようでした。
きっとこの喪失感は消えることはないかもしれません。
でも私がこうだったように
芸術はきっと誰かの力になるかもしれません。
ショーン・ペンの初監督作品『インディアン・ランナー』。
2人の兄弟の物語。
弟の生き様も強烈ですが、
私は初めてこの映画をみた時に
兄の生き方に、兄の言葉に、はっとさせられました。
(いろんな意味で私は
「ちゃんと戻ってきた」弟フランクなのかもしれません。)
ラストの兄のモノローグ
『ぼくはその夜、家に帰り
庭に水をやり
子どもにキスをして
妻を朝まで抱きしめていた。
人生はいいものだ。』
当たり前のことを当たり前と思わずに。
当たり前のことが当たり前になるように。
私はまた日々を生きていこうと思います。
そして自分が出来ることを精一杯していこうと思います。
最近のコメント