BD: The Thin Red Line
邦題『シン・レッド・ライン』
テレンス・マリックが雌伏の期間をへて作り上げた傑作。『プライベート・ライアン』が戦争文学ならば、こちらは叙事詩の世界。どちらも甲乙つけがたいが、私はこちらの方をとる。どこかのピースを外してしまうと世界が成立しなくなるような天才の偉業としか言いようがない。しかもクライテリオンからこれが出るとは! まずこの画質に驚き。汚れていたガラスケースを外して現物をみたような繊細さ。さらに音に至っては今まで聞いていたのは何なのというような絶妙なバランス(マリックができるだけ大音量で再生してくれとメニュー表示の際に我々に指示をするのも納得。これはそういう作品だ)で表現される自然と戦場の対比。ただし相変わらずマリックは特典に顔を出すようなことはしない。いずれにせよ、クライテリオンの底力を垣間見せられたレベルの一品。ひょっとして以前はこの作品はダメだったという人も、シアターでこのディスクを再生できるならば再挑戦する価値はあるかもしれない。
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