『天国の日々』
☆☆☆ 圧倒的な美。ポートレイトのような物語。
テレンス・マリック作品で未見だった1本。これはできるだけ最良の状態で鑑賞したいと思い、あえてビデオではみていなかった作品。結局リバイバルでみることは叶いませんでしたが、せめてというわけでHD映像でみることができました。
話自体はそれこそラース・フォン・トリアーあたりが撮ると『マンダレイ』とかになっちゃいそうなもので、それをこういう映像詩で語れてしまうところがこの作品の魅力です。もはや伝説のようになっていますが、ネストール・アルメンドロス(一部ハスケル・ウェクスラー)の撮影した映像は素晴らしく、美しい絵画のようです。それでいて物語が映像の中に隠れている、それを演出が紡ぎ出すというところでしょう。演技陣もそういう意味で芝居だけではなくシルエットすら美しいのです。ただ期待しすぎたせいか、もうひとつ物語の中に入り込めなかったところがあったのは事実で、これは劇場でみないと真価がわからない作品なのかもしれません。
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