「セルジオ・レオーネ―西部劇神話を撃ったイタリアの悪童」
『夕陽のギャングたち』が素晴らしくて、以前読んでいたこの本をもう一度再読。とにかくボリュームもさることながら、一人の映画監督の評伝としても抜群の面白さを誇る。私のお薦めの言葉よりこの本の訳者あとがきを抜粋しておく。
もし、あなたが今、この本を購入しようかどうかと迷いながら後書きに目を通しているのなら、ぼくからのメッセージはただ一つである。お買いなさい。絶対に損はさせません。もしも、あなたがすでに『荒野の用心棒』を始めとするレオーネの西部劇や、『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』に魅せられてしまっているなら買うべきだ。仮にあなたがいわゆる「マカロ子ウェスタン」が苦手だったとしても、やはり買うべきだ。この本にはジョン・フォードも登場する。黒澤明に関してもすこぶる興味深い逸話が披露されている。あなたがもしもクリント・イーストウッドのファンであるならば、あなたはこの本を買うべきだ。エンニオ・モリコーネのアルバムを集めているのなら買うべきだ。映画史に興味があるのなら、というか、映画というものに興味があるのなら絶対に買うべきだ。ひょっとしてあなたが、映画というものにまったく興味を持っていないとしても(そんな人物がそもそのこの本を手に取ること自体考え難いのだが)、それでもあなたはこの本を買うべきなのだ。なぜなら、この本はとてつもなく興味深く破天荒な一人の人物と、彼の人生に登場した個性豊かな面々を生き生きと描いたすこぶる面白い「人間」の記録なのだから。(訳者:鬼塚大輔氏)
本当に高いけれど絶対に買いの一冊。
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