『ランボー 最後の戦場』
☆1/2 血と肉が踊る怪作。
前作から20年ぶりの続編。1以外は作品的にみるものが少なかったシリーズ。しかも今回はあまりにも暴力的なシーンが多いというレビューが多く、さあどうするかと思ったのですが、『ロッキー・ザ・ファイナル』のようなケースもありますし、一応みることにしました。これがまあ怪作という表現がふさわしい1本。私はパート1はよくできていたと思います。それは構成がアクションだけでつなぐというソリッドなものという点が、同時に登場人物の性格をも語る構成になっていたことです。アクションがドラマにつながるという点はすごいと思いましたし、ジョンのあの独白は(賛否両論はあると思いますが)胸打たれました。
しかし本作はそういうものがありません。スタローンの姿勢はかってあげたいところがあります。これだけ世の中でリアリズムを追求した映像があふれている以上、映画としてこういう表現をめざすことには致し方ない部分もあります。しかし妙にマンガチックにみえてしまうことも事実で、戦闘マシーンとしてのランボーの悲哀は浮かび上がってきませんでした。たとえそれが巻き込まれ型の動機でも共感は持てず、また2と3でみせた笑うしかないドラマが負の遺産となっていることも否めません。さらに『ロッキー・ザ・ファイナル』が奇跡のようにスタローンの人生とだぶった魅力もここではよい影響とはなっていません。
アクションとしてもドラマとしても魅力に欠け、かといって新しい要素もない作品でした。
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