『ミラクル7号』
☆☆ シンチー版『E.T.』に欠けた優しさと面白さ。
チャウ・シンチー版『E.T.』とはよく言ったものです。でも話の構造はどちらかというと「ドラえもん」の世界に近いのではないでしょうか。撮影の舞台裏のネタがいろいろと話題になりました(主役の男の子は実は女の子で撮影後にチャウ・シンチーの養女となったとか、男の子の役にほとんど女の子をキャスティングしたとか、先生役の女優とチャウ・シンチーが不仲だったとか)が、この作品の内容からするとだから何なの?という感じです。きわめて良心的に作られていて、ベタなギャグも浮くことなく上手に織り込まれています。でも子ども向けとするにはどこか煮え切らない描写があるのも事実。スジに優しさとかあたたかさが感じられません。体の大きな女の子の話とか、ゴキブリのたたき合いとか、苦笑するしかないネタも多く、このあたりに大人の感覚を持ち込んだのはもったいないと思いました。さらに前2作と比較すると、話の展開としてアクションシークエンスが少なく、ファミリー向け作品としては魅力に欠けています。
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