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2009年1月21日 (水)

BD: The Deer Hunter 仏盤の謎に挑む!

 というわけで以前書いたBD: The Deer Hunter (FR)の謎に挑みます。

その前に。

 

昔からPALマスターに悩まされた人は多いでしょう。小難しい説明は省きますが、要はヨーロッパと日米ではテレビのシステムが違い、ヨーロッパでマスターを作られると早回しの状態になるのです。特にカットされるわけではないのに2時間物でいうとだいたい4、5分短くなる計算。つまり120分の作品が115分になり、これが正規版として発売されてるのがヨーロッパなわけです。日本ですとユニバーサルと東北新社が権利を持っている物に多く、特にオープニングにスタジオカナルと出てきた日にゃあ要注意です。
 で、この『ディア・ハンター』もその1本。一番最初にリリースされたのはパイオニアLDCのはきちんとNTSCマスターで作られた収録時間183分のもの。次に出たのがユニバーサルからリリースされたリマスター盤。でもこれがPALマスターからのもので収録時間は175分。そしてもっとも最近出たのがユニバーサルからの30周年記念エディションだが、これもまたPALマスター。我が家にあるのは最初のLDC版と米国盤(バージョン的にはユニバーサルからのリマスター版に近いが、当然のごとくちゃんとした183分版。)そのぐらいとおっしゃるなかれ。これは私には大問題なのです。特にサントラで聞き込んでいる作品(この『ディア・ハンター』もスタンリー・マイヤーズの名曲「カバティナ」があります)の場合、サントラは当然早回しになどなりませんから、オリジナル通り。この音程の違いはいかんともしがたいのです。
 しかーし。実はブルーレイのようなHD映像は世界共通のコーデック(走査線やコマ/秒は一緒ですもん。NTSCとPALの場合、それが違うのでやっかいだったのだ)、NTSCとかPALとかのテレビ方式は無関係。ついに欧州版も普通に楽しめるのか!(といってもリージョンコードが今度はひっかるようになったのですが)と喜んでいたのですが、その記念すべき初購入の仏版BDでやられちまったのです。このディスクはリージョンはA&B(ブルーレイの場合、日米はAで、欧州はB)でなんと日本語字幕が入っているとのこと。収録時間は183分。これはと思い購入。たしかに収録されていましたし、時間は183分だった・・・が。音のピッチが高いのです。
 考えられるのは183分収録されている(機器での表示も183分)ハズなのに実際は183分ではないということ。まず単純な同時再生からスタートしました。するとタイムカウンターがずれはじめました。1時間ほど再生して4秒ほど。でもこれは予想していたよりはずっとズレが小さい。その上、予想外なことになぜか音と映像のズレがうまれないのです。もし単純なずれであるならばずれてくるはずです。しかしいつまでたってもズレはうまれないのです。すると考えられるのはPALマスター素材を183分に引き延ばして収録している可能性。つまりスタジオカナルの手元にはPALマスターしか素材がなくて、それを元の時間にするために無理矢理のばしておさめているということ。ただ映像はかなりきれいなので、映像は新たにテレシネを行い、音声のみはPAL用のシネテープから素材を起こしたとか・・・。ああ、もうわけがわからん! というわけで事情をご存じの方、ぜひぜひぜひぜひ!

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コメント

最近、イギリス盤を購入しました。
やはり183分のスタジオカナルですが、映像特典が含まれているなど、フランス盤とは違うようです。比較していませんが、どうでしょうね?
サントラCDは持っていますが、機器比べまではしていません。

投稿: | 2010年3月24日 (水) 09:46

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