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2008年10月29日 (水)

監督ショーン・ペンをたたえる

(前日より続く)
 でもペンのすごさにあらためて驚嘆したのは東京ファンタでみた『インディアン・ランナー』でした。来日したときに本物を間近で見ることが出来ましたが本当にしびれました。それ以上に彼の処女作の素晴らしさにも驚かされました。ヴィゴ・モーテンセンとデビッド・モースの出世作としても知られるこの作品は、家族の絆と生きることの厳しさをしっかりとみつめた作品でした。中でも父親を演じたチャールズ・ブロンソンが最後にかけた電話のシーンに涙ナミダ。音楽の使い方も見事で、この作品でザ・バンドのすごさに気づかされたのでした。
 2作目の『クロッシング・ガード』は「許し」について描かれたジャック・ニコルソン主演作。前作とは違う苦味があるドラマでした。派手さはなく淡々とドラマは進んでいくが、そこに静かに登場人物の心の中が浮かび上がってきます。ずっと重苦しい展開が続きますが、あの墓地でのラストシーンで私は大泣き。神々しささえ感じられた場面でした。
 3作目の『プレッジ』はいよいよペンの演出が成熟してきてました。ニコルソンの演技も見事で、個人的にはこれがあったから『アバウト・シュミット』の役が演じられたのではと思っています。あまりに救いのないオチに賛否両論でしたが、でもあの幕切れ、ひとりぼっちのニコルソンには胸を打たれました。
 そして『イントゥ・ザ・ワイルド』。本当にショーン・ペンのファンでいてよかった。監督作全部を映画館でみていることは、私のささやかな誇りです。

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