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2009年1月17日 (土)

ジョニー・キャッシュの"Hurt"

 BSで『ウォーク・ザ・ライン』をやっていました。ジョニー・キャッシュを描いたこの作品で、彼を知った人も多いでしょう。私はお話ししているとおり、U2の大ファン。そのU2のアルバム"Zooropa"の最後を飾る曲"The Wonderer"がキャッシュとの出会いでした。なんとこの曲でボーカルとして参加したのです。ボノではなく、いきなりあの声が聞こえてきたのですから驚きました。そして2度と忘れられない声ですから衝撃的でした。カントリーミュージックはどうしても敷居が高かったのですが、その生き様をあとで知識としてかじって、すごい人なんだということを知りました。
 その後、私は生涯出会った中でももっっと素晴らしいビデオクリップと出会います。それがマーク・ロマネックが監督した"Hurt"でした。この曲が収録されている"American IV: The Man Comes Around"は、鬼才リック・ルービンプロデュースのもと、5枚まで作られたアコースティックアルバムで、その4番目。中にはイーグルスの「ならず者」やサイモン&ガーファンクルの「明日に架ける橋」、ビートルズの「イン・マイ・ライフ」などのまあ、わかるねというものから、デペッシュ・モードの「パーソナル・ジーザス」のように「そんな曲をやるの!」というものまで(いやいや、そんなことで驚いてはいけません。なにしろ2や3ではベックやサウンド・ガーデンの曲までカバーしている)なのですが、"Hurt"はなんとナイン・インチ・ネイルズのカバーです。当時70才をすぎてですよ。正直ナイン・インチ・ネイルズのオリジナル曲はピンと来ませんでしたが(あっ、クリップは個性的でおもしろいです)、カバーの方のクリップは凄かった! 心が震えました。キャッシュがこの年齢でこの曲をあの声(年齢なりの衰えがまた重い)で歌う上に、あの映像。もうすべてが完璧です。

I hurt myself today
To see if I still feel
I focus on the pain
The only thing that's real
The needle tears a hole
The old familiar sting
Try to kill it all away
But I remember everything
What have I become?
My sweetest friend
Everyone I know
Goes away in the end
You could have it all
My empire of dirt
I will let you down
I will make you hurt

今日、私は自分を傷つける、
私がまだ感じるかどうか確かめるために。
私は痛みに集中する、
それが唯一の現実。
針が傷を引き裂く、
ずっとひきずってきたその傷。
すべてを消し去ってしまいたい、
けれど私はすべて思い出すのだ。

私は何者になったというのだ、
愛すべき友よ。
私の知っている人はすべて、
結局立ち去ってしまったではないか。
おまえはすべてを手に入れることができた、
私の土の帝国を。
私はあなたを失望させるだろう。
私はあなたを傷つけるだろう。
(訳じんけし)


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