『JUNO ジュノ』
☆☆1/2 思春期の子をなめてるぞ。
『サンキュー・スモーキング』のジェイソン・ライトマン監督の作品ということで期待していましたが、正直なところ悪くはないけれど・・・といったところです。
ちょっと人とは違う個性を持った女の子が、いかにもいそうなアメリカ中産階級の中で育ちながら、お腹の中にできた新しい命をめぐって葛藤する姿を、これまたいかにもアメリカ的なサブカルチャーのキーワードをちりばめて描いたのは、なるほどアメリカでは受けるなあと思いました。私が感心したのは、結局表面的にはどれだけ幸せそうでも誰もが不安を感じ、誰もが不安そうでも人生を何とかしていこうとするのだということをポジティブに描いたことです。ただだからといってここに毒はありません。同じように思春期の女の子を描いた『ヘザース』が傑作たりえたのは、その自己矛盾している毒を看破したからだと思います。そのあたりの物足りなさは残念でした。
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