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2009年12月25日 (金)

変わる映画街:横浜

新宿の話に続く)
 歌舞伎町のようなかつての興行街の灯が消えそうですが、それが今年起こりそうな場所。そこが今日プレスリリースで出された横浜ブルク13ができる横浜・みなとみらい地区です。すでにここには横浜駅前に旧来型の相鉄ムービル(ただしすでに運営は東急レクになっている)、それからみなとみらい地区にワーナーマイカルみなとみらいと109シネマズMM横浜があります。ここにさらにブルク13が加わります。もともと横浜の映画街の中心は関内にありました。しかし人の流れが変わったこと、そしてワーナーマイカルみなとみらいができたこと、さらには県内に続々とシネコンができたことで、関内地区のRS館は完全に消え去りました。ですからここにブルクができれば、まず間違いなくムービルに最後の打撃を与えることになるでしょう。つまり横浜駅と関内駅からはRS館が消えると言うことです。
 ではみなとみらい地区で3サイトの共存は可能なのかという話になりますが、正直微妙だと思います。どこも帯に短しタスキに長しではある立地条件を克服するには周辺施設の充実と番組編成による差別化しかありません。参考としてシネコン激戦地神奈川県で3サイトがある場所というと川崎駅前があります。ここで現在絶好調なのが109シネマズ川崎、次いでチネチッタ、やや離れてTOHOシネマズ川崎になります。109シネマズは駅直結、そしてラゾーナという周辺施設を得ていることで動員は好調に推移しています。しかし観客のパイは掘り起こされて拡大しているわけではないので、チネチッタの動員数が落ちるのも無理からぬこと。そういう意味でスクリーン数と立地に恵まれないTOHOシネマズは苦戦しています。そこから考えてみると、やはり有利なのは後発のブルク13、109シネマズにはそれほどの影響はなく、ワーナーマイカルが最もダメージを受けるのではと考えます。
 さらに今回のカギを握っているのは東急レクの存在です。今回できるブルク13はここまでかなりの紆余曲折がありました。当初は東宝も運営に参加する形でスタートした計画(札幌のシネマフロンティアなどと同じパターンです)だったのが、結局ティ・ジョイと東急レク、松竹が参加という形(運営自体はティ・ジョイがメイン)になり、また出店場所も当初の予定とは変わっています。ブルクができると東急レクはムービルと109シネマズ、そしてブルクと横浜にある3サイトに関わることになります。東急レクはどこに一番力を入れたいのか、正直わかりませんが、東急レクが一番力を入れるところが勝利に大きく近づきそうに思います。
 オープンは3/19。さあ、新たな激戦のスタートです。

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