訃報:ピーター・イエーツ
たまたま知り合いから「訃報はニュースであるから、書かなくていいんじゃない?」と言われました。
いいえ! ニュースは寂しすぎて、いずれ消滅。Wikiはいい加減。せめて複数のソースを検証して、ちゃんとしたプロフィールを整理しておくのが、自分の敬愛する映画人へのファンとしてとるべき行動かと。ご理解ください。
映画監督ピーター・イエーツ氏が2011年1月9日、イギリスのロンドンにて死去していたことを代理人が10日発表しました。享年81歳。葬儀には近親者のみが参列し、その後お別れの会を行う予定だそうです。
イギリスのハンプシャー州オールダショットに生まれたイエーツ監督は、もともとロンドンの英国王立演劇学校で俳優を目指し卒業後、俳優や演出家として舞台で活躍していた。レーシングカーのドライバーを務めていたこともあったという。やがて編集マンとして映画界のキャリアをスタート。トニー・リチャードソンの『蜜の味』やJ・リー・トンプソン監督の『ナバロンの要塞』などの助監督、テレビ番組の演出などを経て、1963年に『太陽と遊ぼう!』で監督としてデビュー。1967年に監督した『大列車強盗団』では、そのアクション演出が評価され、ハリウッドに招かれます。そしてサンフランシスコを舞台に壮絶なカーチェイスを繰り広げる映画『ブリット』を演出しました。その後青春映画の傑作『ヤング・ゼネレーション』(1979)ではアカデミー賞最優秀監督賞にノミネート。1983年にも『ドレッサー』(1984)で同賞にノミネートされました。他にも『マーフィの戦い』(1971)、『ホット・ロック』(1971)、『目撃者』(1981)、『哀愁のエレーニ』(1985)、『容疑者』(1987)などがあります。劇場用作品の遺作はジェームズ・スペイダー、マイケル・ケイン、サム・シェパードらが共演した『ニューヨークの亡霊』(1999)になりました。
正直1980年代半ばからはあまり評価されない作品が並びますが、70年代から80年代前半はよい作品をたくさん送りだしました。中でも私にとっては『ドレッサー』をみた時の感激を生涯忘れ得ません。
ご冥福をお祈りします。
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