『ペルセポリス』
☆☆☆ 「虎の目」に大笑い。
『戦場でワルツを』はその幻想的な展開が評価された部分があったようですが、それがかえって胡散臭く、現実から目を背けているような感じがしました。一方でこちらは1人の女性の生き方(監督の自伝的作品だそうです)をしっかりと見つめながら、イランという国の近現代史と、イラン人としてのアイデンティティ、そして女性としての生き方を浮かび上がらせています。特に留学中のエピソードと、帰国後の描写が印象深く残ります。サバイバーの「アイ・オブ・ザ・タイガー」を熱唱したシーンには大爆笑。こういうセンスが最高です。
『戦場でワルツを』より私は断然こちらを支持します。1人の女性の生き方として、力強さとたくましさとはかなさをユーモアに包み込んでいます。その上でアニメーションとしてのおもしろさまで兼ね備えているのですから見事です。というかこの作品はこういう手法でしか映像化できなかったのでしょうね。その面でも評価したいと思います。
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