『真昼の決闘』
☆☆ 高慢な正義。
フレッド・ジンネマンの名作の誉れ高い一編ですが、この作品に対しては、たとえばハワード・ホークスが保安官の描写に納得がいかず『リオ・ブラボー』を作ったなどというエピソードがあります。たしかにこの作品のカギとなるのは「正義」と「民主主義」です(おそらくこの部分を突き詰めるとラース・フォン・トリアーの『ドッグヴィル』とかになっちゃうのでしょう)。ジンネマンはそのあたりをかなりドライに描いていると思うのですが、私には保安官の行為がとても高慢に感じられました。上映時間と実時間のシンクロは当時ではきっと斬新だったことでしょう。ただしそれほど私ははらはらしませんでした。グレース・ケリーは正直クーパーとは不釣り合い。ロイド・ブリッジスの顔があってニヤリです。西部劇としての魅力はなく、ドラマとしても人物が描けているとはいえないと感じました。
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