『恐怖のメロディ』
☆☆ まだまだ未成熟。そんな頃は誰にでもある。
イーストウッド初監督作は、エイドリアン・ライン監督の『危険な情事』を彷彿とさせるスリラーでした。しかしあっちがほとんどホラーに近い展開なのに対して、こっちはかなりの正当派。しかもこの頃には珍しい元祖ストーカーでしょう。余談ですがイーストウッドは『白い肌の異常な夜』のように女性不信なんだろうかと考えずにはいられない作品も多く、また女性に逆レイプされる場面のある『ルーキー』など、女性についての視点は特異な感覚を持っています。このあたりで語られるイーストウッド論もあるかと思いますが、デビュー作でこういう内容を扱っていることもふりかえると興味深いですね。ただこの作品は初監督作らしくストーリーテラーとしてはまだまだ未成熟な感じ。おもしろさという部分は今ひとつです。なお前から思ってましたがこの邦題はひどいですね。原題の方がもう少しおしゃれで意味深な感じがよく伝わります。
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