『アラビアのロレンス』
☆☆☆ 砂漠の中で感じた孤独。
オールタイムベストテンなどでは必ず顔を出す作品の中で、わけあって私の未見作品リスト(?)の中に長いこと眠っている作品があります。たとえばシリーズものの1本目をみてからでないとつまらなそうとかの場合などですが、もう1つの大きな理由で大画面でないと意味がなさそうな作品があります。たとえば『ベン・ハー』『十戒』。大型フォーマットで作られた作品は、できるかぎり大スクリーンでみたいと考えています。しかし以前ほど大劇場でのリバイバルが叶わない今、少しずつでもHD放送でみていこうかと思っています。そのうちの1本だったのがこれ。ずっと前にHD放送されたものをやっと夏の休暇中にみました(だって長いしなあ)。
部族間の衝突と、長としての宿命の大河ドラマの中で、どこの誰にも属すことができなかったロレンスの孤独は、雄大な砂漠を背景にして圧倒的な説得力をもって迫ってきます。折り目正しいきっちりとしたドラマ作りはデビッド・リーンならでは。セルジオ・レオーネとは違う意味で、けっして急くことのない展開は彼の真骨頂と言えます。すこし世界史の背景を知っておく必要はありますが、西欧諸国にとって異文化体験物語のフォーマットはこういうものなのでしょう。ピータ・オトゥールもさることながら、やはりアレック・ギネスのくせ者ぶりが印象に残ります。さあデビッド・リーンの大河ドラマがあと2本、REC-POTに長いこと眠っています(『ドクトル・ジバゴ』『ライアンの娘』)。これは年末年始ですかねぇ。なんて思ってたらなんと『アラビアのロレンス』がリバイバル決定。場所はテアトルタイムズスクエアって、元アイマックスシアターじゃないですか! まあ35ミリでもちょっとはよい環境で楽しめるかもしれません。
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