夏だからみる3本
毎年夏になると3本ほど必ずみる作品があります。
『ファンダンゴ』で夏のあてどない旅のムードを盛り上げ(笑)、『火垂るの墓』で大切なことを忘れないよう祈ります。
もう1本は『フィアレス』。
ピーター・ウィアーのこの作品は航空機事故を題材としたフィクションですが、残された人々、生き延びた人々の姿を描いた作品です。8月にあった出来事で私がどうしても忘れられないのが1985年8月12日に起きた日航機墜落事故。中学生だった私に強烈な印象を残しました事件でした。しかしこの事件の衝撃はその後、この事故の遺族の皆さんの哀しみがいえないという事実を「茜雲」という遺族の方の文集で接したことでした。その後もさまざまな資料や文献で、この出来事がもたらした現実の重みが、今でも私の心の中に深く残されています。そして命の重さと生きることの意味を、尊い犠牲から学ばなくてはいけないと痛感させられました。それは現実をもとにした作品をフィクションとして描く映画が数多くある中、そんな作品と接するときの自分のスタンスのベースになっているところがあります。この映画の最後に出てくる事故直前の機内の様子はあまりにも真に迫っていて、日航機墜落事故が思い起こされてなりませんでした。新聞でこの事件から何年などという記事が出てくると、私はこの作品で亡くなられた方々のご冥福と遺された人々の平穏を祈るとともに、大切なことを忘れないようにと願うのです。
この作品で使われたのがヘンリク・グレツキの交響曲第3番「悲歌のシンフォニー」第1楽章。魂の音楽という形容がふさわしい音楽です。
明日より9月ですね。
| 固定リンク
この記事へのコメントは終了しました。
コメント