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2009年5月 6日 (水)

『デコトラ・ギャル奈美』

Dekoto☆☆ 個性はあるものの。
 映画監督の松江哲明さんが絶賛していたのと、監督の城定秀夫さんというのに興味がわいてみました(WOWOWはこういうのもオンエアするので侮れない!)。正直一時期ほどの勢いはないにしてもVシネと呼ばれる作品群は、撮影所システムが崩壊している現在、日本の映画界を背負う人材を育んできた側面があります。私も積極的にみる人ではありませんが、ときどき何かの拍子におっと思う作品と出会える面白さがあります。そのVシネの中でもいわゆるちょっとエッチな作品群の中には性を通してしか描けない人間ドラマをきちんとみつめている作品も存在します。そういう意味で私の中で「この監督、他にないのかなあ」と調べたことのある人が過去4人います。それだけみた作 品におもしろさを感じたのですが、それが成瀬正行、永岡久明、安藤尋(後に『僕は妹に恋をする』も撮る)、そしてこの城定秀夫でした。城定秀夫監督でみたことがあったのは『新任女教師 二人だけの教育実習』。この作品も定番的な展開でありながら、松浦咲希己の魅力と吉岡睦雄(『デコトラ・ギャル奈美』でもおいしい助演)の怪演もあって、印象に残る一作となっていたのです。
 この作品は正直なところ、自分のツボには入りませんでした。吉沢明歩という女優さんの演技が自分の予想範囲を超えなかったことと、いくらなんでも物語展開が雑ではないかと思ったからです。ただ城定秀夫監督のセンスは充分感じられて、おそらく制作上必ず必要であろうメインキャストの濡れ場をあそこに持ってきたのにはびっくり。尺から考えてもかなり異例のことではと思いました。
 もうひとつ、この作品を評価したのが松江さんというのが、いかにも松江さんらしく、もはや童貞研究家の肩書きまでつこうかという松江哲明論(?)を語る上でも、この作品のどこにツボが来たのかを探るのもおもしろいかもしれません。松江さんの話はいずれ。

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