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2009年4月30日 (木)

『僕の彼女はサイボーグ』

Bokukano ☆1/2 綾瀬はるかの魅力すら出ていない。
 私の周囲では散々な評価だった本作。大当たりの『猟奇的な彼女』、ウソみたいにひどかった『僕の彼女を紹介します』、さあ監督のクァク・ジェヨン、今回はどうなるかなあと思ったら、これは悪い意味でびっくり。ドラえもんが好きな中学生が思い入れだけで書いた話をだらだらと読まされたようです(別のレビューサイトで『火の鳥2772』のオルガがモチーフという話には大笑い)。とりあえずここまでタイムパラドックスに矛盾を感じさせる作品も珍しいです。韓流作品の中でも特にこの人は冗長で蛇足蛇足みたいな構成をするのですが、ますますひどくなっている気がします。小出恵介はチャ・テヒョンの影武者でも大丈夫な感じ。綾瀬はるかはきらいじゃないのですが、この内容ではと気の毒に思います。『ハッピー・フライト』『ICHI』『おっぱいバレー』と作品が続きますが、どれひとつとして魅力的じゃないのです。考えてみると『マックスファクター』のCMが一番魅力的だったような。映画界の反省材料ですかね。

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2009年4月29日 (水)

『ヘアスプレー』

Hairsp ☆1/2 冷めた料理。
 私はミュージカル映画はわりと好きです。ザッツエンタテインメント、まさにすべての芸能が凝縮されています。しかしここ最近、どうもミュージカル映画に当たりがありません。『マンマ・ミーア』なんて絶対失望すると思ってみていません。実はこれもそう。いやダンスと歌自体は楽しそうだったのですが。私はあのジョン・ウォーターズの作品をどう料理するのかが気になっていたからです。
 わりとオリジナルの世界観は忠実に守られていると思います。でも今回のこの作品がひどく脳天気にみえてしまうのはなぜでしょうか。それはトレイシーがなぜ黒人を仲間として受けいれられるのかという肝が弱く、トレイシーが魅力的(なはず)なのは彼女の人一倍豊かな感受性が伝わってこないのです。物事にはみえる部分とみえない部分があり、その両方を知ることが大人になるということだと思います。ここでのトレイシーはただの踊りたい子にしかみえません。純真さというよりは総おバカさん化が進んだとしか思えない演出です。ゆえにこれが黒人解放運動の黎明期の物語とはとても思えません。いや、きっかけはこの程度なのかもしれませんが、それにしても脳天気すぎやしないかと思います。歌と踊りの魅力も少なく、キャストもクイーンラティファの素晴らしさは別格として、クリストファー・ウォーケンとミシェル・ファイファー、ジェームズ・マースデンが及第点、トラボルタは歌えないなら出すなというレベル。ザック・エフロンは論外。
 なんか冷めた料理を出された感じのこの作品。クイーンラティファだけがみどころなのかもしれません。

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2009年4月28日 (火)

訃報2つ。

 映画監督のケン・アナキン氏が4/22にビバリーヒルズの自宅で亡くなりました。享年94歳。
 1914年、イースト・ライディング・オブ・ヨークシャー州ビヴァリーに生まれ。公務員をやめて世界を転々とし、帰国して自動車のセールスマン、ジャーナリストとなります。やがてドキュメンタリー制作経験、キャロル・リードなどの助監督を経たあと、1947年の"Holiday Camp"で監督デビュー。代表作に『ロビン・フッド』(1952)、『剣と薔薇』(1953)、『南海漂流』(1960)、『史上最大の作戦』(1962)、『バルジ大作戦』(1965)、『素晴らしきヒコーキ野郎』(1965)など。1988年の『長くつ下ピッピの冒険物語』が遺作となりました。有名な話ですが、ジョージ・ルーカスと交友があり、スター・ウォーズ・サーガに登場するアナキン・スカイウォーカーの名前は、ケン・アナキンにちなんでいます。

 また撮影監督のジャック・カーディフ氏が4/22にイギリス・ケンブリッジシャーの自宅で亡くなりました。享年94歳。
 サイレントの時代からのカメラマンで、テクニカラーで撮影した最初のカメラマンの1人です。代表作に『黒水仙』(1947)、『赤い靴』(1948)、『戦争と平和』(1956)『ファニー』(1961)。『黒水仙』でアカデミー賞撮影賞、2001年には名誉賞を受賞しています。また『息子と恋人』(1960)をはじめとして監督作もあります。
 何といっても『赤い靴』!でしょうが、この人のフィルモグラフィは後半が凄いのです。前半は王道ですが、1970年代以降が『悪魔の植物人間』『ナイル殺人事件』『ピラミッド』『戦争の犬たち』『悪魔の棲む家PART3』『キング・オブ・デストロイヤー/コナンPART2』、そして『ランボー怒りの脱出』ですよ。うーん。

 ご冥福をお祈りします。

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2009年4月27日 (月)

BD『アイアンマン』

Bdiron  しかし真面目な話、BDレコーダーを購入してから、ますますパッケージを買おうとする気が失せてきた。右上のマークとやや貧弱な音質にだけ目をつぶれば今回だってオンエアまで待ってもよかったのだが、特典映像が気になっていて値段も下がっていたので購入。→review 映像特典はちょっと期待はずれだったが、逆に音質は期待以上。AACに耳が慣れてしまうと、このレンジのひろさには爽快感さえ感じる。

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2009年4月26日 (日)

BD『ウォーリー』

Bdwall  ぐっと米国盤を我慢でようやく購入した次第。→review さすがのクオリティで、今までは音響に関して映画館を凌駕することがあるかと思ったことはあるが、これならばひょっとするとフィルム上映のへっぽこな映画館よりと初めて本気で思わせられた。今回はブルーレイ、DVD、ブルーレイとDVDのセットという妙なラインナップだが、このクオリティならば絶対にプレイヤーを買ってブルーレイで楽しむべき。特典映像は相変わらずてんこもりだが、ピクサーのものはいつみてもあきない。ネットで大笑いしていた『バーニー』を美しい映像で楽しめて感激。ここまできたらどんどんスピンオフを作ってほしい。

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2009年4月25日 (土)

『アメリカン・ギャングスター』

Amegang ☆1/2 木戸銭返せよ!
 いくら実話がもとでもこれはダメでしょう。だって二大スターなのに最後までクロウとワシントンは絡まず、やっと対決したと思ったら司法取引ですもん。なんじゃそりゃです。70年代の再現とかみどころは多いのですが、2人のどうでもいい適当なお芝居といい、予告編の方が盛り上がりました。久しぶりに「木戸銭返せよ!」と叫びたくなる作品でした。

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2009年4月24日 (金)

『ディパーテッド』

Depart ☆☆ 業のなさでバランス崩壊。
 大傑作『インファナル・アフェア』をリメイクするときいてとにかく不安でした。いや表面的なプロットはいけると思うのですが、物語の背景にある東洋的な「業」の感覚をうまく描けるのかが気になったのです。フタをあけてみると出来映えはほぼ予想通り。リメイクのハンデを背負いつつもスコセッシはよくやったと思います。しかし「業」の感覚がすっぽりと抜けたために主人公2人が背負う物の重さか感じられずサスペンスとしてはかなり軽いタッチになりました。さらに大きなポイントとしてジャック・ニコルソン演じるウラ社会のボスの存在感が強くなったために、主人公2人が駒のようにみえてしまったこと(ニコルソンですらどうにもならないことがあると思わせることがポイントでは?)。またマーク・ウォールバーグが妙な絡み方をして、いかにもハリウッド的なオチにしてしまったことには苦笑してしまいました。ミヒャエル・バルハウスのカメラといい、『グッドフェローズ』のような瞬間もあるものの、結果的に冗長さは否めず、もうひとつ乗り切れなかった印象です。

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2009年4月23日 (木)

『ジェシー・ジェームズの暗殺』

Jesj_2 ☆☆ 映像で語るのか、演技でみせるのか。
 たとえばワイアット・アープの物語、またビリー・ザ・キッドの物語のようにアメリカ人にはなじみのある無法者ジェシー・ジェームズの物語は、自分に馴染みがないこともあってか、もうひとつ物語の中に入り込むことができませんでした。ただその撮影術には目を見張るものがありました。ロジャー・ディーキンズがつくりあげた西部の世界は、その荒涼たる景色と、時折織り込まれるタブローのように美しい場面とで絵巻物のような美しさをたたえています。しかしそれが物語にうまくとけこんでこないのです。ここはキューブリックの『バリー・リンドン』と似ているのですが、あの作品と決定的に違うのは、キューブリックはとことん精緻な絵画のように画像設計をとらえ、物語を表面的に語ることに徹したことで成功したのに対して、この作品は演技で成立させるドラマを完全に否定しなかった点で中途半端になってしまったのではないでしょうか。その証拠がキャスティングでブラッド・ピットやサム・シェパードが自分の立ち位置(まるでただの人形のような存在感)を理解しているのに対して、ケイシー・アフレックはその部分を理解していません。ジェシーとの葛藤、最後の兄弟の葛藤を柱にしたいのであれば、今回の映像設計と物語の紡ぎ方には無理があります。何度もみてみたい映像世界であるだけにここは残念です。

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2009年4月22日 (水)

DVD: PopMart Live from Mexico City / U2

Dvpopma  U2のオフィシャルライブ映像の中で、あとDVDになっていないのが2本。そのうちのひとつがようやくDVD化。私、VHSでもっておりましたがようやく処分できます。日本では東京ドーム1度だけの公演で終わりましたが、いわゆるテクノやハウスへの接近があった時期の集大成ということで、その物量のすさまじさに圧倒されます。さあ、あと残るはレッドロックスのライブだ! とチェックしてみたら、あれ? 出てる? しかも2こ? ひとつはDVDのみの「ライヴ・アット・レッド・ロックス」。ところがリマスター版のCD「ブラッド・レッド・スカイ=四騎=」にはおまけDVDで同じセットリストのライブが収録されている。よくわからん! 知っている方教えてください。(しかしこういう情報には本当に疎くなったなあ・・・)

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2009年4月21日 (火)

CD「ジーザス・クライスト・スーパースター」O.S.T.

Ojcs 『スウィーニー・トッド』の反動か、なんか衝動買い。相変わらず権利問題のためか、日本ではDVD化のウワサすらきかないが、ひょっとすると先に米国盤でBDで出ちゃうかも? 全曲通しできくと圧倒的で、ミュージカルはこうでなきゃと、ひとり納得。

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2009年4月20日 (月)

訃報:J・G・バラード

 ここでは映画との関係が薄い方はあまり紹介しないのですが、でもやはり。作家J・G・バラード氏が4/19になくなりました。享年78才。がんとの闘病生活を過ごしたのち、とのことでした。
 1930年生まれ。少年時代を上海で過ごし、のちに戦時下日本軍収容所で過ごします。この当時のことはスピルバーグが映画にした『太陽の帝国』でも描かれています。私にとってもっともおどろいたのはやはり『クラッシュ』でしょうか。クローネンバーグが映画にしましたが、それでもあのテクノロジーの本質を見透かした物語には強い衝撃を受けました。特殊翻訳家柳下毅一郎さんが20世紀最大の作家と呼ぶのも納得です。
 ご冥福をお祈りします。

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2009年4月19日 (日)

映画館の豪華貸し切り宿泊プラン

 ホテル西洋銀座と松竹が、有楽町マリオンの丸の内ピカデリーの貸切プランをやっているそうです。価格は40万円か90万円。作品は候補作がいくつかあって、まあ他にはラブラブなムードを盛り上げる趣向が凝らされているという。びっくりだったのはそんな酔狂なことをする人間がいるのかと思ったら、いるわいるわ、GW中の90万円コースは完売だそうです。
 でもいつかやってみたいと思っている映画ファンは多いことでしょう。というか人気のない作品であればシネコンでそういう体験をしたという人もいるかもしれません(笑)。かくいう私、完全に観客1人というのは過去1度だけ。高校生の時、渋谷のPARCOパート3の平日モーニングショーで上映されていた『シャルロット・フォー・エバー』(高校生で平日?なんて野暮な突っ込みはしないでねぇ!)、ただ途中から1人(しかも残り30分のあたりで)増えて2人になったのが残念。

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2009年4月18日 (土)

第18回日本映画批評家大賞

故水野晴郎さんが発起人として名を残している日本映画批評家大賞。その第18回の結果。

作品賞:『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』    
監督賞:滝田洋二郎『おくりびと』
主演男優賞:東山紀之『山桜』
主演女優賞:小池栄子『接吻』
助演男優賞:岸部一徳『GSワンダーランド』
助演女優賞:坂井真紀『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
新人賞/男優(南俊子賞):リリー・フランキー『ぐるりのこと。』
新人賞/女優(小森和子賞):吉高由里子『蛇にピアス』
審査員特別賞:藤田まこと『明日への遺言』
松田聖子:『火垂るの墓』
映画音楽賞:久石譲     『おくりびと』『崖の上のポニョ』
撮影監督賞(富士フィルム奨励賞):小松原茂     『恋するトマト』
特別功労賞(増淵健賞):岡田裕(アルゴ・ピクチャーズ)浦岡敬一
特別敢闘賞:河崎実
国際活動賞(田山力哉賞):柴田駿(フランス映画社)
ゴールデン・グローリー賞(水野晴郎賞):筑波久子
久里千春、桜井浩子
ダイアモンド賞:羽仁進、小沢昭一

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2009年4月17日 (金)

今年のカンヌのオープニングは!

 今年のカンヌのオープニングはなんとピクサーの『カールじいさんの空飛ぶ家』になったそうで。ピクサー初の3D立体映画としても話題を集めているが、カンヌのオープニングに選ばれるのはアニメ映画史上初の快挙。素直に拍手です。しかーし。また今年も日本では半年待たされる羽目になっています。ここしばらくずっとこのパターンですが、ピクサーがブランドとして確立された今ならば、同時公開でもまったく問題ないはずで、むしろ夏休みの新たな稼ぎ頭になると思いますが。

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2009年4月16日 (木)

第47回優秀外国映画輸入配給賞

 毎年恒例、(社)外国映画輸入配給協会(外配協)が主催する「第47回優秀外国映画輸入配給賞」の結果。
 この賞は1962年に通商産業省(現経済産業省)の後援を得て制定されたもので、毎年ヒット作をものにした配給会社に贈られる身内の賞です。で、いつもは大体予想がつくし、それほどの意義があるとは思えない賞なので、ここには滅多に書かないのですが、配給の再編成が進んだ今年はあえて記録しておきたいと思います。

まずは結果。
◆経済産業大臣賞:東宝東和
◆特別賞:ウォルト・ディズニー・ジャパン
パラマウント ピクチャーズ ジャパン
東北新社
◆奨励賞
スタイルジャム
ギャガ・コミュニケーションズ=日活

 この結果、どう思われますか? 昨年度の配給会社の力関係が如実に出ていて苦笑い。まあこの賞はそういう賞なので。もう1点はこの賞の存在意義。トップの作品で興収50億ですから。そこから下は結構ちぎれていますからねぇ。一発当てると業界地図をひっくり返せるとはいえ、全体の地盤沈下が憂うべき現在、この賞をいつまで続けるのかなあという突っ込みは誰かが入れるべきでしょう。

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2009年4月15日 (水)

『リーピング』

Reaping ☆1/2 はったりきかずこけ脅かし。
 『デス・ロード』に引き続き、オカルトホラーついででみましたが、こっちはいわゆるこけ脅かしでつまらなかったです。結局こういう神と悪魔の降臨についての物語はどこまではったりをきかせるかにあって、辻褄をあわせることに終始するとダメです。イナゴのシーンにはびっくり。スティーブン・レイを無駄遣いしたことに呆然。ヒラリー・スワンクはこういう役は似合わないのかもしれません。

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2009年4月14日 (火)

『最後のブルース・リー ドラゴンへの道』

Retdrago ☆☆ 格闘シーンは息をのむ。
 私は世代的にはジャッキー・チェン世代。思い入れもそれほどない人間。ブルース・リー作品はほとんどの作品の何らかの場面はみているのですが、考えてみると最初から最後までちゃーんとみるのは初めてでした。
 技術的には何だかなあなところはたくさんありますし、物語的につっこみどころは満載なのですが(かつての香港映画って何の伏線もなく裏切る奴が出てくるんあよなあ)、でもブルース・リーの格闘シーンには息をのみます。ただやはり自分はジャッキー・チェンが映画という枠の中で創意工夫をしていった方にすごさを感じてしまいます。そういったところを可能性を残したまま逝去してしまったところにまた想像がはたらいてしまうところではあるのですが。リーのめずらしい三の路線の陽気さ、チャック・ノリスの渋さもみどころです。

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2009年4月13日 (月)

『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』

Sweeny ☆☆ 物語に業をまったく感じない。
 私とは相性の悪いティム・バートンは今回もやってしまいました。致命的なのはまず主役2人をはじめとして、キャストの歌にまったく魅力がないこと。歌で物語が進む以上は歌声にきちんと個性と力が欲しいところです。さらには物語に業をまったく感じないこと。こういう部分をバートンにもとめるのはやはり酷なのでしょう。ベンジャミン・バーカーとスウィーニー・トッド。この2人を行き来する葛藤、そしてミセスラベットとの絡みが話のキモなのですが、ここがきちんと描けてないので、最後のどんでん返しが効いてこないのです。プロダクションデザインは見事ですし、ユニークな映像設計をみせてくれますが、視覚的な個性を追い求める限り、物語にブラックユーモアを忍び込ませることは永遠に無理でしょう。

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2009年4月12日 (日)

『ER緊急救命室』最終回

 4/2に米国で『ER緊急救命室』の最終回が放送されました。全15シーズン331エピソード。15年の歴史の中で、番組視聴率トップを4回、ドラマ視聴率トップを10回、そしてNBCのドラマ視聴率トップを12回達成しているそう。番組を去った人気キャラクターが最終回にそろって復帰したこともあり、高視聴率を記録したそうです。日本でも医療ドラマがいろいろと登場していますが、そのリアリティは足元にもおよびません。ただそういう方面に強い影響力を持っていたのも事実で、そういう部分もしごいなあと思います。
 日本ではまだシーズン13が放送中。はやくみたいなあ。

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2009年4月11日 (土)

『デス・ロード 染血』

Windch ☆☆☆ シンプルな設定を巧みにいかす。
 ここ最近、CSなどの番組案内にひかれてみるホラーはダメダメなできばえが多いので期待していなかったのですが、これはなかなかのできでした。ジャンルとしてはオカルトホラー、幽霊物に入ると思うのですが、こけおどかしの血まみれ映像に頼らず、シンプルな設定を巧みにいかしています。寒さはしっかり伝わってきましたし、幽霊のネタも哀しみまで醸し出すことにも成功。鶴田法男の『予言』よりはるかに上手です。ラストはぐっときました。

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2009年4月10日 (金)

109シネマズのIMAXデジタル、オープニング決定

 このブログで検索されるキーワードのひとつにアイマックスがあるのですが、今回のニュースもアイマックスネタ。昨冬から延期になっていた109シネマズのIMAXデジタルの導入と稼働日が正式決定したようです。導入は当初の予定だった4館中3館(川崎、菖蒲、箕面)。作品は『トランスフォーマー/リベンジ』(6/20公開予定)。この作品は70ミリのIMAXカメラでの撮影シーンが含まれていて、ハリウッドの長編映画では『ダークナイト』に次いで2作目となります。ただし3Dではありません。
 さていくつか追加でわかったこと。改修のプランなのですが、どうやらスクリーンの部分ははりなおしになり、現在設置されているスクリーンよりも客席側に移動するような感じとか。というわけで当初の予想よりは大きめのスクリーンになるようです。ただDLPが当初大きなスクリーンで映写できるほどの光量の確保が難しかった現状を考えると、やはりIMAXデジタルもフィルムによるIMAXの映写と比較するとまだそこまでの大きさは無理なのかもしれません。いずれにせよ楽しみであることに違いはありません。

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2009年4月 9日 (木)

『フェーム』

Fame ☆☆1/2 前半は最高。
 『バーディ』『エンゼル・ハート』の2作は映画ファンになりたてだった中高生の頃の自分には大きな刺激となりました。ゆえにアラン・パーカーは私にとって大好きな映画監督のひとりでした(しかしどうも『愛と哀しみの旅路』以降はダメです)。そんな彼のヒット作の1本。主題歌も洋楽染まりはじめの自分には思い出深い曲でした。
 アーティスト志望の学生たちの物語は何度も映画として描かれていますが、前半の描き方はとてもソリッドで下手な感傷に流されておらず、ひきこまれるようにみました。しかし途中から登場人物の個性がはっきりと描き分けられてくると面白さがトーンダウン。ありがちな群像劇になってしまいました。どうせなら最後まで徹底して無名な人物の物語を背景はあまり描きこまずにつづった方がユニークだったと思います。

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2009年4月 8日 (水)

『大いなる陰謀』

Lionsfor ☆☆☆ レッドフォードの賭け。
 レッドフォードの監督最新作はアメリカでは不評。新生ユナイト、そしてトム・クルーズの新規契約のスタートということで注目を集めていたにもかかわらずこの結果ということで、いろいろといわれていました。で、肝心な作品の質もいろいろといわれていたのですが、どうしてどうして。
 まずレッドフォード、クルーズ、ストリープが演じる主要キャストの造形がおもしろいです。三者に共通することは行動する立場にすでにいないこと。そして人々に己の主張を伝えることが職業で、それが誰かしらの人生に影響を与えているということ。それぞれが理想と現実の狭間の中で述べている意見に、どこかしら隙があります。そして予期せぬ結果という形で、そこをつかれた時にみせる動揺と不誠実。21世紀に行動するということはどういうことなのかという重みを最後に残して物語は終わります。
 この作品はディスカッションドラマとしての魅力には欠けますし、説教臭さやあまりにもリベラルな視点が鼻につくかもしれません。が、投げかけた問題の重さはそれだけでは切り捨てられない何かを持っています。それは「若い」世代が特権として持っている「行動力」にレッドフォードが祈るように賭けた姿なのかもしれません。

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2009年4月 7日 (火)

『Mr.ビーン カンヌで大迷惑?!』

Bean2 ☆☆ 拍子抜け。
 この作品とは笑いのツボが全く違ってまして、オリジナルのTVシリーズはちっともおもしろさを感じませんでした。今頃でてきた映画版、私のまわりでは拾いものという評価が多く、ちらっとだけCSでみてたらおもしろそうだったのでみたのですが、やっぱりだめでした。これならば普通のロードムービーにした方がおもしろかったでしょうし、最後の大円団もずっとずっと感動的だった気がします。ビーンでこれは拍子抜けというものです。

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2009年4月 6日 (月)

フランス映画祭におもう

 今年のフランス映画祭の団長がジュリエット・ビノシュだったのに今頃気がつきました。こういうお仕事はどちらかというと苦手な女優さんというイメージだったのですが、ちょっとびっくりです。しかしこの映画祭もすっかり変わってしまいました。評論家の田山力哉さんがそれこそばりばりの時には横浜が会場で、作品はほとんどが日本公開未定のばりばりの最先端。でも来日する監督や俳優さんとの距離が近いとてもアットホームな映画祭でした。でも今ではただの見本市です。横浜は大事な文化活動を失いました。何でもかんでも六本木ヒルズというのは間違ってます。文化活動というのはお金がかかるし、お金儲けはできません。でも人間が育つということを忘れないでほしいと感じることが多い今日この頃です。

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2009年4月 5日 (日)

『シリウスの伝説』

Sirius ☆☆ すぎやまこういちのシンフォニー。
 春休みということでサンリオの作品を上の娘と一緒に。サンリオのアニメーションには『星のオルフェウス』を筆頭に思い入れがありまして(いつかこの作品はじーっくり特集するつもりです)、この作品は見逃していた1本なのですが、ちょっとできばえは「?」な感じ。ただ相変わらずサンリオの思い入れはたっぷりで、豪華スタッフと声優陣。フルアニメにハンドトレース、ワンキャラクター=ワンアニメーターといったディズニー顔負けの制作体制。世界に通じるような物語などに気合いは感じられますが、映画というのは豪華な素材を組み合わせるだけでは、秀作が生まれないということをサンリオは結局学べませんでした。ポイントとしてはすぎやまこういちのシンフォニックスコアがきけること。これはやはり素晴らしかったです。

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2009年4月 4日 (土)

『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』

Borat ☆☆1/2 いろいろな意味で危険だ。
 アメリカでもスマッシュヒットとなったサシャ・バロン・コーエン主演のこの作品はフェイクドキュメンタリー形式の作品です。しかしアイロニーというよりはドッキリカメラ的な構成に近く、私が求めていた笑いのツボとは少し違ったところがありました。
 一番の問題は作り手側の視点の問題。この作品は観客にとって居心地の悪い作品です。それは笑っている自分が笑われているから。これはお笑いという点ではとても優れているといえます。しかしその割にドッキリカメラにしてはベタな笑いに走らず、作り手の知性がひけらかされているようなところがあり、作者自身だけ居心地の悪さが抜け出してエクスキューズしている嫌味さがあります。つまりやるならとことん突撃系のドキュメントにすればよかったわけで、ところどころ「これは完全にフェイク(ここではあらかじめシナリオがある形で本物のドキュメントっぽく撮影されたという意味で)だな」と感じさせるところがそれなりの量があったこと。これは残念です。最大の見所はコーエンの怪演。彼の才能を存分に味わいましょう。
 いろんな意味で危険な作品。一見の価値はあると思います。

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2009年4月 3日 (金)

『サウスランド・テイルズ』

Southland ☆1/2 どこかずれたけど。
 『ドニー・ダーコ』の監督が作った新作ということで、鳴り物入りで上映されたカンヌ。しかしそのできばえが酷評され、酷評ぶり自体があまりにもすさまじかったというのが逆に話題になったこの作品。日本では未公開となりましたが、これはおもしろくなかったです。そもそも話が話になっていないのです。ただ異常に細かいディテールの積み重ねと、その世界観の捉え方をみていると、実は少しずれていたらものすごい傑作になったのではないかという思いもあります。ドゥエイン・ジョンソンをはじめとする役者陣もおもしろく、くさってもケリー、『ドニー・ダーコ』でみせた才気はウソではなかったことだけは証明したように思います。なのでおもしろくはないけれど、でもみのがしてはいけない1本かもしれません。次はインディーズでまた勝負?

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2009年4月 2日 (木)

訃報:モーリス・ジャール

 数々の映画音楽を担当した作曲家モーリス・ジャール氏が3/30、米カリフォルニア州の自宅で亡くなりました。享年84歳。
 1924年、フランス・リヨンで生まれ、パリのコンサルヴァトワールで学んだ後、『ユトリロの世界』で映画音楽を担当するようになります。『アラビアのロレンス』(1962)で初のオスカーを獲得。以後もデビッド・リーン監督とのコンビで『ドクトル・ジバゴ』(1965)、『インドへの道』(1984)で3度アカデミー賞作曲賞に輝いています。他にも『刑事ジョン・ブック 目撃者』や『ゴースト ニューヨークの幻』など計9回のノミネーション。また『首都消失』『クライシス2050』『落陽』といった日本映画にも参加しています。
 個人的には器用貧乏というイメージが強く、素晴らしい曲もありながら、サントラとしては「?」がつくことも多かった人でした。作品数は多いものの打率がよいとはいえない木がします。でも忘れられない素晴らしいスコアもたくさん残しています。上記の他にも『将軍』『ファイヤーフォックス』『ドリームスケープ』『敵、ある愛の物語』など印象的です。またピーター・ウィアー監督ともコンビ作がたくさんあり、何といっても『いまを生きる』が素晴らしかったです。
 ご冥福をお祈りします。

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2009年4月 1日 (水)

『華麗なるギャッツビー』

Greatg ☆1/2 原作以上に退屈。
 フィッツジェラルドの小説は大学生の頃に読みましたが、全然おもしろく感じませんでした。文章の美しさも魅力なのでしょうから、そういう点では翻訳ではよくわからないところもあるのでしょう。しかしプロットとしてはもはや何度も使いまわされている上昇志向ネタで、それをジャック・クレイトンが妙なバランスで演出したせいか、この映画化作品は原作以上に退屈しました。上流社会を描く時には、やはりひと皮むけるとそこは、を描ける繊細さが必要なのでしょう。ロバート・レッドフォードはすこぶる魅力的なのですが、彼の人生を変えるミア・ファーローは女性としての魅力に欠ける上に、狡猾さや残酷さにかけています。まわりの役者陣もどこか的外れなアンサンブルです。

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