『誰も守ってくれない』
☆☆☆ やればできるじゃないか。
期待作『闇の子供たち』が期待はずれだったので、こっちはダメもとでみてみました。フジテレビがらみだからと色眼鏡でみてはいけませんでしたね。これがびっくりの力作。わりときちんと作られていました。オープニングの逮捕までのシークエンスが秀逸。ここでぐっと引き込まれました。またそのあとのドラマも、登場人物の感情の流れとしては納得できる部分が多く、観客の共感を呼びます。被害者家族保護のついてはフィクショナルな部分が多いと思われますが、観客の想像を喚起させる部分を残したところが勝因でしょう。かなりディテールにあらいところがあったり、そこまで記号化した描き方でよいのかという思いもところどころはあるのですが、少なくとも『闇の子供たち』にはなかった映画としての魅力と、社会派としてのパワーをこの作品は持っています。佐藤浩市はさすがの貫禄。また脇では柳葉敏郎がよい味を出しています。カギを握る北乃きいは儲け役、彼女の真価が問われるのは別のタイプの役柄かと思います。
観客も(自省も込めて)色眼鏡はよくありません。こういう路線で『踊る大捜査線』は無理でしょうが、やればできる。スピンオフをこういう路線でできるようになったら、テレビ局資本製作でも意味があるのでしょう。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント