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2008年8月20日 (水)

宮崎駿(3)

<無意味な男たち>
 こうやってみると男性キャラにはきわめて引き出しが少ないことに気がつきます。極端にいえば入れ替えても作品が成立してしまいます。『魔女の宅急便』のパン屋の主人、『となりのトトロ』の父親、『崖の上のポニョ』の父は入れ替え成立どころか、作品への影響力の少なさも共通しています。宗介の父なんて長嶋一茂をキャスティングした時点で、その薄い存在感が想像できます。
 主要人物で男性が主人公になった物が5作品ありますが、ルパンもポルコも行動パターンは同じ。パズーとアシタカも正義感のスタンスはまったく同じです(これはTV作品である「未来少年コナン」でも同様です)。『千と千尋の神隠し』のハクなどは人間に裏切られた存在であり、魔法を使いたくて湯婆婆に魂をうってしまったわけですから、本来葛藤でもがき苦しむべきキャラクターです。しかし彼は千尋を守るために行動します。このあたりの行動原理は宗介と同様で、正直なぜそこまでできるのか理解に苦しむ部分があります。

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