『伊豆の踊子』(1974)
☆☆1/2 丁寧な仕事ぶりのプログラムピクチャー。
百友なんて今の若い世代は知らないでしょうじゃ。別にリアルタイムの私も全然はまった人じゃないのですが。というかこの2人の映画は今後は映画史的には三浦友和の若き日の出演作と記憶されるのかもしれません。私自身もみたのは『霧の旗』(併映の『惑星大戦争』めあて)のみ。で、録画テストもかねてこれをみました。
川端康成原作のこの小説はなんと6度映画化されており、これが今のところ最も新しい映画。監督の西河克己は2度目の同作担当になります。90分を切る尺で、なおかつアイドル映画というフォーマットをきちんと守っているにもかかわらず、ロケーション、セット撮影などに丁寧な仕事ぶりがうかがわれます。また脇役陣が素晴らしく、特に中山仁、一の宮 あつ子の存在感はぐっと物語を締めています。山口百恵はこの時点では可もなく不可もなくではないかと思いますが、三浦友和はやはり素晴らしい才能の片鱗を感じさせます。この真っ白なキャンバスのような彼をスターにできなかった罪は大きいですね。でも今ではそれが糧となっているのでしょう。こういうプログラムピクチャーが成立した時代の豊かさを感じると共に、アイドルという時代が遠い過去であることを感じます。
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