『エレクション』
☆☆1/2 もうひと工夫というのは贅沢?
ジョニー・トーが作り上げたずばり黒社会(原題)は、突発的な暴力や、彼独特のユーモラスな間合いは健在でしたが、やや私には肩透かしの感がありました。いつもなら必ず彼の作品にある印象的な場面もあまりありませんでしたし(しいて言うなら木箱ぐるぐるかなあ)、この世界で生きるには誰もが手を汚さねばならないわけですが、その心の内がもうひとつみえてきません。その前の『PTU』や『ブレイキング・ニュース』の先鋭的なオリジナリティの方に魅力を感じたからかもしれません。サイモン・ヤムは役不足、レオン・カーフェイの加齢ぶりに驚き(白竜みたいだった!)。この作品には続編もありますので期待したいと思います。
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