『日本沈没』(1973)
☆☆1/2 驚愕の設定とアツイ芝居の上に成立する無常。
ずっと昔にVHSをさっと流してみただけで全然印象に残っていませんでしたがあらためてみてみました。正直視覚効果についてはVHSでみた昔も今もあまりよい印象はなく、またいかにも当時の東宝対策らしいキャスティングと展開については「?」な部分はあるのですが、プロジェクトX的な物語として日本を救うために必死になって闘っている人々を、ここまで徹底的にアツイ芝居でやってくれるのであればむしろ印象は悪くありません。特に島田正吾と丹波哲郎のやりとりはずっしりと重く、シミュレーションでは描ききれない魂の部分を感じることができました。稚拙な部分も少なからずあると思いますが、それでもこの物語が生み出す「無常」は、この世界観の上にしか描けないこともまた事実です。
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