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2010年12月26日 (日)

『栄光のル・マン』

Leman ☆☆☆ うん、ざっつ・れいす!
 マックイーンが生涯のフィルモグラフィの中でも特別な思い入れをもっている本作、なるほど、レーサーとしても活躍しているだけに、描き方がひと味違う作品でした。
 私のようにモータースポーツにハマったことのある人間としては、こういう描き方はとても新鮮で、うんうんわかると頷きたくなる場面がたくさんありました。トム・クルーズの『デイズ・オブ・サンダー』はレースシーンはよくできていたと思いますが、ドラマシーンが陳腐すぎて、もっとばっさり切ってもよかった。そういう面でもともとの監督(あのジョン・スタージェス監督を下ろしたんでっせ!)が描こうとした人間模様ではなく、レースそのものをうつしとうろうとする試みは、ここではそれなりに成果を上げていると思います。
 しかしそれでよいのかという疑問があります。レース中継をそのまま録画した物が映画として成立するかはそうではないわけで、レース中継は結果がわからないからこそのハラハラがあります。だからレースの様子をもっと見せてくれ!となるわけですが、これは劇映画である以上、それだけでいいのかという点は否めません。せっかくのレースシーン(よく撮ったなあと感心しきりです)に感情移入できないのは、人物やチームのバックグラウンドを知らないから、なわけで、いくら何でも極端すぎたのかもしれません。

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