« 2009年6月 | トップページ | 2009年12月 »

2009年11月30日 (月)

午前十時の映画祭

 いやあ、この企画、全然知りませんでした。大感激です。

午前十時の映画祭

とりあえずシネコンでやる上に、全作ニュープリントであるというところがポイントですね。たとえば海老名や六本木、市川コルトンプラザでなんかだったら、全館THXですからものすごく貴重な機会だと思います。きっとこの50作、全部映画館でみたら立派な映画ファンができあがるでしょう。私の場合みているのが39本、うち映画館では13本。スケジュールは決まっているようですが、上映回数やどのスクリーンでやるかも楽しみにしています。そしてこの企画が継続されるとうれしいです。

<上映予定作品>
明日に向って撃て!
アパートの鍵貸します
アマデウス
雨に唄えば
アラビアのロレンス
ある日どこかで
ウエスト・サイド物語
裏窓
映画に愛をこめてアメリカの夜
エデンの東
お熱いのがお好き
男と女
カサブランカ
クレイマー、クレイマー
刑事ジョン・ブック/目撃者
激突!
ゴッドファーザー
ショウほど素敵な商売はない
ショーシャンクの空に
十二人の怒れる男
スタンド・バイ・ミー
スティング
戦場にかける橋
太陽がいっぱい
第三の男
大脱走
チャップリンの独裁者
追憶
鉄道員
天井桟敷の人々
眺めのいい部屋
2001年宇宙の旅
ニュー・シネマ・パラダイス
バベットの晩餐会
薔薇の名前
パピヨン
羊たちの沈黙
昼下りの情事
フィールド・オブ・ドリームス
フォロー・ミー
ブリット
ベン・ハー
北北西に進路を取れ
ミクロの決死圏
ライトスタッフ
ライムライト
レインマン
ローマの休日
ロミオとジュリエット
ワイルドバンチ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月29日 (日)

BD: Being There

Bdbein 邦題『チャンス』
 ピーター・セラーズ主演、ハル・アシュビー監督の大傑作コメディ。コメディと言っても風刺系のニヤニヤができるタイプで、みる人は選ぶかも知れないが、それでもここでのピーター・セラーズの演技にケチがつけられる人は、ある意味で不幸だと思う。米国盤ワーナーということで映像特典にまですべて日本語字幕付き。ただし画質音質はDVDからの劇的向上は感じられなかった。それでもこれが$12ですよ(さらに円高の恩恵もありますから)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月28日 (土)

BD『キング・コング』(2005)

Bdkkec  ピーター・ジャクソン監督の大怪獣映画。→review 画質音質ともにすこぶるよく、とりあえずこのクオリティで劇場公開版とエクステンデッド・エディションの両方が楽しめるのは素晴らしい。しかーし。一応現在までに販売形態が4つあり、すべての映像特典の仕様が違うのである。
<DVD>
通常版
プレミアム・エディション
デラックス・エクステンデッド・エディション
そしてこのブルーレイ版である。納得がいかないことに収録内容が似ているD.E.E.と比較すると映像特典の量は完敗なのである。やはりブルーレイ版は、現状での決定版を出してもらいたいところである。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月27日 (金)

リビングのテレビでやってみたいこと

 さてリビングに登場した液晶テレビ。そうすると気になるのがリビング用のレコーダー。ここでもシアターのお古として、シャープのDV-AR12が頑張っています。ただこれ、ハイビジョンではあるけれどブルーレイではありません。そう、目下私のちょっとした悩みに、ブルーレイがリビングではみられないというのがあります。
 で、希望事項を整理すると。
・ブルーレイディスクの再生。ただAVCRECまでは対応していなくてもよい。
・DLNA対応。

そうすると考えられる方法。
・パナソニックの再生専用プレイヤーDMP-BD60
・ソニーのPS3
・PopcornHour C-200
・バッファローのリンクシアター

なんですが、正直コストパフォーマンスに見合っていなかったり、機能不足だったりで帯に短したすきに長し。で、今のところ一番安い対応策として、シアターのDMP-BD60を移動して使っています(笑)。試しにDLNAを使ってみたのですが、やはり11g規格では完全にスピードが足りず。つまりDLNA導入のためには我が家の無線LANまで構築しなおさないといけないことが判明。とりあえず1万円ぐらいのブルーレイプレイヤーが出るまでは移動策で対応しようと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月26日 (木)

『スカイ・クロラ』

Skyclw ☆☆ 迷い込んだ袋小路。
 押井守はそれほど嫌いじゃない。けれど正直最近の作品は「なんだかなあ」と思っている。そんな私ですが、この作品はやっぱりだめでした。『うる星やつら2・ビューティフルドリーマー』の原作の世界観をも飲み込んだ衝撃的な設定、『劇場版パトレイバー2』の徹底した描き込みでもたらせれる実写とアニメのボーダレスな感覚、『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』のこの先にある未来で待ち受ける哲学的な問い。いずれもとても魅力的でした。しかしどれも「世界観」が持つ魅力が作品としての魅力と同義になってしまって、そこに魅力を感じられないときわめて内に閉じた、『アバロン』や『イノセンス』のようなひとりよがりの物語にしかならないことも多いのです。ひと言で言ってしまえば先鋭的な世界観を感じなかったのです。
 もちろんあの世界が現実社会で使い捨てのようにされている若者のメタファーになっているのはわかります。また生を現実として実感できない部分が表出されていることもわかります。それでも「同じ道でもみえる景色は違う」ことを伝えたいというのであれば、この物語でなくてもよかったと思います。海外のメディアがキルドレという空想世界の戦争という設定に噛みついたという話もありましたが、私もこのあたりには強い違和感を感じたのです。それは生が一度きりゆえの価値もあるからです。キャラクターやメカのデザインもマッチしているとは思えず、さらに声優の使い方も効果的だったとは思えませんでした。
 2008年夏に発表された宮崎駿と押井守という2人の巨匠の新作は、これからの未来がみえない作品でした。迷い込んだ袋小路は他人から理解されない自分の世界、このひと言につきるのかもしれません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月25日 (水)

この世界の片隅に(上)

Konosekai1  「夕凪の街 桜の国」のこうの史代の新作。いきなり小編から始まって何だろう?という感じなのですが、実はちょっとしたプロローグになっていることに後で気がつく。市井の人々のつつましい暮らしぶりが作者らしいタッチで描かれていて、この先に期待が持てる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月24日 (火)

幻(?)のロスレス音声

 この間のプロジェクターのランプもそうですが、思いこみでの失敗が今年、もうひとつシアターネタでありまして。
 ちょうど夏頃です。アメリカでDMP-BD80が登場しました。ボンドさんのところでも、その前のモデルが紹介されていて、まだHD音声未対応のAVアンプ(DENONのAVC-3890)の我が家ではロスレス音声を楽しむためにアナログ7.1ch音声出力があるモデルはとても魅力的だったのです。今までハード関係の個人輸入は怖くてトライしたことはなかったのですが、この円高の折、やってみる気になりました。わくわくしながら待つこと約2週間。無事に到着しました。ところが! すごいオチが!
オレのアンプ、アナログ7.1ch入力がなかった(涙)
いや、ちゃーんとプリ出力はあったんです。でも入力はなかったとは。ああ、恐ろしい思いこみ。仕方なくヤフオクで処分し、国内機のDMP-BD60を即購入。なんとか収支はトントン、しかもこのあとDMP-BD80はファームアップ後にAAC音声が再生できないということもあったようで、まあ不幸中の幸い。ロスレス、我が家ではまだまだ先の領域です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月23日 (月)

よっしゃあ!で購入(笑)

 我が家のリビングがのテレビは未だにブラウン管。というか私のシアターで使っていたお古。薄型テレビがほしいという欲求は全然出てきてませんで、むしろ今年の冬の白物家電の優先順位は、電子レンジや炊飯器、掃除機などがあがっていました。で、先日川崎のヨドバシカメラに出かけたときにそのあたりをうろうろとみていたのですが、同じフロアにはテレビもあり、そっちもみていくことにしました。さあ、なんか先がみえてきましたか?(笑) 現在25インチなので、縦で同じ大きさをキープするには最低32インチライン。まあ、ほぼ予想通りの金額が並び、まあそのうちだなあと思っていたら、あるところで目が点に。その機種はシャープのLC-37ES50。107800円という金額はまあよいとして、なんと通常20%のポイント還元がこの三連休のみ30%。しかもエコポイントがリサイクル込みで20000ポイントもつく。ということはその分を値引きとして考えると、なーんと55460円!
よっしゃ、買ったあ!(爆)
 というわけでこの三連休はテレビ台も購入してリビングの大掃除。下からブルーレイプレイヤーを持ってきて画質もチェック。正直「まあこの程度よのぉ」という画質ではあります。しかしいろいろとこの後、やってみたいことも出てきました。それはまた別の機会に。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月22日 (日)

PLUTO(7)&(8)

Pluto7 Pluto8_2  ぜーんぜんノーチェックなうち(というかただ単に忘れていた)に完結していた。まあ、落としどころとしてはここかなというところだったのだが、正直なところ、序盤から中盤の緊迫感は薄れてしまった気がする。さあ、映像化する?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月21日 (土)

あっさりランプ交換、終了

 我が家のプロジェクター、TH-AE700。すでに利用しはじめてから3年以上経過し、使用時間も2500時間。明らかに光量が落ちてきました。かなり前から気にはなっていたのですが、なかなか踏ん切れなかった理由がその作業代金。天吊りゆえに自分では作業が難しいだろうと思い、インストールしていただいたアバックで見積もってもらったら、ぬわんとランプ代込みで50000円近くかかると言われたのです。
 じゃあ、もう少し粘るかと思って交換は先送り。ランプのみ購入して、我慢していたのですがいよいよ限界。そこでボーナス前、意を決してあらためてインストールをしてもらったアバックにお願いしたところ
「ご自分でトライしてみませんか? ぜひお店に持ち込んでください」
天吊りの金具はちょっとやそっとじゃ外れないのに・・・と思いながらふと考えたこと。
「ひょっとして意外にいけるんとちゃうか?」
金具はかなりきつく締まっていてやはり取り外しは難しそう。でもよーくみてみるとランプ交換場所は予想外に小さめ。
「あれ、この機種って、ランプ交換の時に天吊り金具から外さなくても、大丈夫なの???」
よっしゃあ、問題解決。
 無事交換が完了。思い込みとは恐ろしいですねぇ。私は天吊りなので絶対できないと勝手に思い込んでいただけでした。よくプロジェクターはランプ交換すると新規購入時よりよくなるなんて感想をブログなどでみるのですが、多分それは本当です。心理的な面もあるとは思うのですが、ほどよく通電された上で、ランプの光量が充分になるわけなので、一理あるのかもしれません。
 さっ、またまた映画三昧です。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年11月20日 (金)

『兄貴の恋人』

Aniki ☆☆1/2 男主体の森谷作品。
 森谷司郎といえば超大作! 自然VS人間! そう思うのは私の世代らしく、少し上の世代の方は「青春物だろう、森谷は」となるようなのですが、その代表作のひとつがこれです。よいテンポで話が進み、私もついつい見入ってしまいラストまで。加山雄三の天然ぶりに多いに大笑い(そして時に苦笑)。なんというか若大将になり損ねた若大将みたいなキャラクターでした。で、そのキャラが行くところ行くところで女心を揺さぶり続けるという物語です。でもそれが結局森谷監督の限界にもなっていて、結局この描き手も女心を理解していなかったのではないでしょうか。せめて成瀬巳喜男のカケラ程度のセンスがあれば、少なくとも加山雄三主体の作品にはならなかったはずですし、もっと違ったタッチの作品になったように思います。宮口精二がおいしいところをさらっているのもあわせて、やはり男のドラマの監督さんなのかもしれません。肝心の内藤洋子ですが、この人がなんでそんなに注目されたのか理解できませんでした。私だったら断然酒井和歌子です(笑)。プログラムピクチャとしてはなかなかの出来映え、森谷監督のルーツとしても興味深い作品でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月19日 (木)

スターチャンネルでキャッシュバック?

 スター・チャンネルに加入して、はや1年。私にとっては貴重なHD映像をエアチェックするソースになっています。で、当初はなんで余計なチャンネルまで契約して(実質4つのチャンネルを強制的に受信することになる)、しかも2000円弱も払うんじゃ!と思っていたのですが、支払いに関わるところで気が変わるキッカケになったのがこれ。実はスター・チャンネルは常時視聴アンケートを受け付けている(ただし加入者のみが対象者です)のですが、4週間フツーに視聴状況を答えるだけで何とJCBのギフト券1000円分いただけちゃうのです。しかも最初だけで終わるかと思ったら、しばらくそのまま継続して依頼が来ます。で、また4週間アンケートに答え終わるとまたまた1000円。つまり実質半額キャッシュバックと同じ。これは大きいです。えっ、こんなトコに書いたらライバルが増えちゃうって? まあ、そうなったらそうなったということで(汗)。そんなことを書いていたら来年から値上げだそうで・・・。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月18日 (水)

『アルビン 歌うシマリス3兄弟』

Chipmunks ☆☆ 観客の予想通りにすべて運ぶ。
 アメリカではものすごくメジャーな存在であるThe Chipmunks(シマリスズ?)というアーティスト、というかキャラクター?。日本ではアニメ「キテレツ大百科」の「はじめてのチュー」が同じ技術でやっています。もともとはデイヴィッド・セヴィルがテープの早回しをベースにした録音技術で作った曲を、この架空の存在が唄っているという設定でリリースして大ヒットしたのがきっかけで知られるようになりました。いや、本当、チャートでも上位を賑わし、なんとグラミーまで受賞しているのです。で、そんな人気者なので向こうではアニメになってたりするのですが、それをCGキャラで実写化した映画がこれ。この映画化自体に劇中のデビッド・クロス演じるいやあなマネージャーのようなカネの匂いが漂うところがツライですが、まあ標準的なファミリーピクチャーです。あまり期待していなかったのですが、その通りの出来でした(汗)。ジェイソン・リーがすっかり人のお兄さんキャラで定着。あとは観客の予想通りにすべて運びます。とりあえず小動物好きの人はツボかも知れません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月17日 (火)

『日本沈没』(1973)

Nihontin ☆☆1/2 驚愕の設定とアツイ芝居の上に成立する無常。
 ずっと昔にVHSをさっと流してみただけで全然印象に残っていませんでしたがあらためてみてみました。正直視覚効果についてはVHSでみた昔も今もあまりよい印象はなく、またいかにも当時の東宝対策らしいキャスティングと展開については「?」な部分はあるのですが、プロジェクトX的な物語として日本を救うために必死になって闘っている人々を、ここまで徹底的にアツイ芝居でやってくれるのであればむしろ印象は悪くありません。特に島田正吾と丹波哲郎のやりとりはずっしりと重く、シミュレーションでは描ききれない魂の部分を感じることができました。稚拙な部分も少なからずあると思いますが、それでもこの物語が生み出す「無常」は、この世界観の上にしか描けないこともまた事実です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月16日 (月)

『セラフィム・フォールズ』

Seraphim ☆☆1/2 前半緊迫、後半散漫。
 スターチャンネルも未公開作品のオンエアでは、なかなか見応えのある作品が隠れています。これもそうでした。南北戦争後のアメリカを舞台としたこのドラマは、前半は荒涼たる厳寒の地で緊迫感のあるサバイバルアクションが展開します。足跡ひとつで追いつめる追跡劇もさることながら倒した敵の内臓に寒さでかじかむ手を突っ込んで暖をとろうとする描写などには、おっと思わされます。さらにリーアム・ニーソンの追っ手にはエド・ローターまで顔を見せる渋さで、ぐっとひきつけられます。しかし後半になると急にドラマが観念的になり、今ひとつ散漫な印象となります。雰囲気としては『エル・トポ』もどきですが、むろんあそこまでの深みはなく、前半の路線で全編押した方がよかったでしょう。
 しかし思わぬ拾い物感はあり、B級アクションが好きな人に前半はおすすめです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月15日 (日)

『フレッシュプリキュア! おもちゃの国は秘密がいっぱい!?』

Frpretoy ☆1/2 まあ、こんなものでしょう。
 実は現在シネコンのドル箱シリーズと化しているプリキュア。TVアニメやキャラクタービジネスも好調のようです。私がこのシリーズを映画館でみるのは2回目。前回は上の娘とでした。今回は4歳になった下の娘の映画館デビューです。これで娘2人とも映画館好きになってくれると次があります(事実上の娘とはこれで今年映画館は3回目)。でも前にも書きましたが大人には退屈でつらい時間です。コンセプトが『トイ・ストーリー2』と酷似しているものの、よくあるお子様向けな倫理観におさまってます。でも前みた作品よりはよかった。あっちほどやっつけ感はありませんでした。まあ、こんなもんでしょう。
 で、このシリーズの最近のウリがライト。そう、入場前に1人1コ、ミラクルライトというのが渡されて、それを劇中時に使うという観客参加型の場面があるのです。下の娘にプリキュアがピンチの時に使うみたいと話したせいか、もう最初から使う気満々(笑)。さらにエンディングは一緒にダンスを踊ろういう呼びかけもあり、場内のちびっ子は席の前で立って踊ってました。でもこれ、スタジアムシートのシネコンならセーフでしょうが、フラットフロアの映画館では後ろの人に大迷惑なのでは?と余計な心配をする父(笑)。ポップコーンをおいしそうにほおばりながら盛り上がって楽しんだようで、エンドクレジット後の次作予告に「ぜったい行こうね!」と訴えられました。めでたしめでたし(笑)
(WMC港北ニュータウン6にて)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月14日 (土)

『太陽の子 てだのふあ』

Taiyono ☆☆1/2 紋切り型なのが惜しいが志はある。
 灰谷健次郎の傑作児童文学を浦山桐郎が映像化した本作。沖縄の歴史をきちんと知る必要性がどれだけ現在感じられているかは別として、きちんと沖縄の過去を対峙しようとしている姿勢は見事です。ただこれがどこか表層的で他人事のような感じがしてしまうのはなぜでしょう。きっとそれはあまりにも沖縄の過去を紋切り型でとらえすぎだからです。もっと楽しいことや幸せな時間があるからこそ、そこにはどうしても許せない忘れられない悲しみが横たわっているのであり、そのあたりのバランスがとらえられていません。舞台となる沖縄料理店でのやりとりは思わず吹き出してしまうようなところがあり、このあたりが浦山桐郎の限界なのかもしれません。これが森崎東や前田陽一あたりがやるとまた違う気がします。でもこの頃の邦画はちゃんとシリアスな題材も志のある人が取り組んでいたことを痛感。少なくともお涙頂戴ではないです。河原崎長一郎のエピソードに私たちは戦争が庶民に残した傷跡の深さを忘れてはいけないことを突きつけるのです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月13日 (金)

『アメリカを売った男』

Breach ☆☆☆ 心の動きを表現できる演者を得た幸福。
 実話を元にしたこの作品は『インファナルアフェア』や『フェイク』のような潜入捜査物に近い舞台設定ですが、サスペンスとしても秀逸ですが、それ以上に優れた演技者の共演を堪能できる心理ドラマになっていました。
 ライアン・フィリップとクリス・クーパーというくせ者2人の演技は本当に見応えがあります。実はここしばらくライアン・フィリップまつりのように、やたら彼の作品をみています。私は『クルーエル・インテンションズ』の時から評価していますし、興行的な価値は低くとも、元妻のリーズ・ウィザスプーンよりも才能豊かだと思っていました。もちろん作品的にハズレもありますが、演技者としての確かさを感じられる作品も多く、この作品も彼の素晴らしい演技を堪能できます。他方のクリス・クーパーはさらに素晴らしい。切れ者であるが故に組織からはみ出してしまった男の孤独と悲哀を見事に体現しています。孤独で誰も頼ることができないが故に絆が生まれるという状況は、2人の頭脳合戦以上にみる人の心に強く迫ります。監督ビリー・レイの前作『ニュースの天才』はそれほど評価していませんでしたが、その寒色系の映像設計、そして無用にドラマチックな展開しなかった演出に、今作は冴えが感じられます。
 心の動きを表現できる演者を得たからこそ、本作ラストの2人の対面で、私たち観客は心を揺さぶられます。それは深い悲しみを感じると同時に、上質の心理ドラマを堪能できた幸福を感じた瞬間でもあります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月12日 (木)

『ソウ5』

Saw5 ☆ よくわからんよ。
 もはやどう殺されるかにしか見所がないシリーズ(じゃあ、みてるオレはなんなんだ?)。何か4の登場人物がぽろぽろ出てくるし、ジグソウの奥さんの存在意義も疑問だし、よくわかりません。まだまだ続くらしいが、どうするんでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月11日 (水)

『猟奇的な彼女 in NY』

Mysaus ☆ アイディアを借りておきながら作り手のやる気も感じられず。
 はじまって3分後に残り時間の時計を気にしてしまいました。日本でドラマリメイクした時にも田中麗奈といういい加減なキャスティングに腹が立ったけれど、このエリシャ・カスバートというキャスティングに、アメリカ映画のアイディア枯渇という現状がよくみえてくる作品でした。まあ一言で言えば「ひでぇ」出来映え。結局オリジナルの持つ乱暴になってしまうんだけれどキュートであるというところと、それを何だかんだと支えてしまう関係は、やはり韓国であるからこその面白さではないのでしょうか。それを置き換えるだけではリメイクのおもしろさはないのです。アイディアを借りておきながら作り手のやる気も感じられずでは話になりません。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月10日 (火)

『つぐない』

Atoneme ☆ 償ってないよ、それじゃ。
 ジェームズ・マカヴォイ、キーラ・ナイトレイという注目の2人で、世評もわりと評判がよかったようなのでみたのですが、これは私はだめでした。結局自分の行動が人の運命をこれだけ狂わせたにもかかわらず、何のことはない償ってないじゃないですか。あの最後の展開はないでしょう。『プライドと偏見』と比較しても恋愛のもやもやもなく、姉、妹、そして1人の男性のふくらませ方がそれぞれ中途半端で、人間ドラマとしても底の浅さが垣間見えます。また演技としても魅力がありません。見終わって不快になる作品でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 9日 (月)

『ロンゲスト・ヤード』

Meanm ☆☆ しっくりこない男気。
 いかにもロバート・アルドリッチらしい男気あふれる作品でしたが、私にはもうひとつしっくりきませんでした。ここしばらくの間にみているアメフト物の点が伸び悩むのはアメフトの魅力が実感できてないこともあると思います(基本的はルールはわかりますが、フォーメーションなどはさっぱりわからない上に、そもそもこの競技の何が楽しいかがわからない)が、この作品ではバート・レイノルズに共感する部分がまったくないことも大きいかもしれません。これならば岡本喜八の『ダイナマイトどんどん』の方が好きです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 8日 (日)

東宝特撮映画 DVDコレクション

Dego  ときどき自分が興味にあるネタをやってくれるディアゴスティーニ。過去には映画ネタでも東映時代劇 傑作DVDコレクションなんてやってくれましたが、今回はなんと東宝特撮映画DVDコレクションというテーマでシリーズ刊行です。ただ気になるのがそのクオリティ。今回は東映とは違って全作すでにリリース済み。はたしてどうよということでお試しに第1巻の『ゴジラ』を購入してみました。
 まず予想していたとおり収録は片面一層ディスク。金額からいけば仕方がないですね。そして比較には意味がないと思いつつもとりあえず仕様チェック。

<ディアゴスティーニ版>
定価990円(次号より1990円)
【音声】
日本語ドルビーデジタルモノラル
【映像特典】
シリーズガイド、次号予告

<東宝版DVD>
定価4725円(amazon.co.jpの実売4000円前後)
【音声】
日本語リニアPCMモノラル
音声解説(宝田 明)
音楽のみ(ドルビーデジタルモノラル)
音楽と効果音(ドルビーデジタルステレオ)
【映像特典】
劇場用予告編
伊福部昭インタビュー
東宝俳優名鑑(静止画)

<東宝版ブルーレイ>
定価5985円(amazon.co.jpの実売5000円前後)
【音声】
モノラル(リニアPCM)
音楽と効果音(リニアPCMモノラル)
音声解説(宝田 明)
<字幕>
日本語
【映像特典】
劇場用予告編
伊福部昭インタビュー
ピクチャー・イン・ピクチャーで観る絵コンテ
復刻 ゴジラのテーマ
スナップで観る撮影現場の風景
オキシジェン・デストロイヤー

米国盤はこちらを参照

まあかなり昔のモノクロ作品なのでそれほど大きな差異は感じませんでしたが、暗部のもあもあは散見されました。むしろ最大のポイントはこれらの仕様の違いに価格なりのものを見いだせるかどうかでしょう。個人的には洋画のようになかなか廉価版が出ない中ではこういう選択肢が増えたことはよしとしたいと思っています。ただ他の作品をじゃんじゃん買おうという気にはなりません。だって全部揃えると11万ですよ、11万。(まあゴジラシリーズのみの収録だったファイナルボックスが税込定価約10万円だったことを考えれば良心的ではありますが)これだったら日本映画専門チャンネルでの再オンエアを待つと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 7日 (土)

『不毛地帯』

Fumouti ☆☆☆1/2 重厚で見応え充分。
 おもしろかった! 映画版だけで比べると『白い巨塔』よりもおもしろかったです。山崎豊子の世界は登場人物がわりと類型的なところがあり、でもそれが物語を大きなポイントになっています。つまりその人物が何をするかが物語の面白さにつながるのです。ここでは瀬島隆三をモデルにしたと言われる壱岐が運命に翻弄され、結果的に戦友と呼ぶべき人間を死に至らしめてしまうと言うドラマが描かれています。さすが「赤いデミル」こと山本薩夫はスケール感たっぷりに存分にエンタテイメントとして語ってくれます。彼はシベリア抑留を契機として、戦争とは無縁の世界であるビジネスに身を投じるわけですが、その世界の描き方は任侠物のようなおもしろさです。役者陣はいかにも大作なメンバーですが、それぞれがアクセントとなる存在感をきちっと発揮しています。特に日下武史と田宮二郎、そして小沢栄太郎は見事です。正直仲代達也はミスキャストな気もしますが、それでもさすがの貫禄です。
 3時間があっという間、重厚で見応え充分。そんなドラマに飢えている方は必見です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 6日 (金)

『いのちの食べかた』

Inoti ☆☆☆ キューブリックのようなドキュメント。
 日本でも話題になったドキュメンタリー。とて興味深い映像の連続でした。特に食用牛や鶏についての映像はかなりショッキングですね。全編解説やインタビュー映像などはなく、ひたすら我々が口にしている食べ物がどのようにして作られているかをとらえているわけですが、少なくとも説明不足という印象はありませんでした。そしてその突き放し方がひとつの作家のスタンスにまで昇華しているのは見事です。そのシンメトリックな構図といい、対象物をつきはなした捉え方といい、キューブリックがこのテーマでドキュメンタリーを作ったらこんな風になるのではと思いました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 5日 (木)

BD: An American Werwolf in London

Bdawil 邦題『狼男アメリカン』
 ジョン・ランディス監督の傑作ホラーコメディがブルーレイで登場。しかも米国盤で映像特典にまですべて日本語字幕付きと来れば速攻で購入(それに格安とまでくる)。DVDもそれなりに画質は良かったが、この作品をここまでの美しさで楽しめるとは思わなかった。いや、もう別次元の輝きがあり、チープじゃなくてちゃんとしたゴシックの世界であったことを再確認させられる。また映像特典がさらに素晴らしく、DVD所有者もすぐに買い換えの1本。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 4日 (水)

BD: Sling Blade

Bdsling 邦題『スリング・ブレイド』
 ビリー・ボブ・ソーントン監督主演の秀作。アメリカでははやばやとブルーレイに。ただし残念ながら以前にリリースされていたディレクターズカット版ではなく劇場公開版。私もみたことがなかったのでぜひと思っていたのでちょっと悔しい。画質はなかなかよい部類だがもうひとつ繊細さはほしいところ。また5.1ch化されたこと、映像特典が山盛りになったことはめでたい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 3日 (火)

BD: 2010

Bd2010 邦題『2010年』
 米amazonの安売りにつられてポチッと購入。米ワーナーと言うことで本作はめでたく本編にも映像特典にも日本語字幕付き。ただし画像はHD映像とは思えないほどひどく、できそこないのアップコンバート映像のような印象。その昔、LDなどの時はわりと高画質なソフトだったのに。映像特典もしょぼくこれならば買い換える必要はなかったかも。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009年11月 2日 (月)

BD『アマデウス ディレクターズカット』

Bdamad_2  TSUTAYAのセルで安売りだったのを購入。このクラスが2000円というのはいいですなあ。ただしそのぐらいの値段でないと触手が動かないし、実際あまり売れないと思うのですがどうでしょうか?
 で、私の場合はDVDからの買い換えなのだが、さすがのHD映像ではあるものの、鮮やかさには今ひとつ欠けている印象。ついてにいうと私は断然劇場版だと思っているので、そちらのバージョンも収録して欲しかった。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2009年11月 1日 (日)

やっと再開

いやはや真面目に本当に忙しかったのです。
えらいブランクがあきましたが、またぼちぼちと。劇場にはあまり足を運んでおりませんが、みたい作品があまりなかったというのも本音です。でもHD放送はわりとみておりますので、そのうちそっちの方も穴埋めしていかなくてはと思っています。他にもいろいろと書きたいネタはたまっているので。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年6月 | トップページ | 2009年12月 »