訃報:ピート・ポスルスウェイト
イギリスの俳優、ピート・ポスルスウェイトさんが1/2に英シュロップシャー州の病院で死去したことが明らかになりました。享年64歳。直接の死因は明らかにされていませんが、長年ガンを患っていたそうです。
1946年2月7日イングランドのチェシャー州ワリントン出身。修道会系女学校で教師をしていましたが、俳優になるという夢を捨てきれず、リヴァプールのエヴリマン・シアター、マンチェスター・ロイヤル・エクスチェンジを経て、70年代には名門ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーに入団し、数々の舞台を経験しました。
1977年にリドリー・スコット監督の「デュエリスト/決闘者」の端役で長編映画デビュー。「遠い声、静かな暮し」(89)で注目を浴び、その後、「ハムレット」(91)、『エイリアン3』(1992)と、話題作ながら脇役が続きます。そして1993年に『父の祈りを』で、IRAの爆弾テロリストとして息子とともに投獄され、無実を明かすために長い闘いを続ける父親を熱演。アカデミー賞助演男優賞にノミネートされました。2003年には大英勲章OBEを授与されています。他にも『ユージュアル・サスペクツ』(1995)、『ロミオ+ジュリエット』(1996)、『ブラス!』(1996)、『ロスト・ワールド/ジュラシック・パーク』(1997)、『ナイロビの蜂』(2006)、『インセプション』(2010)など、数々の作品に出演しました。日本ではこの後にベン・アフレック監督作『ザ・タウン』が公開されますが、遺作は全米で4月に公開される"Killing Bono"になるそうです。
印象に残るジャガイモ顔というか、親父!と呼びたい役が似合う俳優さんでした。コミカル、シリアスなんでもござれで、やはり『ユージュアル・サスペクツ』のコバヤシや、『ロスト・ワールド』のハンターが印象深いですが、個人的には『ドラゴンハート』(1996)での弓矢が得意な僧の役も彼ならではの味でした。
ご冥福をお祈りします。
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