『007/慰めの報酬』
☆☆1/2 ボンドがボンドであるためのアイデンティティ。
ジェームズ・ボンドシリーズ最新作は『カジノロワイヤル』の直後の話。未見の方はこれをまずみておいた方がよさそうです。
で、お話の方なのですが、まるでジェイソン・ボーンシリーズみたいでした。アクション映画のトレンド通りの作品なのですが、だったらこれをジェームズ・ボンドでやらなくてもよいのではと思ってしまうのは贅沢でしょうか? 監督マーク・フォースターの起用は吉とは出ていません。話自体の盛り上がりにも欠けており、『カジノロワイヤル』の後日談としてはどうでもよい話に思えます。このあたりは前作のボンドガールであったヴェスパーへの復讐でボンドも動いているので、オルガ・キュレリンコ演じるカミーユとの恋愛に火がつかなかったことも要因かもしれません。むしろ復讐に燃えるヒロインというカミーユの物語の方が、サイドストーリーにもかかわらず映画としては盛り上がりそうです。
ダニエル・クレイグは相変わらずよい感じですが、これでもう少しクールなテイストが出てくるといいと思います。何よりボンドがボンドであるアイデンティティはまだ掴み切れていないのではと思えてなりません。問題は次ですね。ハード路線で歩んだティモシー・ダルトンも2作で降りました。クレイグの真価が問われます。
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