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2010年2月20日 (土)

BD: THE NEW WORLD

Bdneww 邦題『ニュー・ワールド』

 テレンス・マリックの現在の所の最新監督作のエクステンデッド版。→review 日本での劇場公開時は136分だったが、アメリカでは172分版が限定公開されていて、それがブルーレイ化された。内容の方については正直なところ、あまり印象は変わらなかった。やはりポカホンタスの物語なのか、ジョン・スミスの物語なのかに一本スジが通らなかったところが問題だったのだろう。しかしHDでの画像はこれまたタメ息もので、おそらく劇場での時より印象は数段上。木々の木漏れ日から、そのうっそうとした草むらの様子まで、見事なコントラストを描き出す。我が家でこの画調なのだから、とことん追い込んだら恐るべき世界となるのではないか。さらに注目は映像特典で滅多にみることができないマリック組の舞台裏なわけだが、なんと予想通りというかマリックの姿がないのだ。この人はどこまでもそういう人なのだろう。ああ、はやく他のマリック作品もHDで楽しみたいもの(まずはクライテリオン版『天国の日々』だ!)

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2010年2月19日 (金)

BD: THE LAST STARFIGHTER

Bdlsf 邦題『スター・ファイター』

 CGIによるエフェクツのこれまた元祖のひとつと呼んでよいニック・キャッスル監督のSF映画。日本では今のところVHSで出たきりで、DVD化の話はない。まあ、確かに話はかなり幼稚だし、エフェクツのレベルは今となっては話にはならないが、それでもクレイグ・サファンの勇壮なテーマと、『トロン』よりはるかにレベルアップした約25分近くにもおよぶコンピューターシミュレーション映像は、マイルストーンとしての価値は充分にあるだろう。久しぶりにみたのだが、画質音質は水準レベル。ただ音声のピッチがところどころに、まるでワウフラッターのような妙な感じになっているところがあるのが残念。映像特典が素晴らしくエフェクツに興味のある人は絶対必見。なお米国盤は単品とDVDとのコンボ盤があり、私はそちらの方が安いので購入したが、うーん、はっきりいって不要だなあ。

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2010年2月18日 (木)

BD: U-571

Bdu57u  ジョナサン・モストウの潜水艦アクション映画。以前書いたように国内盤BDがなぜかビスタサイズ収録。スターチャンネルもWOWOWも同様とあれば米国盤に頼るしかない。米国盤はユニバーサルでもちろんスコープサイズ収録。
それ以外の差異も含めて仕様の違いはこんな感じ。

米国盤BD
○スコープサイズ収録
○音声 英語dts-HD、スペイン語、フランス語
○字幕 英・仏・スペイン
○特典 監督のオーディオ・コメンタリー PinPによる映像特典表示(国内盤DVD収録のものと同じものあり)

国内盤BD
○ビスタサイズ収録
○音声 英語ドルビーTrueHD、英語5.1ch 日本語
○字幕 日、吹
○特典 監督のオーディオ・コメンタリー、予告編

国内盤DVD
○スコープサイズ収録
○音声 英語dts 英語ドルビーデジタル 日本語
○字幕 日、吹
○メイキング映像

さらに映像なのだが、大きな違いではないものの、見比べてみると国内盤BDよりも米国盤BDの方が締まりのある映像。かつてのLDなどの時にはよくあった事態だが、ブルーレイでもあるのは本当に困りもの。

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2010年2月17日 (水)

BD: CREEPSHOW

Bdcreep 邦題『クリープショー』

 ロメロ監督&キング原作がホラーコミックにオマージュを捧げたオムニバス映画。私をホラー映画の楽しさに開眼させた名作でもあるが、国内盤ではブルーレイなど出るわけもないかと(DVDも粗悪なカルチュアパブリッシャーズ盤のみ)購入。米国盤はDVDも所有していたが、映像特典には変化なし。ただし画質はなかなかで、よくなっているというよりは、暗部表現、誇張されたライティング、テキストの表示などのコミック調の画にHD映像が合っているといえる。この作品が好きな人は間違いなく買い。

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2010年2月16日 (火)

BD: BEETLEJUICE

Bdbeet 邦題『ビートルジュース』

 国内盤でもかなり値引きされているワーナーの旧譜だが、米国でも$10前後となっていてまとめ買い。ティム・バートンはこれとピーウィーシリーズにつきてしまうと思うのだが。20周年記念盤というわりには特典類はほとんどない。本作は日本語字幕・吹き替えをともに収録。悪名高い西川のりおバージョンを収録しているのもまあご愛敬といえるか。

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2010年2月15日 (月)

サントラショップすみやが(完全に)閉店

 唐突にメールが来ました。ネットショップとして再スタートしたサントラショップ「すみや」がネットショップの方も閉じるそうです。ネットショップでも生き残れなかったのかというのが正直なところ。難しい時代です。

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2010年2月14日 (日)

『JUNO ジュノ』

Juno ☆☆1/2 思春期の子をなめてるぞ。
 『サンキュー・スモーキング』のジェイソン・ライトマン監督の作品ということで期待していましたが、正直なところ悪くはないけれど・・・といったところです。
 ちょっと人とは違う個性を持った女の子が、いかにもいそうなアメリカ中産階級の中で育ちながら、お腹の中にできた新しい命をめぐって葛藤する姿を、これまたいかにもアメリカ的なサブカルチャーのキーワードをちりばめて描いたのは、なるほどアメリカでは受けるなあと思いました。私が感心したのは、結局表面的にはどれだけ幸せそうでも誰もが不安を感じ、誰もが不安そうでも人生を何とかしていこうとするのだということをポジティブに描いたことです。ただだからといってここに毒はありません。同じように思春期の女の子を描いた『ヘザース』が傑作たりえたのは、その自己矛盾している毒を看破したからだと思います。そのあたりの物足りなさは残念でした。

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2010年2月12日 (金)

あの魔神が(涙)

 なんと大映の『大魔神』がテレビドラマでリメイクされるとのこと。で、その新しいデザインがこれのようで。
009_2
魔神様、お怒りください! オリジナルの威厳なんてどこにも残っておりませぬ!

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2010年2月11日 (木)

上信越弾丸食べまくりひとり旅・2010冬 その2

Image021  実は前日迷いました。というのも長野電鉄ではかつて小田急で走っていたロマンスカーが昨年から導入されて(ここはかつての日比谷線車両なんかも走ってます)、公衆浴場(といっても小綺麗な)が終点駅前にまであるらしい。どうしようかなあと思ったのですが、今回の旅のもうひとつの目的は列車から雪を見ながら、とろとろ過ごすこと。というわけで予定通り、今日は長野から信越本線で直江津へ、そしてそこから新潟へ。信越本線では途中、念願(?)の三才駅を通過し(降りたかったなあ・・・)、食べたかった駅弁「鱈めし」で腹ごしらえをしたあと、新潟に到着。新潟で過ごすのは2回目。とりあえず昼に寿司を食べたかったので、それまで時間つぶし。朱鷺メッセに行きました。ネーミングライツの結果、ばかうけ展望台なんて名前になった展望台から市内を眺めた後、ラーメン!

司菜トキメッセ店(ラーメン)☆☆☆
長岡ラーメンでは名を知られたお店。しょうゆラーメンなのですが、かなり濃いめで、ダシの味がそれほど主張してません。でも何だろうこの後味と思っていたら、あとでショウガだとわかりました。際だっての個性はありませんが、それでも印象に残る王道のしょうゆラーメンといってもよいでしょう。 

で、食べたかった駅前の寿司やが何と土日は夕方オープンとな。かといって帰りの時間を考えると、今から市街地の外へと移動するのは難しい。仕方がないのでタウン誌に紹介されていた回転寿司へ。でも地元のこういうところのレベルがまた侮れないのですね。

というわけで朝が早かったせいか帰りの新幹線は爆睡。のんびりすることができました。さて来年はどうするかなあ。

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2010年2月10日 (水)

上信越弾丸食べまくりひとり旅・2010冬 その1

 今日は仕事を終えて息抜きに長野へ。この時期のお楽しみ食べ歩き弾丸ツアー1人旅です。長野は2度目なのですが、さすがにこの時期は車でまわる気にはなれず、ここはあくまで翌日への途中下車ポイント。1日目の夜をそばにして、翌日は日本海側に抜けようという完全に鉄道移動を楽しむツアー。ラッキーなことに善光寺で夜祭りだったので、いつもより遅くまで営業しているお店が多く、ちょっとだけ時間にはゆとりができました。

大善<日本そば>☆☆☆
2002年にオープンしたお店らしいのだが、よいという話を聞いて気になっていたところ。さっぱりとしたのどごしで風味もよく、これでこの値段にはびっくり。

Image020 大丸<日本そば>☆☆☆
善光寺門前にある老舗。前回も行きたかったのですが混雑ぶりにあきらめたところでした。その後、大林宣彦監督の『転校生 さよならあなた』の斉藤一美の実家としてロケ場所になった場所です。ここも老舗ぶった感じがなくていいです。更級そばをいただきましたが、これがまた素直に「うまいねぇ」という感じで味わえました。

さっ、明日は日本海側に雪を見に行くぞ!

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2010年2月 9日 (火)

シネカノン民事再生法申請

 

シネカノンが民事再生法を申請したという話がニュースで伝わってきました。去年ムービーアイが破産した時もかなり驚きましたが、まさかシネカノンがという思いがあります。どちらも配給という面ではそれなりのヒット作がありましたが、何かいろんな事業に手をひろげてしまって資金繰りが苦しくなったという印象では共通しています。シネカノンの場合はせっかくオープンした映画館もどんどん手放していましたし。ひとつだけ違うのがシネカノンの場合、破産にならなかったのがその事業のひとつだった映画製作。これにより民事再生ができるという見込みができたそうです。製作の場合は一発当てれば逆転は可能な世界です。ただし洋画配給の場合はそうはいきません。なにしろムービーアイの場合、オスカー受賞のインディペンデント系をずらっと揃えていても無理だったわけです。買付金額は異常に高くなり、日本では大当たり、大ゴケの二極化が進んだ結果、アート系のマーケットが大幅縮小、もはやビジネスモデルとして成立できるかどうかの瀬戸際にあります。大手ですら危ういところもあり、この先どうなるのだろう?という時代だとあらためて痛感する出来事でした。

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2010年2月 8日 (月)

ついに『フライング・コップ』DVD化!

やったあ! ついにあの『フライング・コップ』がDVD化です。てっきりパラマウントからリリースされるかと思っていたら、アミューズからでした。さあ、みなさん! 絶対に買って、いや百歩譲ってレンタルでもよいのでみてください。そして「33分探偵」に関わったクリエイターが、このシリーズをパクった事実を糾弾しようではありませんか!(半分大マジですよ)

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2010年2月 7日 (日)

BD『THIS IS IT』

This  マイケル・ジャクソンのコンサートリハをまとめた舞台裏映像。→review 我が家も販売初日に購入。なんつーかすごく中毒性のある作品で、ここ1週間毎日のように再生されていた気が(汗)。ブルーレイプレイヤーの購買意欲をかきたてるキラーコンテンツになるかどうかは別として、レンタル禁止にしたのは英断。それにやっぱりこれはブルーレイクラスのクオリティでみてほしいとは思う(たとえSD素材の場面があったとしても)。あと再生してみてIMAXデジタルとの差異を痛感。こういう作品の音は物量作戦の違いが如実に出てきますな。映像特典のドキュメントは、もう気持ち悪いぐらいマイケルバンザイ。私が勝手に勘違いしていたこととしてショートフィルムズと表記されていた特典「スリラー」と「スムーズ・クリミナル」がオリジナルのプロモではなく、コンサート用の映像のことを指していたのが残念だった。いずれにせよやはり買いの1本でしょう。

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2010年2月 6日 (土)

『アバター』全米興行成績史上トップに!

 とうとう『アバター』の全米での興行収入が6億0114万ドルに達したそうです。これで北米興行歴代トップに出たわけです。日本も来週末頃に100億円を越える見込みとか。さすがに私の見立てである120億円は低く見積もりすぎたか(汗)。でも150億円が壁だとおもうのですがいかがでしょうか。『タイタニック』がすごいのはオスカーをはさんで、そこまでで130億円、それ以降にほぼ同額を稼ぎ出したところにあります。『アバター』にそこまでの持続力があるでしょうか?

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2010年2月 5日 (金)

『マインド・ゲーム』

Mindgame ☆☆☆ いっちゃえー!
 好みははっきりとわかれる作品でしょう。日本のアニメーションにしては珍しく、絵のおもしろさと動きのダイナミズムで物語を進めた個性あふれる作品でした。ちまたにあふれる箱庭のような世界観しかもたないものよりはずっと健全だといえます。これが物語の面白さにつながってこないキラいはあります。しかしTVアニメ「クレヨンしんちゃん」に関わったメンバーからまたまた登場した才能、湯浅監督の名前を覚えておく価値はあるでしょう。

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2010年2月 4日 (木)

『雨月物語』

Ugetu ☆☆☆ 幽玄と人間の業の怪しい交わり方。
 これまたみたことのなかった日本映画の名匠、溝口健二の名作にして、カメラマン宮川一夫の映像美ももはや伝説となっている1本。もう言葉がありません。これは日本映画でしか作ることのできない世界です。ワンシーンワンカットのお芝居の作り方の素晴らしさ、そこまで徹底的に作り込んでいる世界からは、人がしっかりと浮かび上がってきます。ゆえにそれをとりまく人々の思いがうごめき、幽玄と業がからみあう世界が創出されているのです。なぜそれがワンカットでできるというアクロバチックなカメラワークもなのですが(森雅之がが妻子の元に帰ってくるシーン)、それ以上にお芝居の切り取り方にひたすら感心。中でも小沢栄太郎が勲功成って宴に興じている時に、身を落とした妻に再会する場面は、宮川一夫のキャメラがあってこその場面だと言えます。
 名匠の職人芸で語られる幽玄美あふれる絵巻物。さすがです。

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2010年2月 3日 (水)

『上意討ち 拝領妻始末』

Jyoiuchi_2 ☆☆☆1/2 耐えてこその悲劇。
 この小林正樹監督作品。もう、唸るしかない面白さです。望まなかった藩主の元正室を長男の嫁として迎え、ようやくささやかな幸せを得たにもかかわらず、藩の事情でその元正室を返せという理不尽な展開に、怒りを爆発させる三船敏郎、加藤剛親子。なんかこう書いてしまうとスティーブン・セガールか、チャールズ・ブロンソンかという話ですが、橋本忍の脚本による物語の起承転結が抜群にうまく、これならばそうなるのもいたしかたないということを観客にきちんと訴えかけてきます(ただし後半に散見される鼻白む台詞にはやや興ざめ)。まさに耐えてこその悲劇なのです。
 それでいて武満徹の音楽といい、その村木与四郎のプロダクションデザインといい、斬新な感覚もあって、古くささはありません。正直三船敏郎というキャスティングはどうかという思いましたが、この男が封建制度の中で、そして家長制度の中で、耐えに耐えたがゆえに、最後に許せないと怒りを爆発させる姿には悲劇的ながらもカタルシスがあり、三船敏郎ならではの味わい。また藩の上役連中の憎々しさもよいアクセントとなっています。敵役の仲代達矢の貫禄ももちろんですが、何より司葉子演じる元正室の凛とした生き方が、物語を支える大きな柱になっています。これで撮影に名手がいれば・・・というのは贅沢でしょうか。
 ここしばらく時代劇は当たり続き。そりゃそうです。時代を耐えて揺るぎない評価を勝ち取っているのですから。

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2010年2月 2日 (火)

映画秘宝2009年度ベストテン&ワーストテン

「映画秘宝」の2009年度ベストテン&ワーストテン。(というかネットでトピックとしてとりあげられはじめたぞ! すごいなぁ)

ベスト
1.イングロリアス・バスターズ
2.グラン・トリノ
3.母なる証明
4.レスラー
5.愛のむきだし
6.ウォッチメン
7.チェイサー
8.第9地区
9.チョコレート・ファイター
10.スペル

ワースト
1.DRAGONBALL REVOLUTION
2.ターミネーター4
3.2012
4.宇宙戦艦ヤマト・復活篇
5.しんぼる
6.カムイ外伝
6.13日の金曜日
8.HACHI 約束の犬
9.スノープリンス 禁じられた恋のメロディ
10.20世紀少年シリーズ

なんか「映画秘宝」がまっとうな雑誌におもえてならない今日この頃。このベストテンみても上位5本だけならフツーのベスト。それがよいか悪いかは別問題ですが。

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2010年2月 1日 (月)

『4ヶ月、3週と2日』

432 ☆☆☆ 命の責任、大人の無責任。
  ふりかえってみると滅多にみる機会がなかったルーマニアの作品。しかしカンヌでパルムドールを獲得しただけのことはある骨太な力作でした。
 この映画にはさまざまな要素が絡み合っており、見終えた後に残るこの感覚は言葉では表しにくいものです。しかしチャウシェスク政権末期を舞台にした物語は、堕胎シーンもさることながら、さりげないセリフにもギョっとさせられるところが多く、単純に命の責任だけではわりきれない大人の無責任の姿には複雑な心境になります。閉塞的な政治状況下であぶり出される人間の暗い側面を描きつつも、「なんかわかるぞ、それ」という観客の共感も得られる微妙なラインを上手に残しており、このあたりは高く評価してよいでしょう。しかしみるには勇気が必要かもしれませんし、再見するにも覚悟がいるタイプの作品です。

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