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2008年12月23日 (火)

『プライドと偏見』

Pridepre ☆☆1/2 作品自体に格がないことが魅力を損ねている。
 かつてコリン・ファース主演のBBC製作ドラマがオンエアされたときには、そのできばえの素晴らしさにファンが大騒ぎして、無事パッケージ化されましたが、その同じジェーン・オースティン原作の映画化です。で、こっちのできばえは可もなく不可もなくといったところでしょうか。
 クラシックな装いはその美術や衣装、そして抜群のロケーションでよい味となっています。いくつかの場面では野心的な移動撮影やワンカット撮影もあり、見応えがあります。しかし反面物語展開が単調であっさりしすぎたきらいがあります。特に姉妹の葛藤と家族の日常、そしてエリザベスとダーシーの物語はじっくりと描けたドラマだったと思うのですが、サブプロットの枝葉を切りすぎたのかもしれません。このあたりはもったいなかったと思います。演技陣はキーラ・ナイトレイはコスチューム・プレイが似合います。しかしそれだけでもあります。マシュー・マクファディンはおもしろい個性なのですが、もうひと声といった感じ。ドナルド・サザーランドとブレンダ・ブレシンは儲け役。ジュディ・デンチは何だかなあな役回り。
 昨今のラブロマンスに食傷気味な方には新鮮にみえると思いますが、作品自体に格がないことが魅力を損ねていると言えます。やはり中身が肝要です。 

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