『カンフー・パンダ』
☆☆ メジャースタジオのアニメはこうね。
ドリームワークスのフルCGアニメの新作はそれなりの面白さを持っているものの、予定調和の域を超えない作品になっていました。
カンフー映画らしい舞台設定や龍の巻物の中身などは本場の作品をよく研究しているなと思いましたし、ジャック・ブラックが声をあてている主人公のパンダと師匠の関係は、まるでジャッキー・チェンのコミカルカンフー時代を彷彿とさせてニヤリとさせられました。しかしラストの大円団はまさに予想通りで、それがカタルシスにならない。きっとフルCGゆえに肉体の痛みを感じさせないからなのでしょう(ただし技術的には恐ろしい世界に突入しており、それには驚かされました)。結局何もかも予想通りであるならば、何かしらのひねりがないか、よほどの練り上げがなければおもしろくありません。このあたりは昨今のメジャー作品のアニメーションが内包する問題で、みんなピクサーと同じテイストじゃ仕方ないだろと思います。むしろ冒頭のパンダの夢やエンドクレジットの2Dアニメの方がアートとしては秀逸で、そっちだったらまた別の可能性があったかもしれません。
(新宿ジョイシネマ2にて)
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