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2009年1月31日 (土)

『ナッシング』

Nothing ☆ 作品の存在自体を消したい。
 今日書き記す文章は一種の警告文です。あの『キューブ』のビンチェンゾ・ナタリの新作ですから、期待している方もいるでしょう。私もそうでした。あらすじもなかなかおもしろそう。映像的にも斬新な物をみせてもらえそうだと、あまり予備知識は入れずに。そんな私がバカでした。この作品自体をnothingにしたい!、そんな欲求を爆発させたい衝動に駆られます。出来損ないのコントのような映像のオンパレード。少なくともあんなラストをみるために90分(これが110分以上だったら間違いなく暴れてた)近くつきあったのかと思うと、この監督に憎しみさえ覚えます。
 私は充分警告しました。それでもみたいかたはどうぞ。

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2009年1月30日 (金)

『時計 Adiue I 'Hiver』

Tokei_2 ☆ 倉本聰の怨念。
 「ひどい映画だ」と聞いてはいましたが、確かにこれほど後味が悪い映画も珍しいかもしれません。私は倉本聰にそれほど思い入れがありません。「北の国から」はむしろ嫌いなドラマですし、この人と山田太一の作品は市井の人々を見つめていることをアピールしながら、その設定の端々に上から目線を感じてしまうのです。そういう部分がこの作品にもわんさか。ステレオタイプな役柄がごろごろ、陣内孝則のオカマ役の悪意すら感じるいい加減な演技、永島敏行の映画監督役などには倉本聰の怨念のようなものしか感じません。そもそもこの作品、中島朋子がスケートに取り組む様子をセミドキュメントで追っていこうという話になったものの予想以上に上達せず、挫折する物語に変わったという代物。にもかかわらず、かわいそうなのは中島朋子であるという認識すら欠けています。金子由香利を主題歌に使ったこと以外、何の価値もありません。

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2009年1月29日 (木)

『ザ・シンプソンズ MOVIE』

Simpson ☆☆1/2 毒も薄味に?
 このアニメーションをはテレビでちらちらとみたことはありました。しかしちゃんとした形でみるのは初めてかもしれません。なるほど、『サウスパーク』よりはまだ口当たりはよいものの、アル・ゴアからシュワ知事などのちょっとしたオチョクリも楽しく、少なくとも子ども向けどころか、それなりの知性を求められる大人向けの作品でした。ではおもしろかったか?と聞かれると正直微妙でした。シンプソンズのバックグラウンドを知っている人の方がきっと楽しめたであろうという意味の他に、やはりこういう作品を長編にする意味はあったのだろうかという疑問はぬぐえません。普通テレビものの映画化は大味になることが多いのですが、これはそこまで目も当てられない状況にはなっていませんでした。それでもオープニングで言い切ってしまっていますが、この作品を長編にすることで、いつもの毒は薄味になっているような気がしてならないのです。
 なお私は最初に吹き替え版でみて、そのあと字幕版でみましたが、これや『er緊急救命室』は原語の方に違和感を感じてしまいます。とりあえずwowowはオリジナルメンバーでのオンエアを実現しました。スバラシイ! あの出来事はいったい何だったのでしょう?

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2009年1月28日 (水)

2008オスカーのノミネーション&私の予想

オスカーのノミネーションが発表されました。個人的なポイントですが・・・
・作品賞に『ウォーリー』がない!(残念!) これでアニメもとらんかったら大暴れじゃ!
・頼むからヒース・レジャーにあげてくれ。(いや、ロバート・ダウニーJr.にもあげたい気はするのだが・・・)
・『ダークナイト』が作曲賞にノミネーションされてない(もめたせいか?)
・視覚効果賞がバラバラな方向性の3作品になったのは注目。(これで『ベンジャミン・バトン』だったらもっと素晴らしいが、『アイアンマン』にもとってほしい)
・やった! 主題歌賞にスプリングスティーンがいない! ピーター・ガブリエルにぜひ。
というわけで記号は私の予想、◎が本命、○が対抗です。

【作品賞】
○『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
 『フロスト×ニクソン』
 『ミルク』
 『愛を読むひと』
◎『スラムドッグ$ミリオネア』

【主演男優賞】
 リチャード・ジェンキンス "The Visitor"
 フランク・ランジェラ『フロスト×ニクソン』
○ショーン・ペン『ミルク』
 ブラッド・ピット『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
◎ミッキー・ローク『ザ・レスラー』

【主演女優賞】
○アン・ハサウェイ『レイチェルの結婚』
 アンジェリーナ・ジョリー『チェンジリング』
 メリッサ・レオ "Frozen River"
 メリル・ストリープ『ダウト ~あるカトリック学校で~』
◎ケイト・ウィンスレット『愛を読むひと』

【助演男優賞】
○ジョシュ・ブローリン『ミルク』
 ロバート・ダウニー・Jr『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
 フィリップ・シーモア・ホフマン『ダウト ~あるカトリック学校で~』
◎ヒース・レジャー『ダークナイト』
 マイケル・シャノン『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』

【助演女優賞】
 エイミー・アダムス『ダウト ~あるカトリック学校で~』
◎ペネロペ・クルス『それでも恋するバルセロナ』
 ヴィオラ・デイヴィス『ダウト ~あるカトリック学校で~』
 タラジ・P・ヘンソン『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
○マリサ・トメイ『ザ・レスラー』

【監督賞】
 デビッド・フィンチャー『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
 ロン・ハワード『フロスト×ニクソン』
 ガス・ヴァン・サント『ミルク』
 スティーヴン・ダルドリー『愛を読むひと』
◎ダニー・ボイル『スラムドッグ$ミリオネア』

【オリジナル脚本賞】
"Frozen River"
マイク・リー『ハッピー・ゴー・ラッキー』
"In Bruges"
ダスティン・ブラック『ミルク』
アンドリュー・スタントン&ジム・リアドン『ウォーリー』

【脚色賞】
エリック・ロス『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
ジョン・パトリック・シャンリー『ダウト ~あるカトリック学校で~』
ピーター・モーガン『フロスト×ニクソン』
デビッド・ヘア『愛を読むひと』
サイモン・ボーフォイ『スラムドッグ$ミリオネア』

【撮影賞】
トム・スターン『チェンジリング』
クラウディオ・ミランダ『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
ウォーリー・フィスター『ダークナイト』
クリス・メンジェス&ロジャー・ディーキンス『愛を読むひと』
アンソニー・マントル『スラムドッグ$ミリオネア』

【作曲賞】
アレクサンドル・デスプラ『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
エドゥアルド・セラ『ディファイアンス』
ダニー・エルフマン『ミルク』
A・R・ラーマン『スラムドッグ$ミリオネア』
トーマス・ニューマン『ウォーリー』

【歌曲賞】
"Down to Earth"『ウォーリー』
"Jai Ho"『スラムドッグ$ミリオネア』
"O Saya"『スラムドッグ$ミリオネア』

【編集賞】
『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
『ダークナイト』
『フロスト×ニクソン』
『ミルク』
『スラムドッグ$ミリオネア』

【美術賞】
『チェンジリング』
『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
『ダークナイト』
『ある公爵夫人の生涯』
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』

【衣装デザイン賞】
『オーストラリア』
『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
『ある公爵夫人の生涯』
『ミルク』
『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』

【メイクアップ賞】
『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
『ダークナイト』
『ヘルボーイ/ゴールデン・アーミー』

【録音賞】
『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
『ダークナイト』
『スラムドッグ$ミリオネア』
『ウォーリー』
『ウォンテッド』

【音響編集賞】
『ダークナイト』
『アイアンマン』
『スラムドッグ$ミリオネア』
『ウォーリー』
『ウォンテッド』

【視覚効果賞】
『ベンジャミン・バトン数奇な人生』
『ダークナイト』
『アイアンマン』

【長編アニメ賞】
『ボルト』
『カンフー・パンダ』
『ウォーリー』

【短編アニメ賞】
『つみきのいえ』
"Lavatory - Lovestory"
"Oktapodi"
『マジシャン・プレスト』
"This Way Up"

【外国映画賞】
"The Baader Meinhof Complex"
"The Class』
『おくりびと』
"Revanche"
『バシールとワルツを』

【長編ドキュメンタリー賞】
"The Betrayal (Nerakhoon)"
"Encounters at the End of the World"
"The Garden"
"Man on Wire"
"Trouble the Water"

【短編ドキュメンタリー賞】
"The Conscience of Nhem En"
"The Final Inch"
"Smile Pinki"
"The Witness - From the Balcony of Room 306"

【実写短編賞】
"Auf der Strecke (On the Line)"
"Manon on the Asphalt"』
"New Boy"
"The Pig"
"Spielzeugland (Toyland)』

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2009年1月27日 (火)

『黄金』

Sierra ☆☆☆ クラシックの名にふさわしい。
 ジョン・ヒューストンのフィルモグラフィで私がみているのはどちらかというと「うわあ、ひでぇ」な方ばかりでして、これはまぎれもない名作でしょう。まずキャラクターの描き方が抜群にうまい。ちょっとしたエピソードにその人物の心根が反映されており、それがシンプルなドラマの中にも観客の想像する余地を残しています。ハンフリー・ボガードの役を人間的な弱みを持った小悪党にしたのもさすがで、ジョンの父親、ウォルターが演じる人物は鮮やかに場をさらいます。テッド・マッコードの白黒撮影も見事で、クラシックの名にふさわしい秀作です。

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2009年1月26日 (月)

『プレステージ』

Prestige ☆☆☆ 語り口がキモであるが、ドラマをおろそかにしない。
 クリストファー・ノーランといえば昨年の『ダークナイト』ですが、実はそれまで作家性があるタイプなのかどうか判断に悩んでいました。しかしこの『プレステージ』がきたことではっきりとわかりました。この人にははっきりと描きたいビジョンがある人です。(なおここからは物語の核心に思い切り踏み込まざるを得ないので、ネタバレしまくりです。)
 奇術師同士の確執を描いた本作は『メメント』と同様、語り口のキモは「時制」にあり、「時制」がこの映画のトリックだといえます。「メメント」が普通に語ってしまうと魅力が半減するように、この作品も時系列を複雑に並べたこと(しかも相対する鏡のように、より緻密に)で、「自分」という存在は何なのかというテーマをきっちりとあぶり出すことに成功しています。ゆえに物語の謎解きだけを楽しもうとすると最後のオチは反則のように感じられるでしょう。しかしこの作品の本質は偏執的なまでにお互いを憎悪しつつも気になる存在であった2人の奇術師の姿にあります。ノーランはそんな人生を過ごした2人の奇術師の姿をまるでコインの表裏のように描くことでドラマをつくりだしました。このあたりは『バットマン』シリーズにも通じる部分です。双子の兄弟だというオチも、分身術が可能になっていたというオチも 結局「人を騙す」ために一線を越えているという意味では何ら違いはないのです(「バットマン」のクリスチャン・ベールが主人公のひとりを演じている点も、その色を濃くしています)。ゆえにこのオチの片方が非現実的だとするのはナンセンスです。わざわざニコラ・テスラ(日本人は知っているのだろうか、この人のこと)をデビッド・ボウイにまで演じさせた努力だけで私はOKです。主役2人の存在感は見事、またマイケル・ケインの重みも風格充分です。特筆すべきは美術と撮影で、特にウォーリー・フィスターの映像設計は何かあると観客に思わせる効果を出していました。すでに観客の中でクリスチャン・ベールの方のネタは見破った人も多かったと思いますが、その思わせぶりな部分は多分にその視覚的な効果があったと思います。またノーランで感心するのは映像と編集でごまかしをしない人だということ。ガチャガチャとしたカッティングで観客の視覚を疲弊させず、観客の想像力を刺激しようとする姿勢は評価したいと思います。
 マジックはネタを知ることよりもその見せ方を楽しむ。このノーラン監督はそこを理解した人で本質を語ろうとする監督だということがよくわかる作品でした。

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2009年1月25日 (日)

『伊豆の踊子』(1974)

Izuno ☆☆1/2 丁寧な仕事ぶりのプログラムピクチャー。
 百友なんて今の若い世代は知らないでしょうじゃ。別にリアルタイムの私も全然はまった人じゃないのですが。というかこの2人の映画は今後は映画史的には三浦友和の若き日の出演作と記憶されるのかもしれません。私自身もみたのは『霧の旗』(併映の『惑星大戦争』めあて)のみ。で、録画テストもかねてこれをみました。
 川端康成原作のこの小説はなんと6度映画化されており、これが今のところ最も新しい映画。監督の西河克己は2度目の同作担当になります。90分を切る尺で、なおかつアイドル映画というフォーマットをきちんと守っているにもかかわらず、ロケーション、セット撮影などに丁寧な仕事ぶりがうかがわれます。また脇役陣が素晴らしく、特に中山仁、一の宮 あつ子の存在感はぐっと物語を締めています。山口百恵はこの時点では可もなく不可もなくではないかと思いますが、三浦友和はやはり素晴らしい才能の片鱗を感じさせます。この真っ白なキャンバスのような彼をスターにできなかった罪は大きいですね。でも今ではそれが糧となっているのでしょう。こういうプログラムピクチャーが成立した時代の豊かさを感じると共に、アイドルという時代が遠い過去であることを感じます。

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2009年1月24日 (土)

『転校生 さよなら あなた』

Tenkous ☆☆☆ 大林宣彦は現役だ。
 久しぶりにみた大林作品(ひょっとして『理由』以来かな?)。何しろあの名作『転校生』のセルフリメイク。もうこれだけで不安は山積みです。それでも何か勢いでみてしまいました。これがまたビックリなできばえ。少なくとも毛嫌いしてみなかったりするのはもったいないですし、ましてや大林監督の志はきちんと向き合う価値のあるものでした。
 前回の映画化との単純な比較は野暮ですが、しかしその違いに大いなる映画的挑戦をみつけることができたのも事実です。この作品自身が人間の入れ替わりを描いているゆえかどうかはわかりませんが、この映画には『転校生』を中心に過去の大林作品の匂いがうまく作用しており、一言で言えばこの物語が初見の観客にも、そして前作をみている人にもなぜそこを変えたのだろうという?までを映画的カタルシスにしようとしているといえばよいでしょうか。とある批評が前半『転校生』、後半『ふたり』とはよくいったもので、少なくとも『転校生』の匂いがそのまま残っているのは前半まで。ところがこれが入れ替わった一美の余命がわずかだとわかってから物語は急転。大林作品らしいリリカルさと、少なくとも予定調和で終わろうとしない気概が混沌とした状況でまじりあい、とても味のある空気を醸し出しています。特に病室でのお見舞いから劇団一座と一緒になり、旅館の件まではぐっとくる瞬間です。少なくとも泣かせの道具でしかない昨今の邦画とは一線を画し、このあたりはきちんとした映画になっていることをきちんと評価したいと思います。引っ越しのシーンをクライマックスとし、小林聡美がキュートにみえるというマジックを披露した前作のクライマックスとは違い、今回は男の子の側から少年時代との決別にしたラストも私は納得しました。
 主役2人は小林&尾美ほどの強烈な印象はないものの、蓮佛美沙子の方には最近の女優さんにはない輝きを感じます。また相変わらずのキャスティングには素晴らしい発見をさせられます(両者の家族のキャストはみんないいです)。ただ相変わらずの細かい大林テクにはいらいらさせられるのも事実で、画面斜めや編集は気にならないとしても、人を食ったようなモンタージュやテロップ、そして時に出てくるやり過ぎ感には興ざめです。
 それでもこの作品には強烈な作家性と、簡単には忘れられない情感がこめられています。そして大林宣彦が現在も真摯に作品と向き合っている現役の映画作家であることを示しています。

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2009年1月23日 (金)

『SF/ボディ・スナッチャー』

Inbos ☆☆ 作風は今風でも表現主義が鼻につく。
 というわけで『インベーション』の前に、ジャック・フィニイの「盗まれた街」『ライト・スタフ』のフィリップ・カウフマンによって映画化されていた本作を。小学生の頃にテレビ番組の洋画紹介コーナーでこの映画がとりあげられていて、人面犬のシーンがとにかく強烈な印象となって残りました。
 で、内容の方なのですが、やや肩透かしの感がありました。というのももう少し心理サスペンス的なものを期待していたら、むしろ今の感覚に近く、映像的な見せ場でつなげていく作風だったのです。映像設計もどこか表現主義的なデフォルメがなされており、このあたりは好みが分かれるところでしょう。キャストはSF映画好きには豪華に感じる顔ぶれですが、もうひとつしまりがありません。ドナルド・サザーランドはさすがの存在感です。でも彼のフィルモグラフィからすればまだまだでしょう。人面犬のシーンはほんのわずかだったんですね。でもやはり「!」と思ってしまいました。

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2009年1月22日 (木)

アクトビラを試す

 で、前日試したアクトビラ。今まで全然オンデマンドシステムには興味がありませんでした。理由としてパッケージやWOWOWなどのエアチェックの代替になる要素がなかったからなのです。ところが今回のアクトビラ、いくつか気になったポイントがあります。ひとつはテレビやレコーダーで楽しめるようになったこと(パソコンでのオンデマンドには今でもまったく興味がありません。パソコンモニタで長時間にらめっこという状況は映画鑑賞とはほど遠いスタイルだと個人的には考えています)。もうひとつはHD映像が楽しめるようになったこと。中には2008年末現在でブルーレイ版のレンタルがない作品でもHD映像があるものがあり(残念なことに音声は2chのものばかりでこれは今後の課題にしてください。)、ここは要チェックだと思います。
 使用した感想としてはまあ悪くはないといったところでしょうか。もう少し値段がこなれてくればという気はします。ただコンテンツの数が少なすぎて、無料でもらったポイントがなくなったら、まず自分から使うことはないでしょう。これだったらTSUTAYAの宅配レンタルサービスDISCASの方でブルーレイをかりるか、WOWOWのオンエアまで待ちます。ネットワークのインフラも比べものにならないぐらい整ってきたわけで、あとはコンテンツさえ揃えばと言う気はしますが、それでも地上波並に使いやすいとはまだまだ言えないようです。

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2009年1月21日 (水)

BD: The Deer Hunter 仏盤の謎に挑む!

 というわけで以前書いたBD: The Deer Hunter (FR)の謎に挑みます。

その前に。

 

昔からPALマスターに悩まされた人は多いでしょう。小難しい説明は省きますが、要はヨーロッパと日米ではテレビのシステムが違い、ヨーロッパでマスターを作られると早回しの状態になるのです。特にカットされるわけではないのに2時間物でいうとだいたい4、5分短くなる計算。つまり120分の作品が115分になり、これが正規版として発売されてるのがヨーロッパなわけです。日本ですとユニバーサルと東北新社が権利を持っている物に多く、特にオープニングにスタジオカナルと出てきた日にゃあ要注意です。
 で、この『ディア・ハンター』もその1本。一番最初にリリースされたのはパイオニアLDCのはきちんとNTSCマスターで作られた収録時間183分のもの。次に出たのがユニバーサルからリリースされたリマスター盤。でもこれがPALマスターからのもので収録時間は175分。そしてもっとも最近出たのがユニバーサルからの30周年記念エディションだが、これもまたPALマスター。我が家にあるのは最初のLDC版と米国盤(バージョン的にはユニバーサルからのリマスター版に近いが、当然のごとくちゃんとした183分版。)そのぐらいとおっしゃるなかれ。これは私には大問題なのです。特にサントラで聞き込んでいる作品(この『ディア・ハンター』もスタンリー・マイヤーズの名曲「カバティナ」があります)の場合、サントラは当然早回しになどなりませんから、オリジナル通り。この音程の違いはいかんともしがたいのです。
 しかーし。実はブルーレイのようなHD映像は世界共通のコーデック(走査線やコマ/秒は一緒ですもん。NTSCとPALの場合、それが違うのでやっかいだったのだ)、NTSCとかPALとかのテレビ方式は無関係。ついに欧州版も普通に楽しめるのか!(といってもリージョンコードが今度はひっかるようになったのですが)と喜んでいたのですが、その記念すべき初購入の仏版BDでやられちまったのです。このディスクはリージョンはA&B(ブルーレイの場合、日米はAで、欧州はB)でなんと日本語字幕が入っているとのこと。収録時間は183分。これはと思い購入。たしかに収録されていましたし、時間は183分だった・・・が。音のピッチが高いのです。
 考えられるのは183分収録されている(機器での表示も183分)ハズなのに実際は183分ではないということ。まず単純な同時再生からスタートしました。するとタイムカウンターがずれはじめました。1時間ほど再生して4秒ほど。でもこれは予想していたよりはずっとズレが小さい。その上、予想外なことになぜか音と映像のズレがうまれないのです。もし単純なずれであるならばずれてくるはずです。しかしいつまでたってもズレはうまれないのです。すると考えられるのはPALマスター素材を183分に引き延ばして収録している可能性。つまりスタジオカナルの手元にはPALマスターしか素材がなくて、それを元の時間にするために無理矢理のばしておさめているということ。ただ映像はかなりきれいなので、映像は新たにテレシネを行い、音声のみはPAL用のシネテープから素材を起こしたとか・・・。ああ、もうわけがわからん! というわけで事情をご存じの方、ぜひぜひぜひぜひ!

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2009年1月20日 (火)

『パンズ・ラビリンス』

Pansla ☆☆1/2 ぴんとこない。
 大絶賛の嵐だったギレルモ・デル・トロ監督作品。私とはあまり相性がよくありません。『デビルズ・バックボーン』もダメだったのです。そしてこの作品も世評ほどよいとは思えませんでした。スペイン内戦を再び背景にしていますが、この部分がどうしても感覚としてわからない。もちろん知識として知ってはいるのだけれど、ここがいかに過酷だったといわれても、うまく自分で理解できていないと思います。また醜悪さと美しさが同居しつつ、現実の過酷さと、そこから空想に逃避する少女の姿には私にはぴんとこないのです(過去の作品でいえば『ミツバチのささやき』がそうだった)。個人的にファンタジーは本来土着性が強いものだと考えているゆえに、私はどうしてもそういう部分での評価が辛くなるのかもしれません。ただラストシーンの逆説的な美しさとそのデザイン感覚は素晴らしいと思いました。

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2009年1月19日 (月)

訃報:パトリック・マクグーハン

 俳優のパトリック・マクグーハン氏が1/13ロサンゼルスで死去しました。享年80才。死因は明らかにされていません。
 1923年米ニューヨーク生まれ。1950年代半ばから、舞台出演の傍らテレビドラマに出演するようになり、1955年には端役でスクリーン・デビュー。1967年のTVシリーズで、製作、監督、脚本も務めた意欲作『プリズナーNo.6』で高い評価を得ます。また『刑事コロンボ』シリーズの『祝砲の挽歌』で厳格な士官学校校長を演じ、エミー賞コメディ・ドラマ部門の最優秀助演賞を受賞した。この共演がピーター・フォークと親交を結ぶきっかけとなり、その後もコロンボシリーズには5作で出演しています。ピーター・フォークとは互いに信頼し合える親友で、マクグーハンの自伝にはフォークが序文を寄せています。映画では『北極の基地 潜航大作戦』『大陸横断超特急』『アルカトラズからの脱出』『ブレイブハート』『評決のとき』など。また出演を断った方のエピソードがたくさんあることでも有名で、知られるだけでも『007』シリーズのジェームズ・ボンド、『ロード・オブ・ザ・リング』のガンダルフ、『ハリー・ポッター』シリーズのダンブルドア役とネームバリューのある役どころを断っています。
 実は『プリズナーNo.6』を録画したまま、まだ未見の私。やはり腰を落ち着けてみなくてはいけませんね。私は何といっても『祝砲の挽歌』の校長と、『スキャナーズ』の博士が印象深いです。特に後者はいかにも彼らしい繊細さとリアリティを映画に持ち込んでいたと思います。
 ご冥福をお祈りします。

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2009年1月18日 (日)

映画芸術2008年日本映画ベストテン&ワーストテン

 「映画芸術」誌の2008年日本映画ベストテン&ワーストテン。いかにもらしくて大受けしました。
1位:ノン子36歳(家事手伝い)
2位:実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
3位:接吻
4位:トウキョウソナタ
5位:人のセックスを笑うな
5位:PASSION
7位:闇の子供たち
8位:カメレオン
9位:石内尋常高等小学校 花は散れども
10位:きみの友だち

ワーストテン
1位:おくりびと
2位:少林少女
3位:ザ・マジックアワー
3位:私は貝になりたい
5位:トウキョウソナタ
6位:アキレスと亀
6位:七夜待
8位:歩いても 歩いても
8位:クライマーズ・ハイ
10位:実録・連合赤軍 あさま山荘への道程

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2009年1月17日 (土)

ジョニー・キャッシュの"Hurt"

 BSで『ウォーク・ザ・ライン』をやっていました。ジョニー・キャッシュを描いたこの作品で、彼を知った人も多いでしょう。私はお話ししているとおり、U2の大ファン。そのU2のアルバム"Zooropa"の最後を飾る曲"The Wonderer"がキャッシュとの出会いでした。なんとこの曲でボーカルとして参加したのです。ボノではなく、いきなりあの声が聞こえてきたのですから驚きました。そして2度と忘れられない声ですから衝撃的でした。カントリーミュージックはどうしても敷居が高かったのですが、その生き様をあとで知識としてかじって、すごい人なんだということを知りました。
 その後、私は生涯出会った中でももっっと素晴らしいビデオクリップと出会います。それがマーク・ロマネックが監督した"Hurt"でした。この曲が収録されている"American IV: The Man Comes Around"は、鬼才リック・ルービンプロデュースのもと、5枚まで作られたアコースティックアルバムで、その4番目。中にはイーグルスの「ならず者」やサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」、ビートルズの「イン・マイ・ライフ」などのまあ、わかるねというものから、デペッシュ・モードの「パーソナル・ジーザス」のように「そんな曲をやるの!」というものまで(いやいや、そんなことで驚いてはいけません。なにしろ2や3ではベックやサウンド・ガーデンの曲までカバーしている)なのですが、"Hurt"はなんとナイン・インチ・ネイルズのカバーです。当時70才をすぎてですよ。正直ナイン・インチ・ネイルズのオリジナル曲はピンと来ませんでしたが(あっ、クリップは個性的でおもしろいです)、カバーの方のクリップは凄かった! 心が震えました。キャッシュがこの年齢でこの曲をあの声(年齢なりの衰えがまた重い)で歌う上に、あの映像。もうすべてが完璧です。

I hurt myself today
To see if I still feel
I focus on the pain
The only thing that's real
The needle tears a hole
The old familiar sting
Try to kill it all away
But I remember everything
What have I become?
My sweetest friend
Everyone I know
Goes away in the end
You could have it all
My empire of dirt
I will let you down
I will make you hurt

今日、私は自分を傷つける、
私がまだ感じるかどうか確かめるために。
私は痛みに集中する、
それが唯一の現実。
針が傷を引き裂く、
ずっとひきずってきたその傷。
すべてを消し去ってしまいたい、
けれど私はすべて思い出すのだ。

私は何者になったというのだ、
愛すべき友よ。
私の知っている人はすべて、
結局立ち去ってしまったではないか。
おまえはすべてを手に入れることができた、
私の土の帝国を。
私はあなたを失望させるだろう。
私はあなたを傷つけるだろう。
(訳じんけし)


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2009年1月16日 (金)

『アンドロメダ・・・』

Andro ☆☆1/2 ロバート・ワイズの限界。
 無料体験のおかげでHDで楽しめることができました。マイケル・クライトンの原作をロバート・ワイズが映画化したこの作品は、いかにもクライトンらしい科学的ディテールの積み重ねがハッタリとしてよく効いており、この当時にしては珍しかったハードタッチのSFでした。最近のこの手の作品が、たとえば『アウトブレイク』のように派手なアクションシーンもないと観客にアピールしないと思い込んで作り手がやっている状況を考えると、かえって新鮮な気がします。しかしいくら何でも2時間ちょっとで無事解決というのは、ここまで気合いが入っているのにできすぎじゃないの?と突っ込みたくなるのも事実ですし、絶望的なシチュエーションがもう少しあってもよい気はします。『ヒンデンブルグ』も同傾向の作品で、ロバート・ワイズの職人芸の限界なのかもしれません。
 TVミニシリーズの方が似合っているかもなんて思っていたら、今度トニーとリドリーのスコット兄弟がプロデュースしたものがあるそうで。

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2009年1月15日 (木)

訃報:リカルド・モンタルバン

 俳優のリカルド・モンタルバンさんが1/14にロサンゼルス市内の自宅で死去しました。享年88歳。死因は明らかにされていません。
 1920年メキシコのメキシコ市出身。1941年、メキシコで映画俳優としてプロデビュー。13本のスペイン語映画に出演した後、「闘牛の女王」(1947)でハリウッドデビュー。これが当たり役となりました。『サヨナラ』(1957)ではなんと歌舞伎役者も演じています。アメリカではクライスラー社のテレビCMには長年出演を続けたこと、そしてTVドラマ"Fantasy Island"でも有名です。
 何といっても『スタートレック』の優生人類のリーダー、カーンが印象的でしょう。それに『裸の銃を持つ男』の悪役も茶目っ気たっぷりに演じていました。晩年車イス生活を余儀なくされた中で、ロバート・ロドリゲスがファミリーのおじいちゃんとして登場させたのは、心温まる話でした。彼がヒスパニック系の映画人からいかに愛されていたかもよくわかる出来事です。
 ご冥福をお祈りします。

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2009年1月14日 (水)

『クローバーフィールド』

Clover ☆☆☆1/2 新時代の怪獣映画。 
 この作品はまだDVDのみでブルーレイでのレンタルはないのです。ところがアクトビラではHD映像で視聴できる。たまたま今回、BDレコーダー購入時にアクトビラで利用できるお試しサービスポイントをもらえたので、ためしに視聴しました。アクトビラについてはまた後日。
 さて作品についてですが、まずはこの作品の主観映像について。全編ハンディカメラによる主観映像が賛否両論のようですが、観客の主観とはなんてテーマで論文を書くならともかく、そこで論ずるのは間違っています。そんな映像で構成された作品はたくさんありますし、そもそも手ぶれ映像でリアリティを出すなんて初歩的なテク。重要なことはむしろそれがこの作品の語り方にあっていたかどうか。
 現在の怪獣映画やパニック映画のリアリティは物語的なカタルシスより、人や街の混乱ぶりにあります。このあたりの感覚はスピルバーグの『宇宙戦争』に近く、かつての『ゴジラ』や『キングコング』のようなエピックとは方向性が違うのです。その点でもこの作品は現代的であり、怪獣映画の進化形といえます。そういった意味で主観映像での構成は凡百の怪獣映画と一線を画した意味で、素晴らしい効果をあげたと言えます。何より怖い。テーマパークのライド感覚はありながら、エメリッヒ版『ゴジラ』のようなバカバカしさがなく、主観映像でおしきったことで、平成版『ガメラ』にあった、リアリティをうみだすための妙な小難しさもありません。デジタルエフェクツも素晴らしく、タイトな編集ぶりといい、一気にラストまでみせるのは構成をきちんと練った結果でしょう。ただ難しいのはこの手の手法がたびたび通じるわけではなく、あくまでも奇手であること。(そういう意味では正々堂々とした怪獣映画をみたい気もします。) この奇手をどう正攻法につなげるか楽しみです。

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2009年1月13日 (火)

『タラデガ・ナイト オーバルの狼』

Tarate ☆☆1/2 わりときちんと。
 ウィリ・フェレルの主演作がこうしてビデオスルーになるのは何本目でしょうか。これも一応週間興収ランクのトップになったことのある作品です。監督が『俺たちニュースキャスター』の人なので、あそこまで緩いのはなあと思っていたのですが、わりときちんと作ってありました。
 あっちとの大きな違いは脇役のキャラクターの立たせ方。特にサシャ・バロン・コーエン演じるフランス人ドライバーとジョン・C・ライリー演じるセカンドドライバーには大笑い。ジョン・C・ライリーっていい役者さんですよね。(その上、実は歌がものすごくうまい!) ウィル・フェレルのクセをきちんと受け止める度量のある人たちがいたことで、作品のバランスがものすごくよくなりました。細かいくすぐりもたくさんあり、日本人でも楽しめる内容になっているのではと思います。またNASCARを舞台にしているのですが、びっくりだったのはちゃんとその部分を手抜きせずに描いていること。デジタルエフェクツとかビックリです。
 さてウィル・フェレルは再びライリーと義兄弟になるという作品を昨夏全米でヒットさせました。どうなるのでしょうか・・・なんてかいていたら『俺たちステップブラザース〈義兄弟〉』というタイトルでビデオスルー決定・・・(涙)。

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2009年1月12日 (月)

第66回ゴールデングローブ賞

 第66回ゴールデングローブ賞の結果。ヒース・レジャーがの助演男優賞は、いよいよオスカー故人受賞の可能性がでてきたのではないでしょうか。注目は女優賞のケイト・ウィンスレット。主演と助演のW制覇。これはかえって逆にオスカーでは悪影響な気がします。映画部門の受賞結果は以下の通り。(D=ドラマC/M=コメディ/ミュージカル)
※ノミネーションリストはこちら

【作品賞D】『スラムドッグ・ミリオネア』
【作品賞C/M】『ヴィッキー・クリスティーナ・バルセロナ』
【監督賞】ダニー・ボイル『スラムドッグ・ミリオネア』
【脚本賞】サイモン・ビューフォイ『スラムドッグ・ミリオネア』
【主演男優賞D】ミッキー・ローク『ザ・レスラー』
【主演男優賞C/M】コリン・ファレル"In Bruges"
【主演女優賞D】ケイト・ウィンスレット『レボリューショナリー・ロード/燃え尽きるまで』
【主演女優賞C/M】サリー・ホーキンス"Happy-Go-Lucky"
【助演男優賞】ヒース・レジャー『ダークナイト』
【助演女優賞】ケイト・ウィンスレット『愛を読む人』
【アニメ作品賞】『ウォーリー』
【外国語映画賞】『バシールとワルツを』
【音楽賞】『スラムドッグ・ミリオネア』
【歌曲賞】“The Wrestler”ブルース・スプリングスティーン『ザ・レスラー』

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2009年1月11日 (日)

とりあえずこのまま

(10日から続く)
 まずこの無料体験。オプションチャンネルまで全部見られました! なのでスターチャンネルも初体験。確かに転送レートの違いはあるようですが、ここまできれいならば問題なしでしょう。おかげで『アンドロメダ・・・』などをHDで楽しめました。ただやはりネックは値段。いくらHDチャンネルとはいえ、\2000強はやや考えものです。というのもかなりのタイトルがWOWOWとだぶるのです。さらにいくら旧作があるとはいえ、正直そこまでの魅力は感じていないのもまた事実。ここはどちらのサービスで受信しても、オプションなので値段は同じ。最初はこのチャンネルだけでもと思っていたのですが、もう少し様子見かもしれません。とりあえずスカパーe2とイッツコムとのチャンネルの違いはそれほどありません。映画系では2つのみ。ここはどちらも甲乙つけがたいです。しかしやはりアンテナの初期投資はでかいですねぇ。2011年まではこの環境でいこうかと思っています。

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2009年1月10日 (土)

スカパーe2の16日間無料キャンペーン

 新しいレコーダーを購入したのをキッカケに受信環境をみなおしています。まずはせっかくなのでイッツコムの契約をアルファエースへ。これでCS系のHDチャンネルが増えました。それからもうひとつはそのCS系チャンネルをどうするか。というのも我が家は現在アンテナはBS/CSアンテナしか立てておらず、それ以外はイッツコムで受信しています。そして基本的にはBSのチャンネルのみアンテナ経由で視聴し、あとはすべてイッツコムで視聴しています。(イッツコムは地上波アナログ/デジタル共にパススルー)。なぜこうしているかには理由があります。まずひとつめはアンテナを立てる必要性を感じなかったこと(これはあとでちょっとしたしっぺ返しにもあうのですが)。2つめは受信状況が安定していること。3つ目は我が家で最も録画機会の多いWOWOWがSTB経由での録画が面倒で、その上他のチャンネルと視聴が重なることが多かったからです。ところが今度購入したDMR-BW830はダブルチューナーなので1台のレコーダーでも十分対応できます。むしろ逆にSTBからの録画がiLink経由ではDMR-BW830が動作中に録画ができないのです。実は今回1台だけRec-potを処分しなかったのはそれが理由で、STBからの録画は1度Rec-potにして、ディスクにムーブしたいときにだけ、DMR-BW830経由で対応しています。
 なので今回思い切ってスカパーも検討対象に加えてみました。スカパーならば現状のアンテナでも受信可能。ダブルチューナーも役立ちます。しかしスカパーにすると、新たに地上波用のアンテナを立てなければならず、それはそれで初期費用がかかるのです。そもそもアンテナを立てるのがいやだというのもあります。そこでせっかく年末年始の休みということもあり、スカパーe2の16日間無料キャンペーンを利用してみました。(以下続く)

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2009年1月 9日 (金)

『地球最後の男 オメガマン』

Omega ☆1/2 ヘストンでダメ。
 新春2発目がこれだもんなあ。『アイ・アム・レジェンド』と同じリチャード・マシスン原作の2度目の映画化。オープニングのビジュアルとかは凄いのですが、もうチャールトン・ヘストンが画面に映った時点でなんかダメ。そして安っぽい音楽でゲンナリでした。人種問題を絡めたようなつながりもこじつけがましく、これなら3度目の方がみどころありだと感じました。ここまできたら最初の映画化もみてみたいところです。

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2009年1月 8日 (木)

2008年度キネマ旬報ベスト・テン

2008年度第82回キネマ旬報ベスト・テンの結果。
【日本映画】
1『おくりびと』
2『ぐるりのこと。』
3『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』
4『トウキョウソナタ』
5『歩いても 歩いても』
6『闇の子供たち』
7『母べえ』
8『クライマーズ・ハイ』
9『接吻』
10『アフタースクール』

【外国映画】
1『ノーカントリー』
2『ゼア・ウィル・ビー・ブラッド』
3『ダークナイト』
4『イントゥ・ザ・ワイルド』
4『ラスト、コーション』
6『イースタン・プロミス』
7『その土曜日、7時58分』
8『エグザイル/絆』
9『つぐない』
10『チェチェンへ アレクサンドラの旅』

【個人賞】
監督賞:滝田洋二郎『おくりびと』
脚本賞:小山薫堂『おくりびと』
主演男優賞:本木雅弘『おくりびと』
主演女優賞:小泉今日子『トウキョウソナタ』他
助演男優賞:助演男優賞=堺雅人『クライマーズ・ハイ』他
助演女優賞:樹木希林『歩いても 歩いても』
新人男優賞:井之脇海『トウキョウソナタ』
新人女優賞:甘利はるな『コドモのコドモ』
外国映画監督賞:シドニー・ルメット『その土曜日、7時58分』
        ショーン・ペン『イントゥ・ザ・ワイルド』

こうやってみると納得のテンかなあという気がします。

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2009年1月 7日 (水)

T増刊号「ピクサー完全読本」

T  TOHOシネマズの劇場のみで販売されている雑誌「T」。内容は同じでも表紙にバージョン違いがあることでも有名ですが、今まで1度も購入しませんでした。だって高いんだもん。でも今回ピクサー特集ということで買いました。今回は増刊号扱いで値段は\1200。完全読本というほどではないけれど、少なくともピクサーの入門編としては充実した読み物になっています。さらに素晴らしかったのが付録の絵本。これが本当にかわいらしいイラストで感激しました。

と思ったらこちらのブログによると、なんとこれ、アメリカではちゃんとした単品商品だったようです。これで\1200ならまあ納得。ウォーリーファンとピクサーに興味のあるピクサー初心者にはおすすめです。

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2009年1月 6日 (火)

『動物農場』

Animal ☆☆☆ 不気味な世界を不気味に描く志の高さ。
 かつてNHKでオンエアされた「アニメの世界」というドキュメンタリーで、この『動物農場』が紹介されていました。ジョージ・オーウェルの小説はこの後読んだのですが、私の心をとらえたのはその動物の動きと、アニメでこういう原作に挑むという姿勢でした。それから20年近くたって。過去VHSになったことはありますが、ジブリのおかげで本邦劇場初公開、ようやくその全編をみることができました。閑話休題。
 不気味な話をそのまま描いたこの原作は、旧ソ連に対する批判になっていて、正直物語はあまりにも露骨すぎです。製作背景にはCIAも絡んでいたという有名なエピソードがあるぐらいですが、ただ最後にみせた部分(ここは原作と違っている)は映画ならではと言える部分で、権力をめぐる物語へと昇華しています。私はこの終わり方は好きです。またこの作品がすごいのはやはり動物たちの動きや表情です。ディズニーとはまた違うその描き方は、作品世界にもピタッとはまり、素晴らしい効果をあげています。
 子ども向けではありませんが、ぜひぜひその志と技術のの高さを実感してください。
(シネマ・シティ5にて)

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2009年1月 5日 (月)

『ザ・ローリング・ストーンズ シャイン・ア・ライト』

Shinea ☆☆☆ 伝統芸能の域。
 スコッセシとストーンズ。わくわくする才能の組み合わせでうまれたこの作品は、いろいろな点で複雑な心境を抱かせました。
 ストーンズはもはや「我が道をいく」ですね。ミックはミック、キースはキース。新宿コマ劇場のサブちゃんの世界。とっくに興行バンドになっていますから。もはやストーンズという名の伝統芸能のような世界をみせています。ドキュメンタリーの側面としてはとてもバランスが悪いです。ハッとさせるような瞬間と投げやりな瞬間がごちゃ混ぜになっていて、みている観客をたきつけるようなことがありません。それはストーンズの記録という点からも同様で、ハル・アシュビーの『ザ・ローリング・ストーンズ』のようにスタイリッシュな映像で彼らのかっこよさだけを切り取ることはしません。だからといって彼らの老醜までふみこむようなことはなく、これは時には痛快ですが、時には不気味でもありました。ではスコセッシの作品としてみるとどうか。この作品が『ラスト・ワルツ』を上回ったと評価する人は少ないでしょう。スコセッシのすごさは時代の空気をコラージュしてうみだせる点にあり、そういう意味ではこの映画は落第点です。しかしながらそうそうたる撮影監督のサポートをあおいでまとめたロバート・リチャードソンの手腕はたたえておきましょう。
 結論としてストーンズはスコセッシに置いてきぼりをくらわせました。オープニングのセットリストに関するドタバタが象徴しています。そして何より映像作家が年相応で得ていく「枯れ」や「開き直り」と未だに直視できないスコセッシにストーンズは「?」だったのかもしれません。
 蛇足ですがラッキーなことに私はTHX認証の大きなスクリーンでみられました。しかしこの作品、全米ではアイマックスでも上映されています。その点は少し悔しく思います。
(TOHOシネマズ川崎5にて)

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『ラースと、その彼女』

Lars ☆☆☆1/2 善意とコミュニケーションについての寓話。
 正直チラシをみた時にはかなりバカにしていたのですが、どうしてどうして。善意とコミュニケーションについての寓話として素晴らしい出来ばえになっていました。
 この映画にはいくつかの側面があります。シチュエーションとしてはかなりバカらしいと思いますし、そういうクスクスを求めている人にはまったくおもしろくないでしょう。また風刺や皮肉を求めている人にもつまらなく感じると思います。しかしラースの姿に人ごとではないものを感じ、ラースの姿に自分も誰かをこうしてしまっているのかもと思った人には胸迫る気持ちがわき上がってくることでしょう。つまりなぜ周囲はこうまでも善意ある態度で接することができるのか、それは実はウラを返せばその善意がラースを追い詰めたともいえる部分があるからです(これは義姉の行動がとてもわかりやすい)。善意には毒も含まれている、ゆえに時には人と接することは辛いことがある。そんなコミュニケーションの本質をきっちりと描き出しています。クレイグ・ギレスピーの演出は素晴らしく、映像で語るという基本的な語り口がしっかりとできていることが絶大な効果をあげています。ラースの身につけるピンク、女物のようなデザインの下着など細やかなところでハッとさせるのは見事です。
 そして何よりラースを演じるライアン・ゴスリングの演技が素晴らしく、その神経症的な部分と純粋無垢な部分、そしてそれが抑圧された状況から顔をのぞかせるような部分を絶妙なさじ加減でみせてくれます。また脇を固める人々の演技もそれぞれに味があります。
 観客の知的好奇心とエモーショナルな側面を同時に刺激してくれる秀作です。
(チネチッタ・チネ1にて)

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2009年1月 4日 (日)

三鷹の森ジブリ美術館

Image0061  今日は家族で一緒に三鷹の森ジブリ美術館に出かけました。ロケーションとしては井の頭公園にあり、個人的には吉祥寺という感じがする位置です。実際には三鷹、吉祥寺、ともに駅からは同じぐらいでしょうか。で、くせ者なのがここはパッと行って入れる場所ではなく、ローソンで入場時間指定の予約チケットを入手しなくてはいけないところ。館内が狭いので仕方がないのかもしれませんが、やはり面倒です。せめて余裕があるときには入り口で当日売りをしてもらえるとありがたいです。
 で、まあすでに開館から7年近くたっていますので、いろいろとレポはあるでしょうから、ここはうちのサイトらしく映画ファン向けに。
 入場すると引換券と引き換えた入場券として、いずれかのジブリ作品の35mmフィルム3コマ分が付いてきます。我が家がもらったのは『ハウルの動く城』『千と千尋の神隠し』、もう1個はわかりませんでした。一応全作見ているんですがねぇ(笑)。なお館内は撮影禁止です。まあ仕方がないでしょう。
 まず「動きはじめの部屋」。ここではたくさんのゾートロープがみられましたが、アニメーションの原点ともいうべき装置なので、映画ファンは必見です。またここではALTECの真空管アンプが現役で頑張っていました。(機種はチェックしなかった!)
 そして短編上映館「土星座」。80人ほどが鑑賞できるミニシアターですが、館内から映写機がみられます。これは嬉しいです。上映されているのはジブリ制作 の短編で、今回は『コロの大さんぽ』。月ごとに上映作がかわるそうです。出来は正直なところ、ありゃりゃ。ピクサーの短編とこうも違うのはなぜでしょ う??
 注目は常設展示室。「映画の生まれる場所」はアニメーションができるまでをいくつかの部屋にわけて、実際に使用されたものを使いながらとてもわかりやすく展示してありました。以前川崎市民ミュージアムで開催された「アニメ黄金時代」という展示をみて感じたことに「セルアニメを作っていたころの機材はあと数年で確実になくなっていく中で、そういうものを芸術として残していく必要性があるのでは」という点があります。そういう意味でここの展示はとても貴重でした。絵コンテ、セル、アニメーションスタンドなどが見られたのは感激しました。おそらくこういう展示は世界でも例がないと思います。
 というわけで個人的にはなかなか見応えがあったところでした。あとはせっかくアニメーションの美術館なので、ワークショップ的なものがあるとよいなと思ったことと、展示スペースはもっともっとほしいところです。男鹿さんのを他のところで企画・展示させるなんてまずいでしょう! ジブリが好きな人はもちろん、アニメファン、映画ファンなら1度足を運ぶ価値があると思います。

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2009年1月 3日 (土)

作家スティーブン・キングのベストテン

 毎年恒例、作家スティーブン・キングのベストテン。最近すごくまっとうな作品が選ばれています。審美眼が備わってきた?? それとも向こうでもかつてのキングが好んだような作品は少なくなってきたからでしょうか。
1位『ダークナイト』
2位『スラムドッグ$ミリオネア』
3位『ウォーリー』
4位『トロピック・サンダー/史上最低の作戦』
5位『ファニーゲーム U.S.A.』
6位『バンク・ジョブ』
7位"LAKEVIEW TERRACE"
8位"THE RUINS"
9位『レッドベルト 傷だらけのファイター』
10位『デス・レース』

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2009年1月 2日 (金)

『シルク』

Silk ☆ 勝手にしてくれ。
 新年最初にみたのはこの作品だったのですが、いきなり大ハズレでした。ひどいです。
 とにかく話に説得力がまったくない。この物語でもっとも残酷なのは時間であり、そして隔てられた距離にあるのです。物語の舞台となる時代は、それこそ日本までの旅は命をかけた長旅になるはずがまず全然重みが感じられません。その上、そこでマイケル・ピット演じる主人公がが感じる寂しさとか切なさが希薄なため、なぜ彼が少女(そもそも芦名星が少女というのが大間違い)に惹かれたのかもさっぱりわからない。さらにキーラ・ナイトレイ演じる妻との関係の描き方がまったく的を射ないので、最後で手紙の秘密が明かされるところもまったく効いてきません。主人公の心情がここまでみえてこないのも珍しいのですが、その上、観客から勝手にしてくれと思われる描き方には呆れるほかありません。画だけは無駄に美しく、坂本龍一の音楽も素晴らしい出来だけに、余計にいらいらが募ります。
 マイケル・ピットとキーラ・ナイトレイは彼らのキャリアでも最大の汚点となるような演技、芦名星にいたっては大根という表現以前の問題です。実力派役所広司には威厳が、アルフレッド・モリーナには懐の深さが欠けた演技です。唯一の救いは中谷美紀で彼女だけはこの映画の中でも光っていました。
 日本の描写がそれほど悪くないだけに、もっと堂々たる大作にすればよかったのかもしれませんが、それですべて解決できるとは思えないほどのひどいできばえです。

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2009年1月 1日 (木)

2009謹賀新年&今年の購入計画?

 明けましておめでとうございます。昨年末に購入したDMR-BW830がずーっと稼働しているような気がしてなりません(笑)。さて毎年恒例(?)今年のシアターまわりの目標!

<絶対にやること>
・プロジェクターのランプ交換:ランプは買ったのですが・・・(以下別の時に)

<ほしいもの>
・次世代DVD対応のアンプ
・フロントスピーカー
・ブルーレイプレイヤー

 こんな感じ。ランプ交換ははやくしなきゃいかん! でも一番欲しいのはブルーレイプレイヤーかなあ。レコーダーを利用しているときに再生できるハードがないのは困りますし、ブルーレイがあるのにロスレス音声が楽しめないのは、やはりつまらないです。でも待てよ、ロスレス再生は新しいアンプを買えば済むことではないか! よし、買ったあ!って展開にならないようにしないといけませんね。
なんか去年とまるっきりオチが同じな気がします(汗) あと今年は少し映画館でみる本数を増やしたいと思います。ちょっとベストとかも選べる状況じゃないです。ただ言えるのは年々本当に「みたい!」と思わせる作品が少なくなったこと。これも私が年をとった証拠なんでしょうか(いよいよ40代に突入です)。 なんだかねぇ。

 ではみなさま今年もよろしくお願いします。

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