『大いなる陰謀』
☆☆☆ レッドフォードの賭け。
レッドフォードの監督最新作はアメリカでは不評。新生ユナイト、そしてトム・クルーズの新規契約のスタートということで注目を集めていたにもかかわらずこの結果ということで、いろいろといわれていました。で、肝心な作品の質もいろいろといわれていたのですが、どうしてどうして。
まずレッドフォード、クルーズ、ストリープが演じる主要キャストの造形がおもしろいです。三者に共通することは行動する立場にすでにいないこと。そして人々に己の主張を伝えることが職業で、それが誰かしらの人生に影響を与えているということ。それぞれが理想と現実の狭間の中で述べている意見に、どこかしら隙があります。そして予期せぬ結果という形で、そこをつかれた時にみせる動揺と不誠実。21世紀に行動するということはどういうことなのかという重みを最後に残して物語は終わります。
この作品はディスカッションドラマとしての魅力には欠けますし、説教臭さやあまりにもリベラルな視点が鼻につくかもしれません。が、投げかけた問題の重さはそれだけでは切り捨てられない何かを持っています。それは「若い」世代が特権として持っている「行動力」にレッドフォードが祈るように賭けた姿なのかもしれません。
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