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2010年11月 3日 (水)

BD: The Thin Red Line

Bdtrl 邦題『シン・レッド・ライン』
 テレンス・マリックが雌伏の期間をへて作り上げた傑作。『プライベート・ライアン』が戦争文学ならば、こちらは叙事詩の世界。どちらも甲乙つけがたいが、私はこちらの方をとる。どこかのピースを外してしまうと世界が成立しなくなるような天才の偉業としか言いようがない。しかもクライテリオンからこれが出るとは! まずこの画質に驚き。汚れていたガラスケースを外して現物をみたような繊細さ。さらに音に至っては今まで聞いていたのは何なのというような絶妙なバランス(マリックができるだけ大音量で再生してくれとメニュー表示の際に我々に指示をするのも納得。これはそういう作品だ)で表現される自然と戦場の対比。ただし相変わらずマリックは特典に顔を出すようなことはしない。いずれにせよ、クライテリオンの底力を垣間見せられたレベルの一品。ひょっとして以前はこの作品はダメだったという人も、シアターでこのディスクを再生できるならば再挑戦する価値はあるかもしれない。

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2010年11月 2日 (火)

BD: Se7en

Bdseven 邦題『セブン』
 デビッド・フィンチャーがただ者ではないことを世間に知らしめた傑作。パッケージで出るたびにそのクオリティの限界に挑むような出来になっていたので今回も期待していたのだが、その期待を凌駕するすばらしさ。画像についてはすでにオンエアされていたこともあって予想通りだったのだが、びっくりたのはその音。LDでもすごかったし、DVDもすごかったが、ここできくdts-HDマスターオーディオの世界は今まできいたことがない音場だった。あのナイン・インチ・ネイルズの"closer"が胸をえぐりださんばかりの迫力で我が家のシステムから響く。ハワード・ショアのスコアもすさまじく、視聴を終えると開放感すらあるような世界。これが映像特典まで日本語字幕付きとは・・・。ただし日本でもワーナーがリリース予定だそうで、そちらも良心的な値段となりそう。

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2010年11月 1日 (月)

BD: Merry Christmas Mr.Lawrence

Bdmcmr やっとこさ、再開。本当に仕事が忙しかったのです。その間、映画ネタやシアターネタがたっぷりたまっているのですが、まあおいおい書いていきます。

邦題『戦場のメリークリスマス』
 あのクライテリオンが出すということでかなり期待していたのですが、正直がっかり。おそらくオリジナルの画調があんな感じの上に、きちんとした保管もなされていなかったのでは?と邪推したくなるような感じで、DVDをそのままHD映像にした程度。音質もかなりナロウで言われなければdts-HDマスターオーディオだとは気がつかないだろう。クライテリオンでここまでしかできなかったのだから、今後もこの作品のクオリティアップは望めないのかもしれない。ただし現在までのリリースの中では最良の部類であることは間違いない。ただし英語字幕は日本語の台詞にしかついていないようで英語の台詞では出てこなかったのは残念。映像特典はさすがの見応え。

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