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2011年1月20日 (木)

『接吻』

Seppun ☆☆☆1/2 緩みのない緊張感の末にあった、あのラストは何だ?
 凄かった。最初の豊川悦司が犯罪を引き起こす場面から、一瞬の気の緩みすら許さぬこの展開。小池栄子演じるOLを取り巻く人間環境の描き方も実に巧み。なので彼女が一方的に無差別殺人犯に好意をよせていく過程も、小池栄子の演技もあって説得力があります。スリリングなのが、OLと殺人犯との交流が進むにつれて、2人の求めるものが逆転していくところ。このあたりまではよかったのですが、もったいないのがラスト。あれは何でしょう? どうせなら最後まで奇をてらわないで欲しかった。最後まで正攻法で押し切ってくれれば、邦画でも珍しいタイプの傑作になったと思います。万田邦敏監督作は初見でしたが、過去の作品もみてみたいと思いました。役者陣は主演2人がとにかくよく、また篠田三郎さんもが印象に残る演技をみせます。しかし仲村トオルは悪くはないものの、他の役者さんの方が似合っていたかも知れません。
 予備知識はなるべくなしで。そして少しだけ覚悟をきめてみてください。ここ数年の邦画の中では尋常ではない歯応えを持つ作品です。

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