『THIS IS IT』
☆☆☆ 拍手の似合う作品。
さあ、この作品には何を書けばよいのでしょうか。
おそらく記録の意味であったり、実際のツアーのためのカメラリハーサルの意味もあったり、少なくともこの映像が完成形になるとは誰も思っていなかったでしょう。しかしだからこそ、「やはり本番をみてみたかった」と観客に思わせたのも事実で、そういう意味で永遠の未完となったアーティストとその作品群は特殊な輝きを持ちます。しかも私たちはこの映像にうつっているマイケルがどうなるかを知っているわけで、そういう意味では反則技ともいえます。
でも。それを差し引いてもこの作品はマイケル・ジャクソンというアーティストの輝きをきちんととらえている点で高く評価します。私はマイケル・ジャクソンに大きな思い入れはありません。"Thriller"や"Bad"の頃は、やっぱりすんげぇなあと思うことはありました。いい曲、いいPV、いいパフォーマンス。唸らせてくれるものがありました。しかしいろいろなゴシップもさることながら、そのメッセージ性の強い楽曲群には辟易するものがあったり、「何だ、こいつ」と思わせる動向もたくさんありました。そんな私はこの作品をみて素直に凄い!と思いました。この映画に出てくる楽曲は全部知っていましたし(特に"Thriller"からのナンバーは凄かった!)、このステージをみたいと思いました。つまりもう少し言うならば、この作品が果たした一番の役割は、私も含めて、アーティストとしての彼をきちんとみるきっかけをくれたことだと考えます。
最近IMAXバージョンを上映しているところが少ないせいか、ファンが大集合している感もある109シネマズ川崎でみてきました。そのせいか、一曲終わるごとに拍手がありました。私も何曲かはしたくなりました。そんな拍手が似合う作品です。
(109シネマズ川崎シアター7にて)
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