『最高の人生の見つけ方』
☆☆☆ 当代きっての名優2人を味わおう。
私とはあまり相性がよくないロブ・ライナー監督作と言うことで、やや斜に構えたところがあったのですが、どうしてどうして。さすがモーガン・フリーマンとジャック・ニコルソン、きっちりとみせてくれるドラマとなりました。
観光地めぐりのようなシークエンスは退屈で、物語の展開も予想の範囲内におさまり、今ひとつ深みという点では物足りません。それでもこの作品がハリウッド的でありながらキラリと輝くのは主役2人にあります。2人ならではの役でありながら飽きさせない。それぞれの生き方が演技の中ににじみでてきていて、小手先に頼らないその大きな存在感は私たち観客を存分に楽しませてくれます。病室での何気ない会話、プライベートジェット内での宗教論、手術前の訪問で達成する「涙を流すほど笑い転げる」やりとりなどは、この2人だからこその輝きを持っています。ゆえに最後、葬儀で友に捧げるスピーチは胸をうちます。
何年かに1本の傑作などではありませんが、ニコルソンとフリーマンという当代きっての名優の存在感を存分に味わえる佳作です。
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