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2009年11月 7日 (土)

『不毛地帯』

Fumouti ☆☆☆1/2 重厚で見応え充分。
 おもしろかった! 映画版だけで比べると『白い巨塔』よりもおもしろかったです。山崎豊子の世界は登場人物がわりと類型的なところがあり、でもそれが物語を大きなポイントになっています。つまりその人物が何をするかが物語の面白さにつながるのです。ここでは瀬島隆三をモデルにしたと言われる壱岐が運命に翻弄され、結果的に戦友と呼ぶべき人間を死に至らしめてしまうと言うドラマが描かれています。さすが「赤いデミル」こと山本薩夫はスケール感たっぷりに存分にエンタテイメントとして語ってくれます。彼はシベリア抑留を契機として、戦争とは無縁の世界であるビジネスに身を投じるわけですが、その世界の描き方は任侠物のようなおもしろさです。役者陣はいかにも大作なメンバーですが、それぞれがアクセントとなる存在感をきちっと発揮しています。特に日下武史と田宮二郎、そして小沢栄太郎は見事です。正直仲代達也はミスキャストな気もしますが、それでもさすがの貫禄です。
 3時間があっという間、重厚で見応え充分。そんなドラマに飢えている方は必見です。

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